お気に入りの朝の過ごし方
目が覚める。真っ暗な中携帯を探す。時間を見ると4時50分。
「よしっ。」
5時に鳴るはずだったアラームをOFFにする。
「お前の出る幕は無い」とちょっとドヤる。
通知を確認するとMessengerがすでに働いている。開くとギマチさんのコーヒーから始まる一日を認識する。
アラームにドヤって、Messengerの働きっぷりに関心して、ギマチさんの一日の始まりを確認して、布団から立ち上がる。いつも通りの朝。
台所に向かってケトルに水を入れてスイッチを押す。5時ちょうど。
次に洗面所に行って顔を洗う。
その次は立ちはだかる全長210メートルの懸垂マシンに立ち向かう。ゆっくり順手で5回。肩甲骨を意識して10回。終わるころにはケトルが仕事を果たした連絡をくれる。お疲れさん。
お気に入りの急須にスーパーで買ったお徳用のお茶っ葉を入れてケトルからお湯を注ぎ、蓋をする。だいたい1分くらい待って、机に持っていき着席する。急須から湯飲みにお茶を入れる瞬間、お茶の匂いで朝を感じる。5時10分。勉強の始まる時間。
Messengerに僕の一日の始まりを連絡してもらい、プログラミングの勉強を始める。
6時。プログラミングの勉強を終わりにして仕度に移る。
6時30分。家を出る。太陽の一日が始まっていて眩しい。携帯を見るとMessengerがみんなの一日も始まっていることを教えてくれる。いつも通りの朝。
駅までは自転車。急な下り坂を走るから爽快。
6時50分。電車に乗る。サラリーマンの朝。OLの朝。高校生の朝。色々な朝が混じり合う。色々な朝で日本は成り立っている。
7時40分。会社近くのスタバにお邪魔する。見慣れた店員さんもいれば初めて見る店員さんもいる。席は決まって大きなテーブル席を使う。この時間だと独り占め。贅沢贅沢。
ホワイトモカのホットのショートサイズを注文。甘いから糖質が気になるところではあるが、エスカレーターから階段に変更したこととのトレード思考。
毎日通っていたら、ニコちゃんマークをくれる店員さんとくれない店員さん。ハロウィンの日にハロウィンの話をしてくれる店員さんと何も話してくれない店員さん。丁寧な店員さんとフレンドリーな店員さん。色々な店員さんがわかってきた。
最近はニコちゃんマーク店員さんがいることを願って入店する。
7時45分。鉛筆を削る。芯がシャキッとして、僕もシャキッとしてノートに日記を書き始める。鉛筆は良い。木の匂いもいいけど、身を削って人間に貢献していくれる貢献心。芯と心。どんどん縮んでいくけど短さが貢献してきた証を示している。
頭の中を文字にする。楽しいこと、嫌なこと、考えていること、起こったこと。こんなにいっぱい色々なことがあったのかと思う日もあれば、何もないや。と思う日もある。悪口を書いちゃう日もある。この時間だけは見栄も張らないし、背伸びもしない。いい人も演じないし、気も使わない。最高。
8時15分。日記終了。独り占めだった大きなテーブル席もサラリーマンが新聞を広げ出したり、日本に観光に来た外国人ファミリーがスコーンを食べ始める。そんな中で僕は本を取り出して、日記の隣のページにタイトルを書く。少しずつ本を読んで、すぐに感じたことを書く。一日5ページくらいしか進まないけど、本と対話するには良いペース。最近はリッツ・カールトンの創業者であるホルスト・シュルツさんの本と対話する。最高。
8時45分。日本の朝が騒がしくなってくる。人もガヤガヤ。車もガヤガヤ。カラスもガヤガヤ。残ったホワイトモカは生クリームまみれだけどそれを飲み干す。鉛筆をしまって、本をしまって、日記をしまって、ナプキンで机を拭いて、立ち上がる。ゴミの分別もやる。
8時50分。7階のオフィスまで階段を登る。一段抜かしのスクワットを意識した登り方。ホワイトモカのカロリーを託すように。
8時55分。台所に寄りかかり、息切れした呼吸を整える。手を洗って、うがいをして、準備は万端。
お気に入りの朝の過ごし方。いつもの朝の過ごし方。