コンサル100年史 コンサルティングファームってなに?
31歳で上場企業の新規事業に携わることになり、一気に仕事で携わる人達がいわゆるエリートばかりになりました。
具体的にいうと、役員クラスには大手金融機関(ゴールドマンなんちゃらとか)を渡り歩いているCFOや某大手広告代理店(サイバーなんちゃら)の元局長、若手社員でも、有名大学の理数系大学院卒でとにかく数字に強い奴や、大学卒業後にコンサルティングファームで働いていた経験があるような奴がゴロゴロいるのです。
今まで人材派遣業を通して構築された人脈は、基本的に大手企業からの2次3次受けの案件レイヤーの企業ばかりであり、自分自身は中堅大学中退というポンコツ学歴人なので、エリートがどのような人種なのかあらためて調査しようという気になりました。
そして、エリートはコンサル系の業界出身者が多いという仮説のもと、コンサルって何なの?どうやってできたの?という歴史的な背景を学ぶことにしました。
コンサルについて調べようと思った大きな要因は、規模の大きめなプロジェクトで派遣を募集している企業は大手元請け企業から案件を受託していることが多いのだが、その大手元請け企業は高い確率でコンサルティングファームなのです。
つまり大型のプロジェクトを牛耳っているの大体コンサル説
早速、コンサルの書籍を調べると、すぐに本書に辿り着きました。
世界の企業・政府に影響を及ぼし続ける強大な力の正体とは?
100年の歴史をひも解き、その存在の是非を問う!
時に名だたる企業の社運をかけた一大事業を動かし、
また時に一国の政府の政策決定にまで関与するなど、
社会に対して決定的な影響力を有する頭脳集団として
近年ますます注目を浴びる「コンサル」(経営コンサルティング・ファーム)。
その卓越したビジネスノウハウが各所で語られるなか、
実態そのものについては謎に包まれたままでした。
本書は、そうした「コンサル」の正体を明らかにするべく、
20世紀初頭に活躍したフレデリック・テイラーに始まる100年の歴史を紐解くとともに、
実際のプロジェクトをコンサルティング・ファームがどのように手がけたか、
またコンサルタントたちは現場でどのように働いているのかなどを詳らかにするものです。
さらに、マッキンゼーで数々の経営変革案件に携わったのち、
自ら経営コンサルティング・ファームを立ち上げた著者が、
日本におけるコンサルティング業界の問題点を指摘し、
これからのコンサルティングのあるべき姿について提言します。
*** 本書の特徴 ***
1 豊富な図表・イラスト・写真とともに紹介!
草創期の様子を伝える写真、歴代の伝説的コンサルタントたちの名言や肖像、
関連する様々なデータのグラフなどを参照しながら、
コンサルティングの歴史を視覚的かつ多角的に理解できます。
2 実際のプロジェクトのインタビューを収録。
今回、特別にコンサルティング・ファームやクライアント企業の許可をいただき、
当時プロジェクトに携わったコンサルタントの方々へのインタビューに成功。
プロジェクトの背景や実際の進め方、突き当たった壁など、
現場を知るコンサルタントならではのリアルなエピソードが満載です。
3 実務と採用の実態を、現役コンサルタントが経験談とともに解説。
謎に包まれた「コンサルという仕事」について、
2000年にマッキンゼーに入社して以来、約14年間コンサルタントとして
最前線で活躍してきた著者が率直に語りながら、その実態を明らかにします。
4 経営者必見。「コンサルの正しい使い方」を具体的にアドバイス。
今後、日本企業は「コンサル」を使う上でどのような点に注意すべきなのでしょうか?
日本企業とコンサルティング業の間に生じている「5つの齟齬」に注目しながら、
コンサルティング・ファーム選びの指針となる考えかたについて解説します。
まずはじめに、「コンサルってなに?」という問いに対する回答を一言でいうならば
社会のヒエラルキーのトップにいるエリート集団
なのではないかと思います。
もうちょい具体的には、会計士や弁護士などの超難関資格を持つエリートとか超有名大学で経営についての研究をしきたようなエリートたちが、大手企業から国や政府に至るまでの様々なプロジェクトで、どうすればより成果を上げられるかについて専門的なアドバイスをおこなう組織、といったところでしょうか。
世界的に有名なコンサル企業ですが、
戦略系 マッキンゼー、ボストンコンサルティング
会計事務所系 デロイト、PwC
IT系 IBM、アクセンチュア
代表的なのはこのあたりでしょうか。
上記の企業に勤めているような知人は今まで一人もいませんでした。
※戦略系やらIT系ってなんぞやって興味持てる方は是非本書を買ってみてください
というのも、こんな企業に勤められるのは、超一流大学の中でも厳選された一部のエリートだけだからです。
規制が追い風になったコンサル業界
なぜこのようなコンサル企業が時代の波に揉まれながらも拡大を続けてこれたのか。
まずコンサルティングファーム草創期にあたる1933年にアメリカで銀行法が成立(GS法)。きっかけは1929年の世界恐慌。
この時に株価暴落のあおりをうけて5000行もの銀行が倒産する自体に陥った。
そこで、金融機関の経営を安定化させる目的で、銀行の投資活動が法律で制限されることになった。
GS法によって「商業銀行」と「投資銀行」は明確に分離され、企業に融資する立場にある商業銀行は、中立性の観点から経営コンサルティング業務ができなくなった。
また、同年には新しい証券法も制定され(1933年連邦証券法)、企業に関する情報を収集・提供する作業を担っていた弁護士たちがクライアントである金融機関に都合のいい情報を提供する意味合いにおいて、その独立性に疑問符が付けられ、会計事務所が監査先の企業の経営アドバイスを行うことも禁止された。
こうした社会的な規制強化の動きが、コンサルティング業界が成長を果たす上での大きな力となったのである。
IT系と会計事務所系の参戦
社会のIT化に伴い、ハードウェアのつくり手が大きな役割を果たした。
なかでも、業界をリードする存在となったのはIBMである。
IBMはマシンを開発・製造し、販売する「ハードウェア・ベンダー」として成長する一方で、導入したシステムがその企業で効率的に稼働するためのプログラミングやデータ処理といった「サービス」を顧客に提供するようになっていた。
モノを売る"業者"という立場から、そのニーズに応じたサービスを提供する"ITコンサル"的な立場へと進出していったのである。
ところが、ITコンサルティングというビジネスが、一つの市場として認知されるようになった結果、IBMは独占禁止法の適用を受け、「35年間にわたるコンサルティング業務の禁止」という重い足かせがはめられることとなった。
増大するITコンサルティング需要の受け皿として、SIerと並んで存在感を高めていったのは、意外にも会計事務所だった。
コンピュータの登場によって最初にシステム化が試みられたのは、売上などの会計の分野だったことや、大手会計事務所は、税金対策や法務部門のアドバイスをサービスとして行うコンサルティング部門をすでに抱えていた事が大きな理由である。
1990年代に入ると、企業の業務内容や業務の流れ、組織構造を抜本的に見直すための高度な情報システムとして生み出された、BPR(Business Process Reengineering)や、在庫・生産・販売管理、人事・給与など業務毎にバラバラだったシステムを一元管理できる「統合基幹業務システム」としてERP(Enterprise Resource Planning)が登場した。
この頃から、戦略系、会計事務所系、IT系の境界線が消失する格好となった。
日本の経営コンサルティング業界
外資系ファームが日本での活動を本格化させる一方で、日本初の国内系ファームも様々な形態をとりながら誕生していった。
いわゆる「総研系」と呼ばれる企業群や、日本で誕生した「IT系」のファームなどである。
その他、リクルートや大手広告代理店などから派生した、「人事・組織」、「ブランディング」など、特定の分野に強みを持つファームも数多く存在する。
◆経営コンサルティング
船井総合研究所
コーポレイトディレクション
ドリームインキュベータ
◆M&Aアドバイザリー
GCAサヴィアン
◆IT・総合コンサルティング
アビームコンサルティング
デロイト トーマツ コンサルティング
◆ブランドコンサルティング
博報堂コンサルティング
◆シンクタンク
野村総合研究所
日本総合研究所
三菱総合研究所
◆人事コンサルティング
リクルートマネジメントソリューションズ
リンクアンドモチベーション
経営コンサルタントの実務やキャリアパス
経営コンサルタントに求められる能力として、論理的思考力とリーダーシップが挙げられる。
提示された課題に対する答えの正しさを判定することだけではなく、答えへのアプローチ、つまりロジカルな思考力の有無や、ディスカッションを円滑にすすめるリーダシップが求められる。
コンサルタントの仕事は、自分ひとりで完結するのではなく、以下に周囲を巻き込んでゴールに向かっていくかという主体性やチームワークも必要とされる。
また、こうした能力とは別に、自分以外の人間の成功を我が事のように喜ぶことができるかという点は大事で、コンサルタントの適正があるかどうかに繋がる為、真摯に検討すべき。
コンサルティング業界は出世競争のような側面があることも否定できないが、本質的には自分以外の人間の目標を理解し尽くすことで、その達成をサポートする職業だ。
コンサルのキャリアパスとしては、スキルが生かせる投資ファンドや外資系企業やメーカー、製薬会社などの事業会社も安定した人気がある。
ネットスーパー「オイシックス」の高島宏平氏やDeNAの南場智子氏など、自ら起業する人も多い。
また、コンサル時代に構築したトップ層とのコネクションや人材を見抜く眼力を生かす業態として、エグゼクティブ・サーチ(ヘッドハンティング)業界に身を投じるコンサルタントもいる。
日本はなぜ"コンサル後進国"なのか
主要な外資系ファームが日本に進出し始め、国内でも独自のコンサルティング会社が生まれるようになった1970年代以来、既に40年近い歳月が流れているにもかかわらず、いまだに日本にはコンサルティングというビジネスが浸透していない。
それはすなわち、欧米型のコンサルティングサービスが日本の企業経営者にとって魅力的なサービスになれていないことを意味するのではないか。
勝ち馬にしか乗らないアメリカ式コンサルのロジックは、日本では通用しない。
コンサルタントが尽くし、支える対象は「人」であるという考えを持ち、大企業と契約することばかりに目を奪われるのではなく、志を持ったリーダーの伴走者になるということに徹底する事が大事。
事業領域や企業名でなく、"あなた"を支えてくれるコンサルタント、言い換えれば、この人になら自分の情熱を託してもよいと思えるようなコンサルタントと仕事をすることをおすすめする。
おわりに
題名や本の厚みから、結構お固めな読みずらい系の書籍かと思いましたが、そんなに文字数も多くなく、素人でも読みやすかったです。
実際にコンサルが携わった政府・起業の大型プロジェクトについてのコラムや、コンサルタントが実際にどのようなスケジュールでどのような働き方をしているか、これからの時代にコンサルに求められる事など細かく書いてあって面白いです。
コンサルに興味を持っているが具体的に何なのか良くわからないという方は是非ご一読を。