「ヴィンテージ」
ヴィンテージ、と聞いて何を思い浮かべますか?
ワイン、アクセサリー、腕時計、車・・どれも年代物の高級品が思い浮かびますが、僕が浮かべるのは鉄道。昔の車両や駅が、いまも元気に走ったり使われたりしているのを見ると胸が熱くなります。
ヴィンテージはアンティークやレトロとは趣を異にし「置物ではなく、ちゃんと動かすことができるもの」っていうイメージですね。
車に例えると、そのすごさがわかります。数十年も大事に直されながら走っている。鉄道はみんなのものなので、そんなレアものを比較的安価に誰でも愛でることができる。奇跡です。
乗ったり触ったりしていると、ある思いが浮かんできます。だんだんガタがきつつ、世間の進化とズレていきつつも、それでも気高く、色んなものを背負って走っている。人もそうかもしれない。これって人生だなー。と。
2番の古駅舎を手入れするおばあちゃんは、鉄道写真家・真島満秀さんの写真本「鉄道写真家 真島満秀の世界」に掲載されている飯山線・横倉駅の写真にインスピレーションを受け、歌詞に盛り込むことに。見つめる目の優しさ。
NHK・鉄旅音旅チームの皆さんとの出会いがきっかけでこの曲は生まれました。何かを深く愛し、それを形にしようとする取り組みはどんな形であれ尊い。ぜひ皆さんにフルで聴いてほしくてここにアップしたいと思います。
ジャケは2002年に廃線となった南部縦貫鉄道レールバス。動態保存のまさしくヴィンテージです。
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『ヴィンテージ』2019年
作詞作曲:オオゼキタク 編曲:岩瀬聡志
NHKラジオ第1 「鉄旅・音旅 出発進行!~音で楽しむ鉄道旅~」エンディングテーマ https://www4.nhk.or.jp/tetsuoto/
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「ヴィンテージ」 オオゼキタク
ボタン一つじゃ動かないのさ
ヘンクツ者の旧型列車
味があるといえば聞こえは良いが
乗りこなせたら大したもんさ
峠を越えて
しがらみ抜けて
めぐりめぐりあの町へ
“ガタが来たなら直すだけさ”
あのじいさん今どうしてるかな
*ヴィンテージに 火を入れたなら
唸り出す 命が宿る
最果てを目指す心は
まだまだ消えちゃいないぜ
話を聞かせてよ
あの頃の
手編みの座布団 古駅舎
育て上げた花の盛り
“何でも続けりゃものになる“
あのばあちゃんに今とても会いたい
人恋しくて
ふと思い立って
ふらふらりとあの駅へ
**ヴィンテージに 火を入れましょか
ほんのりと 明かりが灯る
最果てを目指す途中で
名前呼ばれた気がした
話を聞かせてよ
誰かさんの
ヴィンテージに 耳をすませば
ほんとうの声が聞こえる
やりかけの夢があるなら
諦めるには早いぜ
**
*
旅に理由なんていらないのさ
帰り道で見つかるもんさ
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