山月記の解釈を味わった話(イメージカクテル日記)
はじめに(猛獣となった男のはなし)
山月記をご存じでしょうか?
国語の教科書でやったよ!という方もいるかと思います。
『臆病な自尊心と尊大な羞恥心』というワードに聞き覚えがあるかもしれません。インターネッツではこいつを引用して『発狂して虎になった』と言いがち(ソースはわたし!)
青空文庫↓
kindle↓
この作品のイメージカクテルを戴いた日記となります!
イメージカクテルとは
名前の通り、作品やキャラクター、カップリング等の『イメージ』を落とし込んだ『カクテル』のこと。オーダーとしてお手製の一杯を作ってもらったり、お店でメニューとして存在していたりする。
フォロワーさんから「行きませんか?」とお誘いいただいたので秒で乗り、その後「近場のこっちもどうですか?」と訊いていただいたので秒で乗った結果、前者と後者のカクテルはしごが出来ました。たのしー!うれしー!
1軒目『Cafe青猫』
オーダーシートに記載した内容でイメージカクテルを作ってもらえるお店。色々プランあり&Twitter発信でボドゲ会やポケカ会等も開催されているようで、山手の穏やかさ且つ気品さがありながら入りやすい・居心地の良いお店でした。(フォロワーさんからお写真お借りしました!)
オーダーシートは自由記述+以下を記載しました。
アルコールの有無
苦手な食材
イメージカラー
アルコール感の強弱(酒感強め・弱め・ジュースっぽい)
アルコールの強さとアルコール『感』の強さを別で聞いていただけるのメチャメチャ嬉しかったです。
以下、フリー記入欄(読み飛ばしてくださ~い!)
あまり小さい字だと……という注意書きがあったため、悩みつつこんな感じに。短い文章にまとめるのムズすぎた&もっと推敲したかった気持ちもありつつ。
どきどきしながら待ち、現れたのがこちら。
き、きれ~な色してんじゃん……(動揺)
録音録画はNGだけど写真やメモは可!ということで、ご説明いただいた内容を思い出しつつ感想書きつつ。
色のイメージの指定がなかったため、素材の色が出ましたと。
使っているグラスは単体で綺麗めなものを使ったそうです。
主な材料は以下3点。
アプリコットリキュール
梅リキュール
レモンリキュール
アプリコット
=臆病な愛、疑惑、疑い。自己愛が垣間見えて好きですね。
梅
=高潔、忍耐。確かにこういう側面もあるんだよなぁと。日本でもかつては愛でる花といえば梅だったわけで、風流な文化は大抵大陸からやってきたわけで。ニクいぜ。
「梅というか、すももというか」とお言葉いただきました。良かったね李徴。
レモン
=そのままだとかなり甘くなってしまうため、バランス調整の意を込めて。また、虎になるまではギリギリのバランスを取っていたのでは、とも言及いただきました。
+α
グラス自体『お綺麗な』ものですが(メチャ素敵でした)、チャームもとても素敵でした。結構ゆらゆらする『変化のある』ものにしてみました、とのこと。なるほどね。
お酒は詳しくないのですが、確かにあんずと梅がメインのあま~いカクテルながら、あまったる~いまではいかない良き塩梅だなと思いました。
個人的な味の好みはもすこし甘さ控えめなのですが、「つまり均衡の欠如ってことですか!?」と一人でにやにやしました。
あと梅酒は(時代設定的に)李徴呑んでた可能性ありそうみたいな謎の納得感。
メチャメチャ楽しい!!!!
好きな作品についてアウトプットする機会ができて、その感想を織り交ぜた新たな解釈を浴びれる上、文字通り美味しく戴けるなんて最高が過ぎる!!!大人になってお金が出せるとこんな素敵体験が出来るんですね!!!大人になって良かった!!!!具合悪くなる程度の残業してきて良かった!!!!!!
食べ物やハーブティー等もとても美味しかったです!(またまた同行フォロワーさんからお写真お借りしました!)
※居心地良過ぎ&カクテル写真メチャメチャ撮らせてもらえるので、摘まめる系のフード頼んだ方が時間をより上手に使えるかもしれないです。
ちなみに今回のプランは1グループ4杯までイメージカクテル可能とのことだったので、もう1作お願いしたのですが……作品の多大なネタバレが混じったものなので、そのうち別の日記を書きます。
最高過ぎて「こどりさんメチャメチャ楽しそうですね!!?」と言われました。そっちもメチャメチャ楽しかった。(文学とは完全別ジャンルでした。幅広く受けて戴けて助かる)
2023/6/17追記:
以下が続き記事です。
2軒目『ミジンコ食堂』
数年前におすすめされて衝撃を受けた山月記カクテルのあるお店。
山月記限らず宮沢賢治や星の王子さま、檸檬などもメニューに載ってました。お店の名前検索してもごはん写真しか出てこないんですが、12星座モチーフカクテルやノンアルの物語みのある(?)カクテルも取り扱ってるのでもっと宣伝した方がいいよ!?(数年前にお邪魔した際と文学カクテルのメニュー変わってなかったので、考案した人はもうお店にいないのかなぁとか邪推しつつ)
山月記のカクテル、こちらになります。
実際はイカ墨真っ黒!ではなく、もう少しだけ透明な感じだったのですが……写真って難しい。
とはいえやっぱり黒いッッッッッ!!!!
味はアルコール感強め、ワインの渋みを感じつつもかなりの甘さがあり、何よりうっすらとろみがあるのが特徴。こんなん李徴やん(?)
恐らく味の雰囲気よりも度数低いと思うんですが、これがま~とてもゴクゴクとはいけない代物で。『李徴の内面をイメージしたカクテル』と記載されているだけありました。
最高。
青猫さんと対比的なスンッとしたグラス、とても李徴らしさがあって好きです。
(↓は以前伺った際のついーと)
零れ話
帰りがけ、同行してくださったフォロワーさんとかなり差があって面白かった!という話になりました。
前者は『文学作品』としての山月記や李徴を、後者は李徴の内面を軸に作ってあったのかも、と言われてたしかに!と。
(因みに同行フォロワーは同じテーマで色んなお店のイメージカクテルをオーダーされているらしく、色んな解釈の違いがあってとても面白かったです!!いいな~~っっ!!)
最後に(まとめ)
どちらもメチャメチャ楽しかったです!!
イメージをお伝えして作っていただいたカクテルは『私の解釈』が詰まった『私のためのカクテル』で興奮もひとしお。予約して~文章考えて~お店に伺って~嬉し恥ずかしのオーダをして~何が来るかなとどきどきして~いざご対面!私のためだけに全て説明までしていただけるんですか!?!??ありがたすぎる!!それらの体験まで含めて料金ですね。お金と時間がかかる<<理由(ワケ)>>がある。
メニューとしてカクテルがあるお店は『お手軽さ』と『お財布の優しさ』が嬉しいですね。今日は山月記!次来た時に桜の樹の下にはを頼んでみようかな!といった開拓意欲がそそられるのもまた魅力。(坂口安吾の『桜の森の満開の下』と梶井基次郎の『桜の樹の下には』が見開きで並んでるの、信頼しかねえ!!!)
Cafe青猫さん、ミジンコ食堂さんに感謝です。どちらも本当に素敵なお店でした!!メチャメチャ繁盛してほしい!なかなか入れなくなったら古参面して腕組みできちゃうね(?)(不明点などあればお答えしますのでお声掛けくださいね)
&ここまで人の心を掴んで離さない中島敦、本当にありがとうなんだぜ……!!他の作品もちょいちょい読んでますが再読します!
読んでくださりありがとうございました!
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