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macOS版ChatGPTアプリ新機能でVS Codeとアプリ連携させる手順書と活用法
本日2024年11月15日早朝、突如OpenAIがChatGPTの新しい機能をリリースしました。
ChatGPT 🤝 VS Code, Xcode, Terminal, iTerm2
— OpenAI Developers (@OpenAIDevs) November 14, 2024
ChatGPT for macOS can now work with apps on your desktop. In this early beta for Plus and Team users, you can let ChatGPT look at coding apps to provide better answers. pic.twitter.com/3wMCZfby2U
これにより、Mac版ChatGPTアプリが、VSCode、Xcode、ターミナルを読み取り、マルチタスク的にChatGPTとシームレスに連携できるようになりました!
現在対応しているアプリは以下の通りです。
VSCode
Xcode
Terminal
iTerm2(ターミナルアプリ)
テキストエディット(標準アプリ)
この新機能は有料プラン会員向けに既に解放されており、すぐ実際に試すことができます。
その中から今回は、VSCodeとChatGPTを連携させる手順と、アプリ連携の活用法を解説していきます。
連携手順
1. macOS版ChatGPTアプリのインストール
(すでにインストール済みの方は飛ばしてください。)
macOS版のChatGPTアプリは、公式サイトまたはhomebrewでインストールが可能です。
ご自身のアプリ管理方法に合わせてインストールしてください。
2. macOS版ChatGPTアプリの起動
アプリを起動するとログインを求められますので、外部ブラウザ経由でログインをします。
以下のような画面が表示されれば起動成功です。
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3. アプリ連携機能
アプリ連携機能はこの矢印部分の連携アイコンをクリックすることでモーダルが開きます。
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※連携アイコンが表示されていない方は、メニューバー「設定」から設定画面を開き、「アプリとの連携」グループにある「アプリを管理」からアプリ連携機能の画面を表示させてください。不足している許可項目などあればMacのシステム設定を操作する必要があります。
4. VSCode連携
では早速VSCodeとの連携を進めていきます。
Xcodeやターミナルとの連携は権限を与えるだけで良いのですが、VSCodeの場合は拡張機能をインストールする必要があります。
また、2024年11月15日時点ではこの拡張機能はマーケットに並んでいないため、これから説明する操作を行う必要があります。
4.1. 拡張機能のダウンロード
VSCodeにインストールするための拡張機能ファイルをOpenAI公式からダウンロードする手順を説明します。
メニューバー「設定」から設定画面を開きます。
「アプリとの連携」グループにある「アプリを管理」をクリックします。
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連携アプリを管理する画面が表示されますので、VSCodeの項目に表示されている「拡張機能をインストール」をクリックします。
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すると、OpenAI公式サイトのページが開くので、その中の「openai-chatgpt.vsix」をクリックしてファイルをダウンロードします。
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4.2. 拡張機能のインストール
VSCodeを開いた状態でCMD+Shift+Pを押してコマンドパレットを開き、「拡張機能:VSIXからのインストール」を選択。
先ほどダウンロードした「openai-chatgpt.vsix」を選択します。
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そして、VSCodeのインストール済み拡張機能一覧に「ChatGPT – Work with VS Code on macOS」が追加されているのを確認してください。
4.3. VSCodeとの連携
VSCodeを開いた状態でChatGPTアプリを開き、連携アイコンをクリックするとVSCodeが認識されるようになっています。
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この状態で「+」をクリックするとチャット欄にVSCodeと連携している旨が表示されます。
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これで、VSCodeとChatGPTアプリの連携が完了しました。
ChatGPTアプリとVSCodeを連携させてできること
ChatGPTアプリとVSCodeを連携させると何ができてどんな嬉しいことがあるのか。
ChatGPTアプリとVSCodeを連携させると以下のことが出来ます。
VSCode上のアクティブファイルの内容をChatGPTにコピペせずに伝えられる
だけです。
実際にChatGPT自身に尋ねると「手間の削減」が利点だと説明されました。
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なのですが、VSCode連携機能の一番の利点はそこではないと私は思っています。
ChatGPTのCanvas機能やClaudeのArtifacts機能を使うことによって、一つのドキュメントや一つのファイルを参照・操作しながらLLMとのチャットをすることが出来ました。
ただし、これらにはコンテキストの保持や自由度の面で問題があり、「コンテキスト量が貯まると別のチャットにドキュメントを引き渡す必要がある」「ファイルをこちらで編集できない(Claudeの場合)」などの不満点がありました。
それに対して今回のアプリ連携機能では、VSCodeやテキストエディタで開いたドキュメントをさながらCanvasやArtifactsとして扱うことで、それらの不満点を完璧に解消することが出来ます。
手元でファイルを編集可能
コンテキスト量が貯まったらワンボタンで別のチャットに移行できる
さらに、新しい価値として、以下のものが加わりました。
同一ドキュメントを元に複数のチャットで会話ができる
ChatGPTアプリの右上にあるアイコンをクリックすることで、コンテキストを保ったままチャット欄が新規ウィンドウとして開き、元のアプリ部分では新規チャットが開始されます。
※現状では、別ウィンドウは1枚までしか開けないため、最大2つのチャット欄しか開けません。
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これにより、以下のような便利な使い方ができるようになります。
メインチャットで指示された内容をサブチャットで確認しセカンドオピニオンを行う
メインチャットで指示された用語やコードをサブチャットで調べる
このように同一ソースを参照して複数チャットを開ける機能は、現状ChatGPTの「Canvas」にもClaudeの「Aritfacts」にもありません。
今回紹介したもの以外にも良い活用方法があれば、ぜひコメント欄で教えてください!
おわりに
今回のアップデートでは連携できるアプリが限定されていましたが、今後さらに多くのアプリと連携できるようになる未来が容易に想像できます。
また、つい先日AnthropicがPC全体のAIエージェント「computer use」のベータ版をリリースしました。
そして、OpenAIは来年1月を目処に「Operator」というPC全体のエージェントアプリをリリースする予定です。
これらの導入と更なる性能進化に伴い、開発の現場も目まぐるしく、かつ破壊的に変化するだろうと思っています。
株式会社CAENならびに私大森は、ポストAI時代の大波乱を乗り越え乗りこなすために、AIをフル活用したAI駆動での開発手法を研究しています。
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