4Pに代わるBtoBマーケティングフレーム『SAVE』の話
BtoBマーケター、4Pを使うとモヤモヤした話
普段あんまりマーケティングフレームワークは使いませんが、この間、情報を整理する必要があり4Pを久々に使いました。
しかし、うまく使えませんでした。こんなことを感じてしまいました。
製品(Prodauct):無形商材の場合、なんとなく当てはめにくい。あと製品の機能って正直どうでもよくて、その機能がどんな課題を解決してくれるのか?の方が大事なので、製品の機能を考え出すとしんどい
流通(Place):無形商材の場合、配架の概念があまり強くないので、どこに出品するか考えにくい
価格(Price):価格競争してしまいやすくなる。提供価格を下げないとしても、コストを下げるために奔走したり。コスト下げるのは大事だけど、買いたたくのはよくない。それに、BtoBの場合、お客様は安いから導入するというより「投資対効果が見込める」から契約することの方が多いのでは?
販促(Promotion):BtoBの場合、新規獲得も大事だけど、契約を切られないように価値を提供し続ける、伝え続けるのも大事じゃない?
フレームワークは頭の中をすっきりさせるためのものだと思っていたので、自分の経験・思考不足を反省する一方、そもそも4Pは1960年代にうまれたもので、かなり古いので、もしかして今の時代に合ったフレームワークがあるんじゃね?BtoBに合ったものをもう頭のいい人が開発してるんじゃね?と思い、調べました。
4Pに代わるBtoBのフレームワーク『SAVE』
日本語と英語でいろいろ調べていたところ、『SAVE』というフレームワークについて書かれた記事をいくつか見つけました。
▼2013年のハーバードビジネスレビューで最初に『SAVE』を見つけた
In a five-year study involving more than 500 managers and customers in multiple countries and across a wide range of B2B industries, we found that the 4 P’s model undercuts B2B marketers in three important ways:
複数の国のB2B業界で、500名以上のマネージャーと顧客を対象とした5年間の調査で、4PのモデルがB2Bマーケターの重要な3つの点において効果を低下させていることがわかりました。
参考記事は最後にまとめておくので、『SAVE』について書いていきます。
主に英文記事ベースに自分なりにまとめたものなので、間違っていたらごめんね。あとゴリゴリにBtoBに寄せて書いていますが、参考記事を読んでいる限りBtoCでも使えるフレームワークなのかもしれません。
製品(Product)から解決(Solution)
SはSolution(ソリューション)です。先ほど私は4Pの使いにくい理由に「製品の機能って正直どうでもよくて、その機能がどんな課題を解決してくれるのか?の方が大事」だと感じていると書きました。
そんな感じで、お客様は製品が問題を解決できるかどうか理解できないと、どんな機能があっても買わないのです。なので製品開発/サービス開発にはそれが、お客様のどんな課題を解決するのか?がないといけません。
流通(Place)から接点(Access)
BtoBの場合、商品をスーパーとかコンビニとかに並べないので、配架の概念があんまりなくて、個人的には「流通」は考えにくいものでした。
で、『SAVE』によるとお客様との接点を考えるらしいんですね。
考えてみると今の時代はBtoBでもBtoCでもCRM、MA、SFAがあって、お客様に適切なタイミングで接点を持つことができます。
お客様もBtoB、BtoC問わず、いつでもどこでもサービスや商品の情報にアクセスできます。
よってお客様との接点が場所だけではなくなっているので、考えられる接点のうち重要なものは押さえていく必要があります。
価格(Price)から価値(Value)
BtoBの場合、お客様は安いから導入するというより「投資対効果が見込める」から契約することの方が多いのでは?と私は考えています。
ある相見積もりサービスの中の人に教えていただいたんですが、お客様が相見積もりをとって、1社を選ぶ際に「価格」を理由にした人はたったの20%だったそうです。重要だったのは営業マンの提案内容とスピード。
私も新規開拓営業で「予算に上限はありません。投資対効果が見込めるならいくらでも出します」と言われたことがあります。
また「予算はX円です。この予算の中で、最も投資対効果がある提案をしてほしいです」と言われたこともあります。
文字にしてみれば当たり前ですよね。BtoBの場合、お客様は安いから買うのではなく、価値があるから買うのです。
販促(Promotion)から啓蒙(Education)
BtoBのオウンドメディアやSNS運用、メールマガジン、セミナーなどなど・・・。これら、私もやったりするので分かりますが、これって販促が目的なんでしょうか。
お客様って基本的に販売促進されたいとか、教育されたいとか思っていないと思うので、ナーチャリングという言葉にも違和があります。
一方、自社の考え方をお客様、市場、関係者に啓蒙していくのは非常に納得です。自社のメッセージや哲学を発信するのです。
▼企業哲学の発信について枌谷さんと話している記事
自分たちならではの「メッセージ」を持つことが大事ですね。他社と横並びにならないメッセージを開発すれば、サービスの優越や価格だけで選ばれることもなくなります。(枌谷さん)
それに、啓蒙活動は多くのBtoB企業にとって重要な取引期間の長さ、契約の更新にも影響します。きちんと自社のメッセージを伝え、自社がいかにお客様貢献できるのかが伝われば、他の類似サービスがあっても自社を選んでいただける可能性があります。
参考文献
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