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「自立」を促したいのは、母の言葉が根っこにあったからでした。

私はフリーランスに転身した際に、いつか女性の自立について関わりたいと思っていました。

きっかけは、シンガポールへの移住。

1人目の出産後、夫が海外赴任しているため育休を3年間取得しました。その間に、2人目を妊娠・出産。トータルで5年間の育休をとらせていただき、海外移住と子育てに邁進しました。

移住したシンガポールで仲良くなった駐妻の多くが、仕事を辞めていました。話を聞くと、ハイスペックな仕事ばかり。

そして、彼女たちと集まると

「再就職できるのかね?」
「私たちはこのまま専業主婦になるのかな」

なんて話をよくしていました。
どこか諦めモードが漂っていて、なんだか切なかったのを覚えています。

子どもがいてアラフォーとなると、会社員への復帰はなかなか難しいものです。希望をもつことは、容易くありません。

そこで、私はフリーランスに転身するときに誓いました。

私がフリーランスとして確立したら、仕事をしたい女性の後押しをしたい。
チーム化して分業するのか、どうするか分からないけれど何かしよう!!!

それをずっと願っていました。

そして、念願のメンバーシップを立ち上げて、夢が叶いました。
何か新しい事業をしたい方の伴走ができているから。

今、私が伝えられることを実行できていて、とても幸せです。

しかし、この「自立」に並々ならぬ思いがありすぎると気づきました。
それは、とある方と話して、問いかけられたときに発覚しました。

なぜ、そんなに自立させたいの?
自立しなくてもいいんじゃない?

確かに、私はフリーランスといえども、月収100万円など大きく稼ぐことは望んでいません。私の一番大切な仕事は、夫が心穏やかでいること。

これがわが家の豊かさに、一番大切だと確信しています。
夫が心地よく働けた方がこの家も平和ですし、夫もパフォーマンスを発揮できます。

以前は、夫に対抗心を燃やして一心不乱に仕事をしていました。
しかし、結局、家族の基盤が揺らぎ働き方をゼロから見直したのです。

家を整えるのだって、大切な仕事。
体感したからこそ、得られた1つの解です。

ならば、自立しなくてもいいのでは?

しかし、自分に問いかけると「でも・・・」
といった声が聞こえてきました。
意識の中で過去にさかのぼると、母の言葉に突き当たりました。

「あなたたちが、早く大きくなってほしい。」

母は事あるごとに、私たちに向けて言葉を発していました。
父は仕事が忙しく、いつも帰りは夜遅かったから。

必然的に母は万年ワンオペでした。
疲れ果てているのか、幼少期に母の笑顔の記憶はあまりありません。

頭を抱えてうなだれている様子が記憶に残っています。

母に迷惑をかけてはいけない。
なんでも自分でできるようになろう。

幼稚園で行われていた剣道の胴着に着替えるのは、いつも一番でした。

幼稚園の鼓笛隊では指揮者でした。後に理由を聞いたら、しっかりしていたからとのこと。

年中のとき、一度だけお漏らししたときは、絶望的に恥ずかしかった。

5~6歳のころから、自然と身の回りのことは自分でしていましたため、自立は早かったと思います。責任感が強く、人に聞くよりまずは自分でやってみる人間に育ちました。

だからでしょうか?

無意識に、人に対して「自立」を求めてしまう。
促してしまうのです。

その波及が、娘にありました。

小1の娘がなんでも自分でできるようにと、次の日の準備は任せています。万が一、忘れ物をしても、自分でなんとかしてほしいから。

いつも私がいられるわけではないから。

もしかしたら、他のご家庭よりも厳しいのかもしれません。けれど、自分の意見をハッキリ言う娘には、ちょうどいいんだと思うようにしていました。いや、自分で肯定していたんです。私は間違っていないと。

娘もまだ7歳です。甘えたいときも当然あります。

そんなときに、瞬間的にイラっとしてしまうのは、根底に自分のことは自分でしてほしいとの思いがあったから。

もっと掘り下げると、私もお母さんに甘えられなかったんだから、娘にも自立してよ!って思っていることに気づきました。

自分の寂しかった過去を、娘に無意識で向けていました。

娘には関係ないよね。
同じ悲しみを味あわせてはいけないね。
ごめんよ。。。

余裕がないと対応できないこともあるけど、

「ママやって!」
「ママ、〇〇とって!」

と甘えてきたら、自分の怒りを認識して慰めて、娘の気持ちに寄り添うようになりました。

同様に「何か自分なりの事業や活動をしたい」と相談されると、全力で考えて、全力で後押ししました。なんなら、本人が希望していないのに、自立の種を見つけると熱弁することもありました。

しかし、「自立」一択は相手も自分も苦しいもの。

ならば、どちらでもいいんじゃない?

中庸の気持ちでいようと決めました。

自分の活動をしても、しなくてもいい。

それでも私を頼ってくれるなら、私の知見や経験を惜しみなく伝え、伴走したいと思います。

どんな人も生きているだけで素晴らしいから。
そんな世界を自分から作り出していきたいと思います。

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おーつー(冨田裕子)
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