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花を撮ること
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花肖像、というタイトルで花の写真を投稿することがよくあります。それは、切り花を部屋で撮ったもののことがほとんどです。「肖像」というのは人物の外観を表現したものをいう言葉なので、正確ではないと言えるでしょうね。でも、それ以外が思いつかないのでこの言葉を使い続けると思います。
以前、人を撮るように花を撮るというようなことを書きました。花に対して、やはりどこか擬人的な見かたをしてしまうところがあります。特に、じっと向き合っているといろいろな見えかたができてしまって。
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対象が植物にしろ動物にしろ、本質的な状態を見誤ることがあるので、過度に擬人的な視点はもたないほうがいいと普段から(仕事柄でもありますが)考えています。でも、表現というくくりのなかではそれを必要としているというのは、自己矛盾もいいところだなぁと思う反面、ちょっと可笑しいなとも思えたり。
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花弁の傷や欠けだったり、しおれはじめた頃の花に「生」や「時間」を強く感じ、魅せられます。きっと、一番表現したいものはそこにあるのですが、いつもなかなか納得できるかたちにはなりません。
もちろん、花を生けてなるべく早いうちにきれいな姿を撮りたいというのはありますし、その後の過程は咲き誇る姿があってこそだとも思います。
ひとつの花と人の生きる時間を重ねあわせたイメージ…それを花肖像と呼ぶことがしっくりときています。
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公園で咲いている花を撮るのも大好きです。休日…とはいっても、夫婦共働きで家事がたまりがちな我が家なので、仮に平日に一人ででかけても2時間程度の限られた時間ではありますが。
季節によっていろいろな場所で見どころが変わるのが楽しみです。花を撮るようになってから、公園や植物園が大好きになりました。(家族はまったく興味ナシ…泣)
ただ、外で撮る花はやはり一対一で向き合っているような感覚は薄くて、「花肖像」と言えるような気はしません。
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あとは、季節ごとの花の名所と呼ばれているような場所ではカメラを構えた人がたくさんいて、そういうところで撮るのがなんとなく好きになれなくて避けがちです。人が多い場所は苦手というのもあって…。(満開に咲いている!となれば行っちゃいますし、撮らないわけにはいきませんが笑)
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そういう意味では、家で家族も寝静まった夜にゆっくり一人で撮るのが性に合っているし、自分だけの写真が撮れる気がしています。
でも最近は、花と人を一緒に撮りたいイメージがぽつぽつあったりもします。これについてはモデルさん探しも含めて機会をうかがっているところです。↓アルストロメリアと撮りたいとイメージを膨らませています。
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SNSではあらゆるジャンルの素敵な写真であふれていますし、僕の写真は多くの人の目にとまることはないようです。
それでも、noteやTwitterを必ず見てくれる人は少なからずいて、とても嬉しく思っています。本当にありがとうございます。
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余談…前から痛感していることですが、考えていることを言葉にするのがなかなか難しくて…この記事も通算何日かかったやら笑
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。