権利と義務
雇用され働いている人は、労働契約に従って働く義務があり、それにより給与をもらう権利があります。また有給休暇などを取る権利もあります。
ちょっと次のような例え話で権利と義務について考えてみたいと思います。
例)保育士Aさんは体が弱く他の人より病欠をすることが多くあります。その度に周りの人ができていない書類などを代わりに作るなどフォローさせられています。おかげで皆さん中々有給も取れません。そんなAさんが突然有給を3日間取ると言ってきました。この場合、Aさんは有給を取得して問題ないでしょうか?
結論から言えば問題ないと思われます。
それはAさんには有給を取得する権利があるからです。
しかしこの場合想像できる周囲の反応は、普段から病欠が多く私たちは有給を取っていないのに、いくら権利だからとは言え有給を取るのはいかがなものか!と言うことじゃないでしょうか?
皆さんが腑に落ちないのは、義務をきちんと果たしていないのに権利ばかり主張するのはどうなのか、と言う点だと思います。
さて、ここで出てきた義務とは何でしょう。
この人たちが言っている義務は、恐らく「私たちと比べて休むことも多く、こなしている仕事量も少ない」従って(私たちと比べると)義務を果たしていない、と言う主張でしょう。
これは一般的な観点から見たらごもっともな意見です。経営者だって少なからずそう思うでしょう。
しかしこれは一般論であって、Aさんが果たさなければならない義務は、労働契約書に示されているものです。
恐らく労働契約書には、勤務時間や仕事の内容などが示されていますが、仕事量までは書かれていないと思うので、周りの人よりこなしている仕事量が少ないからと言って義務を果たしていないとは言い切れません。
私も権利を当然のものとして主張してくる人には違和感を覚えますが、それでもなるべく冷静になってその人が主張している権利は認められるのかを個人的な感情を抜きにして見るように努力しています。
大して義務も果たしていないのに権利ばかり主張するな!
ではなく
権利は行使して良いから、義務を果たす努力はしてね。
と言うスタンスにならないといけないのかもしれません。
権利と義務、難しい関係ですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?