#37 大岡山キャンパスツアーにご招待!
こんにちは☺️
突然ですが、みなさんは大岡山にある科学大(旧東工大)のキャンパスに行ったことはありますか?
普段自由に公開されている場所も多いですが、なかなか入りにくいところもあるのではないでしょうか??
実は私たちは、学外のみなさんに大岡山キャンパスの魅力をお伝えしながら歩く、「東工大ツアー」を過去5回開催してきました!
今年7月の前回開催時の様子をお伝えした記事がこちらです!
今回は上の記事ではお伝えしきれなかったキャンパスの見どころを、
10月から東京科学大学となった今、改めてご案内します✨
すぐには大岡山に行けない人でも楽しめちゃいますよ〜!
今回のルートマップはこちら!!
記事の一番下からダウンロードできますので、
実際にキャンパスに行ける方はぜひマップを片手にキャンパスツアーを楽しんでみてください☺️
それでは出発しましょう🙌
No.0? 大岡山駅舎(2007年竣工)
キャンパスツアーを始める前にちょっと寄り道して、大岡山駅を見てみましょう💪
実は昔は大岡山駅は地上にあったことをご存知ですか?
大岡山駅についてはこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください!
2007年からある現在の大岡山駅は、本学建築学系名誉教授の安田幸一先生による設計です。安田先生は、図書館や緑が丘駅の設計にも携わられています✨
この建築はツタが建物の表面に張ってできた緑のカーテンが印象的ですが、
安田先生によると、竣工の1年前から東工大の裏庭でツタの成長実験を行ったり、栽培農場で成長度合いを何度も確認したりしたんだとか、、
様々な苦労のもとでこの美しさが作られているのですね!!
緑を重要視する理由の一つに、平成19年度の大岡山キャンパスマスタープラン(キャンパス空間の基本的な整備計画目標)の見直しによってできた「緑のキャンパス軸」の再整備案があるそう!
このマスタープランによると、環状七号線の街路樹から続く緑の軸をキャンパス内に引き込むためには、大岡山駅が重要な場所にあるようです🧐
そんな大岡山キャンパスの計画を念頭に置きつつ、
その見どころを見ていきましょう!
No.1 百年記念館(1987年竣工)
入り口入ってすぐのこちらの建築。
パーツが貫通した不思議なフォルムが印象的な「百年記念館」です!
現在1階は生協のショップとして活用されており、上下の階は博物館として利用されています。
2階にはこの百年記念館の模型が展示されていました!
こうして模型から見てみると、この建築独特のフォルムがよりわかりやすく見えますよね!
この建築は本学の篠原一男先生が設計されたものです。
篠原先生は清家清先生に師事、卒業後教鞭をとられた先生で、のちに名誉教授となられました。
篠原先生の特有のデザインが確立された最初の建築として有名なものに「から傘の家」(1961年竣工)があります。
元々は東京にありましたが、2020年にドイツに移築・再建されました。
国境を超えて継承されていく建築、なんとも感慨深いですね…!
地下1階ではこんな模型を発見!
みなさんはなんだかわかりますか、、?
これは大岡山キャンパスで最初に作られた建物の一つ、「水力実験室」(1932年竣工)の100分の1模型です🏢
現存はしないので今の学生は知らない人が多いですが、西5号館の横あたりにあった建物で、谷口吉郎先生の代表作となっています。
当時は水銀を使った実験を行なっていたため、その汚染により解体を余儀なくされたようです😭
百年記念館には他にも本学ゆかりの工芸家の作品やホログラフィー、さらにはノーベル賞まで展示されています!
その名前にふさわしい、東工大の歴史を感じられる貴重な経験ができる建物でした✨
No.2 Taki Plaza(2020年竣工)
こちらは2020年に竣工されたばかりのTaki Plaza✨
設計は国立競技場の設計でお馴染みの隈研吾さんです!
地上3階地下2階建で、留学生との交流などを目指した建物として設計されました。
1階のみ一般の方も入ることができます!
外から見ると丘と一体化した印象がありますね。
正門入ってすぐの本館への視線を遮らないためにこの形状になったんだとか。
確かに正門から本館が見えるようになっていますね🤩
大岡山キャンパスのランドマークである本館へのリスペクトが感じられる素晴らしい工夫ですよね!
内装も隈さんらしい、木を基調とした大空間が広がっています。
また、Taki Plazaのコンセプトはこのように階数ごとに決まっているそうです。
上から読んでみると、、、、
「TAKI」になっているところも面白い仕掛けです☺️
No.3 図書館(2011年竣工)
お次は先ほどご説明した安田先生設計の図書館です。一般の方は事前に予約をすれば内部を見学できますよ!
実はTaki Plazaとも繋がっていて、学生で溢れる人気の自習スペースになっています。
その特徴的な外観から学生からは「チーズケーキ」略して「チズケ」なんて呼び名もあるんですよ🍰
1階部分がほとんどピロティ空間になっていて、なんだか浮いているようにも見えませんか、、?
2階3階の浮いているように見える部分は3本のV字型鉄骨の斜め柱で支えられるとともに、2階分を繋ぐ細い鉄骨の柱が窓の後ろに見えないように設置されています😳
また少し難しい話になりますが、
地上でこの学習棟を支えている点(V字の柱の地面についている点)の重心と建物平面(学習棟の三角形)の重心がほぼ一致しているため、見かけに反して安定した構造になっているんだとか。
構造面での様々な工夫によってこの図書館特有の浮遊感が生み出されているのですね!
No.4 本館(1932年竣工)
大岡山キャンパスといえばこの建築、本館です!
現在も大学のシンボルとなっていて、正面の桜のプロムナードと一緒に撮られた写真を見たことがある方が多いのではないでしょうか🌸
関東大震災を契機とした蔵前から大岡山へのキャンパス移転の後、
事務局と建築学科の教員が集まって「復興部」が作られ、彼らによって初期の大岡山キャンパスが形作られました。
特に塔の部分の設計は「復興部」の1人で、先ほども登場した谷口吉郎先生の設計と言われています。
今回は特別に、学生にもあまり知られていない本館の秘密の場所にご招待します!
本館の正面から入ってずっと奥に進むと、、、
中庭を発見!!
中心にも講義室があってここで授業を受けたり、ご飯を食べたりする学生も多いみたい!
そしてこの講義室の上につながる階段を登った先には、、、
なんと大きなツバメマークの扉があるんです🐦
谷口先生設計の時計塔と一緒に、なんとも東工大らしい場所になっていませんか?
統合後この扉はいつまで見られるのでしょう、、、?🧐
この扉の前で一緒に写真を撮れば、インスタ映え間違いなし!(?)
No.5 西1号館(1931年竣工)
本館正面を出て左の体育館のある階段を降りて少し進んだ場所にひっそりと立つ西1号館は、あまり学生にも知られてはいませんが、大岡山キャンパスに現存する最も古い建築です。残念ながら一般の方は中に入れません、、、🙏
元々は分析化学教室と呼ばれ、有毒ガスを発生する実験などのための施設として計画されたため、たくさんの教室が入る本館とは別棟にされたんだとか😱
本館とは同時期に計画されたこともあり、どこか本館と似ているところがあるのが特徴です。
例えばこの正面のアーチや時計も本館とそっくりに見えませんか?
他にも、外壁の白色タイル、テラコッタ製の建物上部の装飾などの共通点があります!
本館と西1号館を比較しながら見学してみるのも面白いのではないでしょうか😆
ちなみに私が西1号館で一番好きなのはこの正面の照明💡
よくみると装飾がとっても細かくてかわいい!
No.6 70周年記念講堂(1958年ごろ竣工)
ラストは70周年記念講堂です!
本館時計塔と同じく谷口吉郎設計のこの講堂は、竣工から60年以上経った今でも、授業だけでなく学生や地域の方々の日頃の成果の発表の場としても大活躍しています✨
建物の主な目的は講堂としての利用ですが、音楽ホールとしての利用も意識して作られているそう。そのため、天井が高かったり、室内の壁が斜めに配置されたりするなど様々な工夫が凝らされています。
実はこの建築は主に卒業生などの寄付金によって建てられているため、いかにコストを抑えられるかについてもかなり考えられたんだとか。
そんなことも感じさせないほど見事な設計ですよね🥰
何度か改修を繰り返しながらも、当時の設計を尊重して今も竣工当時のデザインや音響設備を継承しています。
ちなみに新しく近くに建った西5号館(2023年竣工)はこの講堂のドーム屋根を意識して作られたそうです!偉大な先代の先生へのリスペクトが続いていくことで、大岡山キャンパスも日々進化していっているのですね😊
今回のツアーはこれで終了となります!
大岡山キャンパスツアー、いかがだったでしょうか?
今回のコースをまとめたマップをこちらに載せておきますので、
ダウンロードして参考にしてくださると嬉しいです😆
また、今年10月開催のイベント「飛びまち」でも大岡山キャンパスで実際に東工大ツアーを行う予定ですので、ご興味のある方はぜひこちらにもご参加ください!
ではまた次の記事でお会いしましょう!👋
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