経営人財塾 vol.3 陰山建設(株) 陰山社長
先週の金曜日は今年3回目の経営人財塾で、福島県郡山市にある陰山建設株式会社の3代目、陰山正弘社長のお話をお伺いしてきました。
創業71年、社員47名(ドローンパイロット33名)で売上80億前後の企業です。土木よりも建築がメインの建築会社さんです。
ぜひ社員にも素晴らしい取り組みをしている地方企業があることを知って頂きたいのでチェックお願いします。
愛の献血運動
日本で一番大きな献血活動をされているそうで、最も多い年で1日に1300名の献血を行ったそうです。
弊社も商工会青年部活動で運営に関わっている西原町役場内での献血活動が約80~90名くらいなので、西原町役場15カ所分くらいの規模感!
https://www.kageken.jp/csr/blood-donation/
献血をやるために本社に1000坪の駐車場をかまえています。50名くらいの社員だと普段はガラガラとのこと。
献血だけでなく来場者の方のために飲食なども用意されるそうで、結構な費用がかけているそうです。念のため金額は伏せておきます。。
愛の献血運動は創業者の知人が特殊な血液型で輸血できずお亡くなりになったことがキッカケとなり創業者がスタートして3代に渡って続いています。
私見ですが、この愛の献血運動が組織に利他の精神を根付かせてくれたんじゃないかと思います。
講話頂いた3代目の陰山社長も「なぜこんなに人のために動けるんだろう。」と思うくらい利他の人という印象でした。
全国災害復興支援
東日本大震災時の全国からの支援に対する恩送りの気持ちで、関東・東北豪雨(茨城県常総市)復興支援活動を社長自ら社員を連れて作業をしたそうです。
それ以降、熊本の震災や西日本豪雨(岡山県)、能登半島地震の際にもすぐに駆け付け復興支援を行っています。
https://www.kageken.jp/csr/reconstruction-assistance/
その活動によって「災害のときに飛んでいく会社。」という地域内での認識も生まれたそうで、災害時に呼びかけもしていないのに銀行の支店長が行員を引き連れて来たりするようになったそう。
またこの企業イメージが「災害に見舞われた方々を助けたい!」という想いを持った新卒学生からの求人応募が増えて、リクルートに費用をかけずとも採用が上手くいっているそうです。
カンボジアで井戸を寄贈
社長がカンボジアに訪れた際に、10万ほどで井戸が作れるということで何カ所か寄贈したそうです。
現地の人は井戸を作るためにTシャツなどを買ってもらう活動をして資金を集めていたそうですが「直接井戸を作ってくれる方は初めてだ!」と甚く感動されたそうです。
社内の意識の変化
これらの社会貢献活動から社内の意識の変化を感じたそうです。
➡「指示待ちの業務的な作業」
➡「社員が自発的に動くようになった」
➡「協力企業まで広がる社会貢献の輪」
私の印象としては協力企業どころか「地域の意識まで変えてる!」と思い、とてもすごいなと感動しました!
一生働ける陰山建設
誰もが活躍できる場を作りたいということで定年制を撤廃したそうです。
現在、勤続50年以上の社員が全体の8%。永年勤続60年の伝説的な社員もいらっしゃるそうです。
この方は「陰山っていう入れ墨を入れていいか?」と本気で社長に言ってくるくらい陰山建設を愛しているそうです。(社長は絶対にダメと伝えているそう)
また先輩方への慰労の気持ちで雇用を続けているわけではなく、彼らがいなければ成り立たない状況になっているとのこと。
「誰もが活躍できる場を作りたい」という想いを軸に、体力は衰えたとしても先輩方の活躍できる働き方を作る努力をされたからこその環境なんだろうと思いました。
ご高齢の先輩社員にとっても大変やりがいのある職場だろうと思います。
社員に万が一のことがあったとき支援する
陰山建設さんは社員に万が一の事故などが起きてしまった際に、残された遺族である子供たちを学生である22歳まで学費支出を約束しています。
https://www.kageken.jp/about/scholarship-fellowship/
急死された社員とそのご家族とのストーリー
書籍『日本でいちばん大切にしたい会社7』でも紹介されておりますが、34歳で急死された社員とそのご家族とのお話も伺うことができました。
お子さん達は亡くなられたお父さんと仕事を終わらせて夏休みにどこかに連れていく約束をしていたそうです。
その話を聞いて陰山社長はお父さんの代わりにどこかに連れていこうと考え、お子さんと相談しながら行先はディズニーランドに決めたそうです。
そのお子さんの一人はもうすぐ20歳になるそうで成長した彼からこんな言葉を頂いたそうです。
陰山社長、感動して号泣したそうです。成人してから飲みに行く約束をしているともお話していました。
社員やその家族に対する考え方
自分が両親や我が子にしたいことを、従業員も同じように考える。
社員が家族に対してできていないようなことを企業として補っていく。という考えを軸にされているそうです。
その発想で考えると何をすべきか導き出すのは簡単と仰っていました。
このパワーの源はどこから来ているのか?
これだけの多くの取り組みをやってきたそのエネルギーの源はどこから来ているのか?とても気になりました。
一緒に勉強している皆さんも似たようなところに関心があったようで、みんなからの質問で納得するお話が聞けました。
事業承継したばかりの31歳のときに会社が危機的状況を迎え、
そのときに多くの方々に助けて頂いたそうです。
『日本でいちばん大切にしたい会社7』に詳しく書かれているのでぜひ読んで頂きたいですが、
遺書を書くくらい苦しい状況のなか、信じられないくらいのサポートをして頂いた方々のストーリーが紹介されています。
苦しかったときに助けて頂いた方々への「感謝の気持ち」が陰山社長のパワーの源とハッキリおっしゃっていました。
前回学ばせて頂いたマミーズファミリーの増田会長にご紹介頂いた「ツキの大原則」という書籍にも「感謝の気持ちがいかに強力か?」という内容が書かれています。
私自身の話になりますが今年、創業者である父親への「感謝の気持ち」を強烈に感じたタイミングがあり、それ以降自分の中にあるエネルギーが湧き上がってくる感じを体験しました。
この感謝の気持ちの大切さをタイムリーに再認識させて頂けるお話をお伺いすることができて、心が震えた一日でした。
そしてこの日は感動して嬉しくなりたくさん飲みました。。笑
以上!