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アフリカンアメリカンの音楽とは?
ボブ・マーリーというスーパースターの登場で世界的に知られることとなった、ジャマイカのラスタファリズムをカルトとFBで述べている方がおり、いくらなんでもそれは違うということでコメントを付けました。
外から見て荒唐無稽なのは間違いないにしても、それは60年代に沸き起こった米国の公民権運動を経験して、しかしそれでは自分たちは果たして何者なのかと探り続けた70年代の、アフリカ大陸から来た人たちの主に英語圏の子孫にとってはとても需要なテーマを含んでいて、彼らの生きてきた歴史やカルチャーや日々の経験などなどを通して感度を高くして学ばないとわからないものだと僕は考えています。
米国でジョージ・クリントンというキーパーソンが作り上げたP-ファンクと同じ位置付け、同じ地平で受け止めるべきじゃない?と。
P-ファンクの世界観もまたあまりにも荒唐無稽で、ごく普通に生きてきた日本人にはまったく理解不能というものです。
R&Bやソウルをこよなく愛するだけではまだ全然足りなくて、368ページにも及ぶこの本を読み込んで初めてわかるような、極めて複雑ながらも苦闘の末たどり着いた彼らのアイデンティティに基づく、およそ人が生きて活動するすべての根幹になっているものとして、ようやく腑に落ちる。
そのくらい理解するための努力が必要になります。
音楽とはその点とてもよい表現手段で、ただ単に楽しんで聴き込んでいけば、ある程度ならその一端は見えてくるようなもので、こうした分厚い書物を読む上で最低限必要とされるあれこれを感じ取れる感性が身につくのです。
『黒人音楽史-奇想の宇宙』