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現在日本で最良の番組-『みんなでひきこもりラジオ』

テレビはほとんど観なくなってしまった

なんらかの意志で拒否しているわけでもないのだけど、正直何もかもがとてもひどくて劣化したなとしか思えないのです

代わりに皆がしているようにネット経由の動画を観る時間が圧倒的に増えたけど、日本では新型コロナ後遺症と呼ばれるLong Covidに由来する強い倦怠感や眩暈は、罹患後ちょうど2年が経過している今もなお残っている

悩みに悩みながらももう二度と感染したくないほど辛い時間を過ごしていたから、国が設定した本年3月の新型コロナワクチンの最後の無料接種を申し込み、直前の問診でその旨お伝えしたところ、決して悪気ではなくワクチンでそうした症状が回復した事例はあると言われ、これに関してはよくわかっていないことが多いのでそれならばと打ったんだけど…、その翌日から徐々に上向いていた体調が制御不能なほど悪化してしまう

つまりは、ロングコービッドとワクチンの副反応のダブルで4月以降の9ヶ月を過ごさざるを得なかったのですが、辛いなんてものではありませんでしたよ

ロングコービッドとは長期間に及ぶ新型コロナ感染症の中でも重大な諸症状の一つで、まだわからないことばかりだから次々と専門誌での査読論文の発表が続いているのが最新の世界の動向なのです

これを日本では「コロナの後遺症」と呼んでいるけど、本症状と認識されているからロングコービッドと名付けられて研究が進む世界の趨勢とはあまりにもかけ離れているし、あらゆる方面で加速度的に堕ちている現代の本邦を思うにつけ、日本の医学界や厚労行政の意識もまたそんなものなのだろうと半ば諦めていたが、多湿な梅雨時期の就労で散々な経験を重ね、酷暑と予想されていた本格的な夏をこの状態では乗り切れないとワラにもすがる思いで「コロナ後遺症」を診てくれるクリニックや病院を検索してみたら、すぐ近くの膠原病やリウマチを専門とする内科医がヒットした

さっそく電話をして自分の症状を伝えたところ、おそらく主治医に確認してからなのだと思うが、一呼吸おいて来てくださいとの答えが返ってきたから就労が終わったその足で向かい診察を受けた

主治医さんにはやはりよくわからないことが多いと言われ、とりあえず試してみてはどうかと処方されたのが一つの漢方だったが、これが劇的に効いた

診察後の夕方から飲みなさいと言われた通りにしたら、翌朝にはほぼ健康時の自分に戻っていたのだから驚くなんてものじゃない

それまでとは異なり就労にも一日も休まず行けたが、そうなってくると症状がぶり返すのは仕方のないこととも思えた

予想通りの酷暑が始まり熱中症警戒アラートが連日のように出る日々で、医師にも「この時期特有の事情にも注意するように」との話を聞かされてもっともなこととしか思えない中で、更に自分は仕事に際しては手抜きができない性分ともきているから、体調に影響しないとする方がおかしな話なので

漢方が無ければおそらく早々にダウンしていただろうが、なんとか7月の1ヶ月はがんばれたし、8月に入るとさすがに無理がたたって遅刻・早退や就労時間中の30分程度の休憩を連日のように続けながら抑制気味に働いていたものの、後半に入って遂に仕事場に行くことができなくなり、以来休養を続けざるを得なかった日々の最後に雇用契約に基づく退所を封書で伝えてきたのが、もうとっくに夏が過ぎ去った11月のことだった

生活保護を貰わずとも、モノを盗むことをせずとも、かろうじて生活できるのはありがたかったけれど、ガソリン代が気になるから外出もほぼ控え、先行きの見えない中でメンタル的な由来もあったとは思うが食料品や日常生活で使う消耗品を購入するレジ待ち時間でさえ、立っていることができずへたり込んでしまう有り様は今もなお続いている

就労していた時分も帰宅する途中や休日に遊びに行ったりショッピングに立ち寄る余裕すらなかったし、この2年間はまぁ完全な「ひきこもり」生活だったのです

ただ、食生活や睡眠等に気を遣っていたこともあったのか、なぜか頭の中だけは滅法まわっていてnoteの記事を書くくらいのことはできました

ストレスの強い状況だったからか、SNSで要らぬ揉め事はしばしばあったものの…

仕事は辞めることになるだろうと見えていたので、将来を見据えて新しいスキルを得たいとも考え、photonの習得とLinuxを使いこなせるような準備もその間進めてきたが、12月の半ばに入ってようやく来年1年間くらいまでは慎ましくやれば十分自分らしく暮らせる目処がついた

身も心も軽くなるとはこのことかと思いましたよ


ここ一週間ほどは自分が生き抜くために、雑多な情報の中から予想されるものを感じ取ってきました

一人でやれるならば一人でやるのが基本としても、無理ならば頼れる先も自分にはあり、おそらくこの先はハイスピードで皆さんが思う以上の変化が来るとしか思えないので、その時の備えや社会や人々の行動や意識の想定もかなり具体的に感じ取り、「備えています」

僕は子どもの頃からいつの間にか家にずっと居る生活が心地よくなり、長じて外にも出て大いにいろいろと遊んではきたけれど、基本的にはひきこもり体質なのだと思ってきました

『みんなでひきこもりラジオ』を初めて聴いたのは、拘置所の独房に半年ほど拘留されていた間に夕方から数時間流されるラジオ放送で、独房暮らしもひきこもりみたいなもんだし…と思いながらも、当事者の方々の生きづらい感覚は自分には無かったかなぁとか、担当アナウンサーの栗原望さんや番組制作スタッフの人たちも含めたチームの丁寧な心配りや配慮、そして番組をやり続ける強い覚悟には、顔も知らぬ他人に対する尋常ではないレベルの思いがあってと気づいてからはもの凄い番組だなとも思いながら聴いていました

月に一度、月末の金曜夜8時からの放送なのですけど、「次の放送までにはこの世から消えています」という投稿が届き、それは決して冗談でも一時的な錯乱でもないものである可能性もあり得る中でその方に届くようなメッセージを発信していたのですから、これはとんでもない番組だと襟を正すような思いすら感じたものです

ロングコービッドでほぼ寝たきりとなっていた2年前の冬は、ただ一人だけ残って母の死去を埋め合わせてくれながら、お互いに身を寄せ合うように共に暮らしてきた老猫が急激に体調を崩してほどなくして死んでしまい、手離はなければならない実家を「守る」ことも売却やその後の引っ越し先を探して動くこともできず、絶望の中でようやく自分の心中に「孤独」というものを感じることができたという時期で、『ひきこもりラジオ』を聴いては今度ばかりは自分も聴取者の方々と同じ苦しみの渦中にいると思い知らされ、とても辛いものなんだな…と身をもって知ったのはとても大きな経験でした


かつてより知っていた人や新しく出会った人たちのサポートや手助けがあって今現在を生きているとしか言えないほど、たまたま運よく自分は恵まれていただけなのだと、本年最後の放送を聴いて改めて噛み締めるように思い直させられました

今回もちょっとヘビーな展開になりましたね


12月の放送の聞き逃し配信は1月2日の木曜日までです

栗原望アナウンサーはVoicyでも配信されておられる珍しいアナウンサーさんでもありますよ

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