【簡単世界通史⑨1500〜1700】【イギリス・フランス】マンガとか映画で世界史がわかるきがする
書いてる間にイギリスだけじゃやっぱ無理やわとなり、フランスと併せてやっていく(それでもかなりぶった切ってる)所存。どこまで簡単に、一筆で世界通史にできるのやら……
※こちらは連作となっています。マガジンからもどうぞ。
オスマン帝国の裏で
オスマン朝がビザンツを滅ぼし、ヨーロッパを喰い破っていく最中、そのヨーロッパ自体が急激な変容を見せ始める。ヨーロッパの大きな内輪揉めである100年戦争や薔薇戦争が集結したことも大きい。
宗教との距離感
オスマン帝国に至るまでのイスラムの強さの一旦を担っていたの政教一致だと思う。神秘的な物も、政治的な力もトップが握り全てのコントロールを行っていた。
対してヨーロッパはキリスト教徒で無ければ人に非ずという言葉があるぐらいキリスト教を握るローマ教皇の権力が強く、各国の王よりほぼ上の存在だった。王と教皇の綱引きにより対外的なパフォーマンスは落ちていた。
あくまで架空の世界を描いたフィクション、チ。―地球の運動について― なんだけど、まあコペルニクスとかガリレイをモデルにしてるし、1500年代のヨーロッパの状況を抽出している。キリスト教から異端扱いを受けるのがどういった事かがシビアに描かれている。
上記地動説も含むルネサンスが、ビザンツの滅亡とともに盛況となった。人文主義が勃興し、宗教改革へと繋がっていった。
イギリスの宗教改革
イギリスというか、イングランドなんだけど、時の王ヘンリ8世は沢山の王妃と結婚、離婚を繰り返していた。キリスト教では基本離婚を認めておらず、ローマ=カソリックと対立関係となり、とうとう国教会という独自のキリスト教派を作る。
かなり傲慢にヘンリ8世が描かれているセシルの女王。あさひなぐで躍り出たこざきさんの漫画。主体は次の王、エリザベス女王だがそこまでの流れがよく見える。
イギリスでは王と宗教トップが合体した。
フランスの宗教改革
フランスではさらに血を多く流しながらも宗教改革が行われた。ユグノー戦争という。
王妃マルゴ。ユグノー戦争のフランスを舞台とした漫画。ポーの一族で有名な萩尾望都さんの作品。ヴァロワ朝が無くなっていく様がみられる。完結済み作品。
フランスの宗教改革は国王に選択肢がもたらされた(旧教=カソリック、新教=プロテスタントのどちらかを選べる)事によって、国王側に綱引きの軸が傾いたことが重要なポイントとなる。
イギリス女王と絶対王政
女王といえばイギリス、イギリスといえば女王ぐらいの勢いがあるんじゃないかと勝手に思ってるのだけど、昨年2022年に亡くなられたエリザベス2世がそうさせるんじゃないかと思ってますよ。
スペインではイザベル女王が大航海時代をキックオフしたが、イギリスではエリザベスだ。セシルの女王でも描かれているが、ヘンリ8世の宗教改革を引き継ぎ、絶対王政を体現した。
ケイト・ブランシェット主演の映画でタイトルまんまエリザベス。恋人同士関係とか白塗りにする理由とか色々指摘が多い映画ではあるが、イギリスの覇権を推進したエリザベスの動きがわかるし、ケイトさん綺麗よな。この映画では即位するまでの流れ。
続編のゴールデン・エイジでは先に海の覇権を握っていたスペインを追い落とす様がみられる。エリザベスこっわ。どうやって追い落としたかというと、海賊を半分公的な存在にした。そちらを漫画でつぶさに描いたのがダンピアのおいしい冒険。
天幕のジャードューガルも良いですがこちらも良いです。トマトスープさんは可愛い絵柄で、その時代の人々の機微を落とし込むのがすっごい上手いと思う。海賊行為。私掠船免状というとミニスカ宇宙海賊を想起しますが、これはSF……アニメはモーレツなんよな。
現在ではクラシカルな演劇で有名なシェイクスピアもこの時代の人であり、ルネサンスの息吹も感じられる。
まあともかくエリザベス女王のもと、イギリスは海洋帝国となり植民地支配を繰り広げる。東インド会社を設立したのもこの時代。1603年没。
フランスのブルボン朝ルイ13、14世による絶対王政
ユグノー戦争終結後、ルイ13世がフランスの舵取りをする。ブルボン朝は結局プロテスタントを弾圧するのだが、カソリックに対してそっちに協力するんだからわかってんだろ?的な態度がとれる為、王権は強くなった。ルイ14世の時代は絶対王政が最も強く前に出た時代。
映画、仮面の男。プリオ様よ!きゃー!!ディカプリオがプリプリしてる時代よ!名優揃い踏みで面白いなあ。ルイ14世がやっぱり悪役で描かれてます。絶対王政は圧政との結びつきが強く、市民革命が起こる前の題材としてよく扱われる。
フランスも植民地支配はするがどちらかというとヨーロッパ大陸の雄となったと捉えるとわかりやすい。太陽王と呼ばれたルイ14世は領土拡大を積極的に推し進め今のフランスと同じぐらいの版図を得る。
ルイ14世の死。1715年没。
両国の重商主義
少し時代のズレがあるとはいえ、イギリス、フランス共に宗教改革を乗り越え絶対王政となった。その際重商主義がとられる。重商主義は別名貿易差額主義とも呼ばれ、資本の力が大きくなった発端となる。資本主義との差が分かりづらいが、重商主義はあくまで"国"が資本の流れをコントロールし、資本主義は蓄財が進んだ結果産まれた資本家がある程度自由に勝手にやる。国民に主権が移らないとそもそも発展しない。
ローマ帝国が滅んでより1000年以上のヨーロッパ暗黒期。イスラムやモンゴルにより蓋をされていた世界が変わった。封建制度が崩れ初め、各国王制が強くなり、宗教との関わり方もルネサンスを通し変わってきた。蓄財が進み、資本家の、そして資本主義が産まれる素地となる重商主義が進められた。
オスマン帝国による第二次ウィーン包囲が1683年に失敗。1699年にはオーストリア軍に敗退しハンガリーを放棄した。まだオスマン領土は大きいとはいえ、瓦解がはじまっていた。
世界の中心はヨーロッパに移った。
今回はここまで
最後まで読んで下さりありがとうございます。今回は書き切るのに本当に苦労した。あくまで簡単にしときたいし、歴史における世界の中心の移り変わりを伝えたいんだけど、オスマン帝国に戦争で勝ったぞ!という分かり易い構図ではなく、現在に繋がる制度や思考形態を入れ込まないと移っていった様子を伝えられず、そこらへんどうするか悩んだし、ハプスブルク家もメディチ家も説明してない。スペインほぼ無視という状態。
次回は市民革命から産業革命までのヨーロッパ列強のどっかにポイント置いてやるしかないかなあ、と思てます。
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