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中学受験のための良い学習習慣づくり
ゴールデンウィークの時期になると、中学受験対策の塾では何らかの特別講座を設置します。こういう時は、大抵ご父兄から、このような講座は受講した方が良いかと言う質問を受けます。
このような講座は万人向けであるため、必ずしもその子にとっての弱点補強になるわけでもなく、第一志望の学校の対策になるわけでもありません。それでも学習の習慣づくりとしては良いと言えると思います。
ゴールデンウィークに限らず、世の中には休日が溢れています。お盆、正月、春休み、夏休み、地域によっては秋休みや県民の日、市民の日という休日すら設けています。
中学受験の第一歩は休日に休まない、遊ばないと言う習慣をつけることから始まるのです。だから各塾とも夏期講習が受験の天王山として力を入れるわけです。約40日にわたって一日24時間、塾主導で生徒を管理できるからです。
中学受験をしない小学生は春休み、夏休み、お正月、冬休みは勉強をしなくてもよい習慣を身に付けます。その場合、高校受験の時にツケが回ってきます。
高校受験の指導していた頃、ある父兄から相談を受けたことがありました。中学3年の10月、11月になっても勉強しない、30分間机に向かったかと思うとどこかへ行ってしまう、と言うものです。こういう相談は実に多いのです。
答えは簡単なことです。空いている時間はすべて勉強すると言う習慣がないために、体がついていかないのです。頭でわかっていても、肉体が耐えられないのです。だから、机に向かない、じっとしていることが耐えられないのです。特にスポーツ系の男子に多い傾向があると思います。
子供は中学3年生の受験生になったら突然変身して受験に打ち込むと言うわけではありません。もう受験生なんだからと言う言葉は、ほとんど無意味です。
我々は常々子供たちに言います。大人に、春休みは無い、夏休みは無い、冬休みはない、1日8時間、仕事に追われていて必死にノルマと戦っているのだ、と。
業種によっては、日曜祭日でもお盆でも正月でも仕事のある社会人はごろごろいます。たとえ会社が休みでも、向上心のある人はスキルアップのために休日返上で勉強しています。
スクールに通ったり、資格や語学の勉強をしています。人より優れた能力や才能を磨くためには人が休んでいる時、遊んでいるときに勉強しないと競争に勝てません。
社会はどんな世界でも優れた能力、才能に満ち溢れた人との戦いです。日曜祭日に休んでいては競争に負けてしまうのです。
中学受験はこのような良い学習習慣を身に付ける良いチャンスです。ゴールデンウィークは無い、日曜祭日は無い、お盆や正月は無い、春休み、夏休み、冬休みは無い、と言うところを体験的に教えないといけないのです。立派な社会人になるための良いチャンスなのです。