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ラフランスジャムにはバニラオイルを入れろ
人間の皆さんこんにちは。たまにジャムを作る大浮藻です。
今回はラ・フランスのジャムを作ってみました。ラ・フランス。言わずと知れた洋梨です。
わたしは「和梨と洋梨、どっちが好き?」と聞かれたら洋梨のほうが好きで、あの香りととろけるような食感が、他の果物にはない良さだと思っています。
いつか心の赴くままにラフランスを食べたい……!
そう思いながら過ごしてきたので、今回はラ・フランスを箱で買いました。すばらしい時代です。
せっかく箱買いしたので、ジャムにもして長く楽しんじゃおう。そういう魂胆でラ・フランスジャムを作っていきますよ!
ところで、ラフランスってすぐには食べられないのをご存知でしょうか。
ラフランスを箱で買った際に農家の方がつけてくれていた「ラフランスの食べ方」みたいな紙を見て、わたしはラフランスがすぐには食べられない果物だと知りました。
なんでも、【追熟】なる工程を必要とするらしく……。
かんたんに【追熟】を説明すると、「常温で保存して、やわらかくなるまで置いておいてね(熟すまで待っててね)」というものなんですけど、これが曲者でした。
ラ・フランスの旬って12月〜翌年の1月?くらいなんです。つまり真冬。真冬の常温!?わたくしの部屋の室温は5度がデフォルトですのに!?と少々おどろきつつ(冬場に部屋をうんと寒くすると虫が住み着かないと聞いてからそうしています)(虫が本当に嫌なので)、室温5度でもなんとかなるかな?と保存開始。
そもそもですが、追熟してないラ・フランスってどんなものなのか気になりませんか?
追熟させないラ・フランスはどんなものかしらと食べてみたところ、あの甘い香りもとろける食感も全く無く、ほんのり甘い未加熱のジャガイモみたいな、ザラッとした食感のなんともやるせない果物となっていました。
これはラ・フランスのポテンシャルを全く無視するような罪深いことなので、絶対に追熟させるべきですね。ちょっと待てばおいしいラ・フランスが食べられるんですから!
……ちょっと、ちょっと待てば…………。
結果的に追熟が完了するまでに一ヶ月ほどかかったのですが(かなり待ったパターン)、おそらく室温が低すぎたのが原因だと思うので(本当は15度くらいの部屋においておくのがいいらしいです)、皆様がラ・フランスを追熟させる場合には温度に気をつけてください。ひと月待つのも悪くないですけど、美味しいものは早く食べちゃいたくなりますもんね。
かくいうわたくしも追熟開始から一週間ほど焦れてしまい、りんご(赤リンゴの方がいいそうです)のエチレンガスに頼るか!とりんごを入れたビニール袋にラ・フランスをいれて口を縛り、放置開始。
それでも一月かかったのでこれはもう室温の低さが原因です。
エチレンガスは果物の熟し方を早める効果を持っているガスで、りんごはそのエチレンガスを出すそうです。
なので、早めに果物を熟させたい人はりんごと熟させたい果物を同じビニールに入れておくと手早く熟した果物が食べられます。知能にものをいわせる頭脳プレーですね。
ラ・フランスはどうなったら熟したのかもちょっとわかりにくいらしく、「軸の周りがシワシワして甘い香りが漂い、そっと触ったときに弾力のある柔らかさを感じられたら食べ頃」だそうなんですけど、わたしは「甘い香りがするか」「やわらかいか」で判断することにしました。
品種によっては緑色から黄色に変わったら食べ頃、とかそういうのもあるそうなんですが、今回わたしが購入したものは熟しても色が変わらないタイプだったので、己の感覚に身を任せることにしました。
熟しきれてなくても最終的にジャムにするので、加熱されればそこまで酷い硬さにはならないだろうという目論見もありまして……。
さすがに一月も待ったのでどのラ・フランスもやわらかく、りんごと保存したビニールを開ければ、あのよい香りも部屋中に広がるほど。あの香り、本当に幸せな気持ちになれると思います。
それではジャムを作っていきます!
まずは材料から。
ラ・フランス500グラム(4つ分、2つはすりおろし、残り2つはみじん切り。面倒くさかったらすりおろさなくてもOK)
砂糖225グラム(ラ・フランスの重量の45%)
レモン汁、白ワイン共に大さじ2
バニラオイル5滴、塩ひとつまみ
※このジャムを作るなら台所の排水ネットを交換する前に作るのをおすすめします。後述しますが、アクを取る際にラフランスの繊維がネットに詰まるので、交換したてだとまたすぐに排水ネットを交換する羽目になります。
★ラ・フランスを500グラムと書いてはありますが、ぴったり揃うことはまずないと思うのでラ・フランス4つから皮をむき、芯を取ったあとの重量を基準にしてください。
★今回はラ・フランスそのものが甘い果物なので、お砂糖は控えめに、ラ・フランスの重量の45%にしています。保存性は多少落ちますが、あまり砂糖を入れないほうがラ・フランスの良さが出るかなと……!甘いのが好きな方はお好みで砂糖を増やしても良いと思います。
★白ワインはあったら入れたほうがいいです。なんかよくわかんないけど美味しくなる気がします。
★塩はいれなくてもいいですが、入れたほうがちょっと美味しい気がします。甘さが引き立つ。
★バニラオイルはぜひ入れてほしいです。なくても美味しく仕上がるんですが(ラ・フランスがすでに美味しいため)、バニラオイルを入れると「香りの華やかさ」みたいなものが段違いです。ラフランスの甘い香りをバニラの香りがしっかりと支えているような。ちょっとバニラオイルを足すだけでデザートみたいな感じになるので、バニラが苦手でなければ是非ともおすすめしたい。バニラオイルは加熱に強いのでバニラオイルを選択していますが、バニラエッセンスでもいいかも。(その場合は煮詰め終わるころに入れてください)(バニラオイルに比べたらちょっと香りが薄くなるかもです)
【皮を剥く】
ピーラーで皮をむきましょう。腕に自信のある人は包丁などで皮を剥くのも全然あり。手を怪我しないように気をつけて。
【ラフランスを小さく切る】
ラフランス2個を小さく切っていきましょう。1センチくらいの角切りとかで良いと思います。とろけるような食感を心行くまで味わいたいんだ! という方はもう少し大きめに切っても良いかも。でも、できあがりのジャムをスプーンですくうことを考えると1センチくらいが扱いやすいと思います。
【ラフランスをすりおろす】
小さく切らなかった方のラフランス2個をすりおろしていきます。すりおろす目的としては「ジャムにとろみをつける」ためなので(※ラフランスは「ペクチン」というとろみがつく成分が少ないので、すりおろすことによってラフランスの繊維によるもったりとした感じを出します。)、別にとろみがついてなくても良いしすりおろすの面倒くさいんだよね、な場合はすりおろさなくて大丈夫です。好きなように作っていきましょう。あなたのジャムなんですから!
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【鍋にラフランスと砂糖を入れる】
お菓子作り恒例の「エッこんなに砂糖いれるの!?」のお時間です。こんもりと山を作る砂糖の量に恐れおののいてください。私は毎回驚いています。
【火にかける。白ワインを入れる】
火にかけていきましょう。かき混ぜているとだんだん水分が出てくるはずです。白ワインを入れてください。アルコールがちゃんと飛んでくれるか不安で、私は早めに白ワインを入れてしまうんですけど、別にアルコール残ってても気にしないよお! の人はアクを取ってからでもいいのかも。好きなタイミングで入れてください。大丈夫。何やってもラフランスはおいしいから。
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【アクを取る。レモン汁、塩、バニラオイルを入れる】
火にかけているとなんだか様子のおかしい白い泡がぶくぶくと出てくると思います。こいつが『アク』ってヤツです。丁寧に取り除き、レモン汁、塩ひとつまみ、バニラオイルを入れましょう。
先ほど少し触れましたが、アクを取って流す際に「すりおろしたラフランスの繊維」が高確率で台所の排水ネットにたまると思います(目詰まりします)。もうそろそろネットを交換しなきゃ~の人は時に気にしなくて良いと思うんですが、ネットを交換したばかりだとすぐに目詰まりしてなんかちょっと損をした気分になると思うので、このジャムを作るならネットの交換前にすると良いと思います。
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【煮詰める。完成】
アクも取り去り、ぼこぼこと大きな泡がはじけるようになったら完成! 瓶に詰めて冷ましましょう。
熱い状態で瓶の縁から1センチくらいのところまでジャムを注ぎ、蓋をきっちりしめたらひっくり返して冷めるまで待ってください。これは簡易的な保存方法なので、本格的にジャムを保存したい人は「ジャム 保存 脱気」で検索するのをおすすめします。
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これ、本当においしいのでラフランスをたくさん買ったりいただいたりしたときにおすすめしたいジャムです。
ラフランスってそのまま食べてももちろんおいしいんですけど、ジャムにすると長いこと楽しめますし、何よりちょっとしたパンとか紅茶とかがラフランスの香りで優雅なものになるんですのよ……!! 気分はフランスの優雅な貴族なんですのよ……!!!
加熱されたラフランスのとろっとした食感がたまらなくおいしい。そこにバニラとラフランスの甘い香り。これはもう朝ご飯に出てきたら一日中ごきげんフランス貴族気分です。トーストにクリームチーズと一緒に乗せて食べてもおいしかったですね。デザートみたいな味わいで本当におすすめなので、ぜひ作ってみてください!
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