美術館女子の違和感とつくるうえでおもったこと

美術館女子という言葉がtwitterで流れてきたときの違和感。何が自分にとっての違和感だったのかおぼえとこうと思い書きました。
最後まで書いたら、もやもやより作品づくりの話になりました。

問題視されてるのは大きくこの2点
・無知の鑑賞者として女性をあつかってるから性差別
・映え重視による作品の軽視
制作する側として、特に作品を軽視してるってところが問題かな、違和感感じるなと思いました。

記念撮影に遭遇したよ
海外の美術館は撮影が許可されているところがほとんどです。
ニューヨークのMOMAに行ったときは教科書で見ていた作品を肉眼で見ることができて感激したし、圧倒されました。
その日はFree Friday Nightsで、有名作品が無料で見れるということでほんとに多くの人が来館してました。だからなのか、作品の前で撮影をする人が多かったです。有名作品無料!っていうミーハーツーリストが多い印象。アヴィニョンの娘たちを前に同じようなポーズをとる人越しに見る作品。うーんじゃまだな〜。
モネの前ですましている人越しにみる睡蓮。どいてほしいな〜。
最初は作品が見にくい、ていうストレスでした。

作品を映えにつかうんじゃねえ
仏教国では仏像に背中向けて撮影するのは禁止されています。(笑顔で記念撮影してる修行僧みてびっくりしたこともあるけど)
仏様にたいして失礼にあたる、仏教思考の軽視ってことなんだけど、これって今回の美術館女子に当てはめれるかも、と思いました。
美術館が作品を軽視してはいけないと思うんです。美術館側が作品を背景にすることを一般の人に推奨するって、作品への愛がないように見えて悲しいなーって思いました。
お客さんが入らなければ経営が難しくなるのもわからなくないし、人を呼ばないと今後わたしたちも作品をみることができないってのも嫌だなー。
あ、それようの作品であればいいんかな

エルリッヒ展でみた「映え」作品
2017年に森美術館でレアンドロ・エルリッヒ展が開催されました。メインポスターは鑑賞者が作品の一部となり、非日常を体感できるものでした。
鑑賞者と作品という対立構造ではなく、作品の中に鑑賞者が存在することで完結する作品たち。
自分がうつるはずなのに他人がうつる鏡や、廃校になった教室、半透明になって授業うける自分。。自分の存在がもろくあやうく、存在証明ができなくなる感覚に恐怖したのを覚えています。
映えや〜って人たちを横目にみつつ、作品のこともうちょっと考えてあげてほしいな、と勝手に思ったり。。ばえてるわたし、への自意識についても考えたいところ。
けどあの展示は今後の美術のありかたについて問題提起してました。それが今こんなかたちで現れてるのでは。。

急に映画のはなし
映えや〜ってなれば撮影して拡散してくれるのであれば、制作した作品が世の中に勝手に侵食していくから別にいいことなのかも、という気持ちにもなってきました。
ポール・バーホーベンがゴア描写と愛国心の塊みたいなかたちでスターシップトゥルーパーズを撮影したんだけど、実はめっちゃ反戦映画でした。って、あほな観客にも裾野を広げることによって作品のタネをいろんな人にばらまいて、いつか、誰かのタネが爆発する、かもしれないです。映画はエンターテイメントの形をして、するどい社会批判とかするからいい媒体だなーとおもいます。
タネから芽がでたら興味持って深く理解しようと思ってもらえる可能性もあります。

これからの美術って〜
美術は教養が必要なもので、無知にはわからないもんです。(少しは勉強してるけど、わかってないことだらけ)それは今後も変わらないしそうであってほしいです。つまらん価値観なんておいてけぼりの難解なものがあってほしいです。だから考えるし多様性を感じることができます。
無知が無礼にも作品を背景にしてると、失礼なんじゃ!と腹がたつ。
でも裾野を広げ、興味持って勉強するひとがあらわれることも大切なこと。。いっぱい見ないと初めて刺さる作品に出会わないと、深い理解につながらない、だからばえ〜目的がふえても今後の美術にはいいことだからしょうがないことなんかな。。でも邪魔なんだよな。。って。。
美術館で住み分けできたらいいのかなー

自分の制作で考えてみると
作品は、別次元の行為からできあがるものです。だからそれを背景にされると、あんたをひきたてるために作ってないんですけど、って思ってしまう・・・けどそれはもったいないかもしれません。
みつばちが花粉を運ぶように、拡散されることで作品のタネがどっかでできるかもしれない。
作品をつくるわたしはアホで、みなさんに笑ってもらいたいんですって花束をわたすけど、実は作品にはナイフが忍んでいる。
今までもそのスタイルでいたつもりだったけど、これからは更に確信犯でそうあったほうが時代に合うのかなーって思いました。
あ。映えねらいの作品が人に刺さるのか問題が、、
悩みがつきない。。。

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