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COVID-19起因の嗅覚障害について

2021年7月、COVID-19 に感染した。当時はデルタ株というのが流行ってた。

感染して3日目、まだ熱が上がったり下がったりしてた頃、嗅覚が無くなってることに朝ふと気づいた。

当時一緒に闘病生活してた彼女に、自分の発見を早速報告したところ、「あ、あたしも無い!」とのこと。

まずその時に感じたのが、嗅覚は無くなっても気づきにくいということ。味覚はあったので味は感じてたけど、匂いがしないから当然だいぶ味気ない。

病気してるから飯がそんなに美味しくないのは当然だとしても、あのとき味覚も無くなってたらもう少し気づくのは早かったと思う。

一番最初に気づいたのはウ○コの匂いが全くしないことだった。人によるとは思うが、私は自分の便の匂いをきっちり嗅ぐタイプなので、全く臭くないのをまず不審に思った。食生活がいいのかな?だから匂いが全然しないのかな?いや、そんなこたぁ無いでしょ!

その他の匂いの強い物質(食品から香水からタバコから)を色々嗅いでみたら、何の匂いも感じなくなってたから、「ああ、これがコロナ罹患者に現れるという嗅覚障害という症状ですね」と納得した経緯だ。

ネットで調べてみたら、1ヶ月経っても治らないケースもあると知ったが、私の場合3ヶ月以上無臭生活だった。

正直なところ、無臭生活は新鮮で楽しかった。私は元来とても嗅覚が鋭いタイプで、ワキガや加齢臭に非常に敏感だったが、悪臭を感じないのがこんなに快適だとは思わなかった。

人によっては「ガス漏れとか気づけないじゃん!」とか言う人もいたが、私は48年生きてきてガス漏れに気づくことで命拾いした経験は一度もない。

唯一心配したのは自分の悪臭をチェックすることが出来ないことだった。人の匂いに過剰に敏感なので、自分の体臭や口臭には人一倍気をつけて生きてきたのだが、チェックすることが出来ず心配だった。

でも人は何にでも慣れてしまうもので、匂いを感じない以上チェックのしようもなく、そのうち自分の匂いに気をつける習慣は無くなっていった。周囲に悪臭を放っていたら大変申し訳ないし、それが原因で人から避けられたら悲しいけど、やっぱりそれはそれで仕方がない。

無くしてみて感じるのは、五感の中でも嗅覚が一番要らない機能なんだろうなということ。

視覚や聴覚や触覚を失ったら、日常生活が突然ハードモードになるだろう。味覚が無くなったらさぞや味気ない人生になるだろう。でも嗅覚だったらそれほど支障は無い。

ちなみに2023年現在、嗅覚はある程度回復したが、以前とは感じる匂いが変わってしまった。

  • ウ○コの匂いは今もしない(自分のも他人のも)

  • おならも全く匂わない(自分のも他人のも)

  • ワキガは稀に感じる(他人の匂いね)

  • 加齢臭は長いこと嗅いでいない(周りにいないだけかも)

  • 香水全般が嫌いになった(以前は大好きだった)

  • 嗅覚の感度はたぶん下がっていると思う(以前はもっと強く匂いを感じていたような気が・・・)

香水に関しては、全部同じ匂いに感じるようになった。しかも極めて悪臭・刺激臭。

別に調べてないからなんの裏付けも無い話なんだが、嗅覚も味覚のように複数のセンサーを組み合わせて匂いを感じているんじゃないかと思う。甘味、塩味、酸味、苦味、旨味、の5種類の組み合わせで味が構成されるように、嗅覚についても匂いごとに異なるセンサーを使用していて(たぶん味覚よりもセンサーの種類は遥かに多い気がする)、それらの組み合わせによって匂いが構成されているんじゃないかなぁ。

だから私の場合、嗅覚における一部のセンサーだけが機能回復した状態であろう。便関連のセンサーが全く回復してないから匂いが感じられないのだろう。香水についても特定センサーだけが回復したせいで、以前とは違う匂いに感じているのだろう。

【結論】
コロナの嗅覚障害は、1年6ヶ月経った今でも完全には治っていない。
五感の中でも、嗅覚が無くしたときのダメージが一番小さい。
無臭の世界もそれはそれで悪くない。不快感は少ない。

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