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#07 大岡山の外のまちでは…?(松山市編) 〜UDCMに学ぶ、大学と街の関係の作り方〜

こんにちは✨
今回から3回にわたって、「おおお知るまちプロジェクト」では出張編をお届けします。

昨年12月、街を飛び出して遠く離れた愛媛県に向かいました!これまで大岡山のことを取り上げてきましたが、出張編を通してまちづくりについて学びを得て、大岡山でのまちづくりに活かしていきます。

今回は、愛媛出張編の1回目の記事として、「UDCMに学ぶ、大学と街の関係の作り方」と題して、大学周辺のまちづくりについて記していきます。
UDCMは松山で公民学でまちづくりを連携して進めている団体です。どのようなまちづくりをされているのか、そもそもUDCMとは何の略なのか⁉︎
今回は、そんなUDCMについて、大岡山と東工大🏫との関係性を考えていくために、理解を深めていきます。

1. UDCMとは

まず、UDCMは「松山アーバンデザインセンター(Urban Design Center Matsuyama)」の頭文字を取ったものです。アーバンデザインセンターとは日本全国にある統合的なまちづくりの推進体です。そこでは、公民学が人と施設を出し合って中立的な立場から街の課題解決や魅力向上を行っています。UDCMは、公共は松山市が、民間は松山商工会議所や地元私鉄である伊予鉄グループなどが、大学は愛媛大学や松山大学などが参加する松山市都市再生協議会のもと、まちづくりの実行組織として設置されています。

活動内容
UDCMは、ハード面の整備からソフト面の取り組みまで、様々な取り組みに関わっています。ハード面の整備としては、まちづくりの情報発信拠点である「もぶるラウンジ」や、歩道を拡張し、豊かな歩行空間🚶‍♂️を実現した「花園町通り空間改変」などがあります。この二例は実際に私たちも訪れたため、後ほどどのような場所なのかをご紹介します。他には、以下のようなハード整備のプロジェクトが成果としてあります。

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引用:松山アーバンデザインセンター

ソフト面の取り組みとしては、「アーバンデザインスクール」という学生と社会人がまちづくりを学ぶワークショップの実施✏️や、冊子などのメディア作成📚、街歩きツアーの実施🚶‍♂️などを行っています。


2. 実際に訪れてみた

現地の映像を360°カメラで撮影してみました。スマホで再生すると、動きに合わせて全方位見渡すことができるので、是非再生してみてください📱(360°再生のためには、youtubeアプリで再生していただく必要があります。また、パソコンでもカーソル操作により見渡すことはできます。)

もぶるラウンジ

ラウンジには、休憩や作業ができるフリースペースや、ミィーティングスペースや、まちづくり系の本から普通のものまである本棚や、街の模型がありとても素敵な空間でした。普段では、街の事を話したり、情報を得たりすることができるスペースになっています。イベント時には、そのためのスペースとしても利用できます。


花園町通り

この事業は、車道の車線を減らした分を、歩行者、自転車のための空間として拡幅し、歩道、自転車道、滞留空間を整備したものです。自転車、歩行者の移動のしやすさや、店舗側の荷下ろしのしやすさ、机や椅子や芝生があることによる滞留空間としての快適さを感じられました!



3. 大学との連携方法

今回は、UDCMで働かれている方に大学との連携のまちづくりについてお聞きします。

今回お話をお聞きしたのはこの方です。

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UDCM ディレクター 吉田英生様
(愛媛大学社会連携推進機構防災情報研究センター 客員研究員)


3-1. 公民学で連携する上で、どのような工夫をしていますか?

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引用:松山アーバンデザインネットワーク

都市再生協議会から寄付を受けて、愛媛大学で「アーバンデザイン研究部門」という寄付講座を開設して、そのお金で専門家を雇ったり、研究活動をしたりしています。
もう一つに一般社団法人の「松山アーバンデザインネットワーク」があります。これは、大学組織は収益事業をできないから作っています。これによって、まちづくりの実践で物を売る時や、都市再生事業などでお金をいただくことができます。

なるほど、大学がまちづくり活動に関わるために、いろんな工夫をされているのですね。


3-2. 具体的に、大学生はどのような形で活動に取り組んでいますか?

アーバンデザインセンターに学生スタッフが10~20人います。学生たちは、このような冊子の作成や、GIS(都市の解析ソフト)を使っての分析や、もぶるラウンジの受付業務を時給ありでしてもらっています。

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デザインも内容も素敵な冊子でした。

それとは別に、アーバンデザインスクールに応募して学生が参加することもあるそうです。

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引用:松山アーバンデザインセンター

アーバンデザインスクールは、学生と社会人の皆さんが、チームになってまちづくりを実践的に学ぶプログラムです。チームは学生と社会人(市役所・伊予鉄・伊予銀行・建設コンサルの人)を交わらせて行っているそうです。

今年のアーバンデザインスクールは、JR松山駅前や花園町など、フィールドを決めて行っています。
これらのフィールドを選んだのは、JR松山駅前でこれから駅前広場の整備をするにあたって、その空間整備を学生目線で考えてもらいたいからです。一方花園町では、すでに空間整備が終わっているので、これからの空間活用をテーマにしてほしいと思いました。

これから学生のアイデアが採用されたりする可能性がありそうで、ワクワクしますね!



3-3. なぜこのような成功事例になっていると考えていますか?

市長の理解はあると思います。今の市長は「歩いて暮らせるまちづくり(松山市やUDCMが目指している都市構造)」や「公民学連携のまちづくり」を推進しているので、市として、予算だけでなく様々な面で動きやすいのだと思います。

では市長が変わってしまうと活動が進まなくなる可能性があるんですか?

市長が変わったら進まなくなる可能性もありますね。他のアーバンデザインセンターですが、そのような状況を聞いたことがあります。

なるほど!市長の強力な後押しにより成長事例になっている反面、そういう危険性もあるんですね。
大学が地域により関わるようになれたのは何が必要だととお考えですか?

積極的に動いてくれる先生が必要だと思います。UDCMは羽藤先生や矢田部先生が熱心に動いている。そういう理解がある人が強引に進めていくことが重要ですね。大学の中だけで公民連携をしてもうまくいかない、連携していない組織ができることがあるから、組織づくりも重要ですね。

市長も積極的に動いてくれる先生もどちらにしろ「人」が大切なんですね。勉強になりました。

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3-4. 元々いた組織からUDCMに移ってどのような変化がありましたか?

元は松山市の都市・交通計画課にいました。
入る前はUDCMが何をしているかが分かりませんでした。入ってみると、大学の先生の考え方がわかってよかったです。同じまちづくりの分野でも、行政と大学の先生とで考え方は違うので、連携していくためには、それぞれの考え方を理解することが重要だと考えます。

考え方の変化はあったりしたんですか?

行政と大学がどう関われば上手くいくかは分かりました。

なるほど!人材の交流という意味でもお互いを知ることができて良い仕組みになっていますね。


3-5. UDCMの松山の将来像を教えてください

「歩いて暮らせるまちづくり」だと思います。
ただ、これを進めるには、予算をどう確保するかという問題があります。
従来の自動車のための道路整備はB/C(費用便益比、整備費用に対して享受できる利益の指標)が計算しやすいです。一方、「歩いて暮らせるまちづくり」は、そのような利益を計算しづらいという問題があります。例えば、滞在時間が長くなると沿道店舗の売り上げが上がるとは言われていますが、データは不十分です。そのために、いろんなデータを取れるようにする、スマートシティの実現も必要です。
「歩いて暮らせるまちづくり」と、その実現のための手段としての「スマートシティ」、この二つが重要になると思います。

花園町通りはまさに「歩いて暮らせるまちづくり」の大きな一歩ですし、大学が分析をしていることから「スマートシティ」の実現も近づいていますね。どちらもワクワクする話ですね。

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4. 東工大と大岡山はどう変わっていけるか

最後に、ヒアリングを踏まえて東工大と大岡山の関係性がどう変わっていけるかを考えていきたいと思います。

私は、ハード面とソフト面の両方からのアプローチが重要なのではないかと考えました。

ハード面に関しては、今回視察したもぶるラウンジがまさに、ハード面で必要なものだと感じました。気軽に立ち寄って街の情報を得たり、街のことを話せたりする場所があるというのは、街のことを考えていく上で重要なのではないかと感じました。大岡山にそのような場所ができると良いですね。

ソフト面に関しては、今回のヒアリングで伺ったように、大学がまちづくり活動をする組織作りの工夫や、学生が活動できる機会の確保が重要だと感じました。


5. まとめ

いかがでしたか?愛媛視察UDCM編🍊はこれで以上です。大岡山もこのように変わっていけるといいですね。
あとは、UDCMによって変わり始めている松山に、是非皆さん訪れてみてはいかがでしょうか?


次回は、愛媛視察編の第二弾、愛媛県松野町の人々にクローズアップした記事をお届けします。愛媛で一番小さい町で出会った、大きな志を持たれている方々の思いを紹介します。


【お礼】ヒアリングにご対応していただいたUDCMの吉田様、ありがとうございました。

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