厚生労働省の成年後見制度利用促進専門家会議において、第二期基本計画期間の中間検証が進められている。
これに対して各委員から意見書が提出されているのだが、第18回会議(令和6年12月13日開催)において、委員でもある最高裁判所事務総局家庭局長からも意見提出がなされた。
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001350326.pdf
意見書の前半は、家庭裁判所や地域連携ネットワークの役割を確認するものである。総じて無難な内容ではあるが、家庭裁判所が担える役割の限界について改めて理解を求めたものともいえるかもしれない。
後半は、成年後見制度外で日常的な金銭管理を可能とするためのしくみの必要性について述べており、ここでは若干踏み込んだ記述も見られる。
まず、金融機関に対して、判断能力が低下した者について成年後見制度を利用しない形での対応を求めている。
また、金銭管理に関する「インフォーマルな支援」(事実上の支援)に関して、法的根拠の付与を求めている。
これは、現在民法改正を議論している法制審議会に向けた主張であろう。
個人的には、相当踏み込んできた印象を受ける。裁判所の立場として言及してよい部分なのかという疑問もあるが。