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本当に「子育てしやすい」ってどんなことだろう

この記事を読んでどう思うか。
まだまだ完成形ではないというこの取組み。
だから現時点で判断を下すとか、断定的に賛否を論じることはしたくない。

でも、2つ気になることがあるので言及しておきたい。

まず、「小1の壁」。
これは保護者の働き方について感じることだとされている。
もちろん私も働く母親としてこの意味は痛いほど分かる。
登校時間だけではない。
下校後のことも、長期休暇のことも、これまでの保育園とは同じようにはいかない。
だからこそ困っている家庭は多いと思う。
その視点からすると、7時に学校施設を開けてくれることはとても助かる。

そして「子育てしやすい街」。
確かに、親からしたら子育てしやすそうだ。
今の保護者の困りごとに寄り添ってくれる行政。
こんなにありがたいことはない。
たいてい、行政の施策はスピードが遅く、議論され始めても実現したのは自分の子はもう成長して使えなくなったあとだった、みたいなことはよくあること。
まあ、この問題は長年の課題だったのかもしれないが、全国的に大きな声になってからようやく取り組み始めたという感じではないので、行政の動きとしてはスピーディーな方ではないかと思う。


でも、この記事を読んでいて違和感を感じたのは、子ども視点が一切ないこと。
「小1プロブレム」という言葉を聞いたことがある人も多いだろう。そして、この課題については、未だにそれに対する取組みも継続している。
要するに解決されていないということだ。
これは、令和5年2月に出された文部科学省の資料なので、この課題がまさしく現在進行形であることが明らかだ。

幼児教育と小学校教育は、他の学校段階等間の接続に比して様々な違いを有しており、円滑な接続を図ることは容易でないため、5歳児から小学校1年生の2年間を「架け橋期」と称して焦点を当て、0歳から18歳までの学びの連続性に配慮しつつ、「架け橋期」の教育の充実を図り、生涯にわたる学びや生活の基盤をつくることが重要。
架け橋期の教育を充実するためには、幼保小はもとより、家庭、地域、関係団体、地方自治体など、子供に関わる全ての関係者が立場を越えて連携・協働することが必要。
教育行政を所掌する文部科学省は、こども家庭庁をはじめとする関係省庁と連携を図りながら、家庭や地域の状況にかかわらず、全ての子供が格差なく質の高い学びへと接続できるよう幼児期及び架け橋期の教育の質を保障していくことが必要。

学びや生活の基盤をつくる幼児教育と小学校教育の接続について ~幼保小の協働による架け橋期の教育の充実~

朝7時から遊び、8時からお昼過ぎまで学校の日課を過ごすわけだけど、いくら子どもが体力おばけとはいえ、朝早くに起きて、ひと遊びして午後の授業まで持つのだろうか。
おそらく、早朝の預かりを必要とする子は夕方に学童保育にも行っているはずだ。
根拠とかは何もないのだけど、この生活が辛くなってしまう子がいるのではないかな、と心配になる。
くつろいで安心してリラックスできる空間で過ごす時間があまりにも少なくないかと思ってしまう。
朝から夜まで刺激を受けっぱなしで過ごすことは、小1プロブレムを加速させないだろうか。

そして、この施策を掲げて「子育てしやすいまち」というのにも若干の違和感を覚える。
子どもへの負担を増やして、それで大人にとって「子育てしやすいまち」だとキラキラ語っていていいのだろうか。
本来ならば、保護者の負担を軽減して親子での時間が増える、とか、何かしらの施策を講じることで子どもの育ちに良い影響をあたえるとか、そういうことを目指すべきなのではないだろうか。

もちろん、これがきれいごとに過ぎないことは分かっている。
目の前で起きていることを解決するためにはこれをやらざるを得ない。
それなら分かるのだけど、7時に校門を開けることで「子育てしやすいまち」だと言っていていいのかが疑問なのかもしれない。

私だってこの制度が自分の住んでいるところにあれば使うのかもしれない。
でも、どこか後ろめたい気持ちが残ると思う。
この気持ちは私だけなのかな。
皆さんはどう思いますか?

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