【夢分析:「恋愛」逆転移 (「れんあい」ぎゃくてんい) 】


( ″転移″ と ″逆転移″ )
※ カウンセリングの中で、クライエントがカウンセラーに対して向ける「感情」や「思い」や「考え」を、精神分析では『転移』と呼び、 反対にカウンセラーがクライエントに向けるものを『逆転移』と呼ぶ。

※ ある男性カウンセラーの夢(グループスーパーヴィジョンにて)

 (夢の詳細)
 街の雑踏のなかでクライエントを見つけた。

 彼女は、道行く人々を避けながら、地図を片手に、右を見たり、左を見たりと困っている。

わたしは、彼女が心配になり、気付かれないように後について行くことにした。

 彼女は迷いながら、出くわしたノラ犬の頭を撫でたり、険しい坂道を登ったり下りたり、壊れそうな橋をよろよろ渡ったり、小鳥たちを眺めたり、石につまずいて転びそうになったりしながら、歩いて行く。

 やがて、いつの間にか景色は街なかを外れ、郊外になっていた。
 そうして、道の向こうにトンネルが現れた。

 トンネルの入り口まで辿り着いた彼女は、入るか、入るのをやめるか、しばらく思案していたが、意を決して暗闇のなかへ入って行った。
 わたしも続こうとしたが、トンネルのなかだから身が隠せない。しかし、心配の方が勝り、わたしも続いた。すると、彼女はすでに、トンネルの向こう側にいて、眩いばかりの光に包まれ出て行くところだ。
 わたしは「良かった!」と、安心して引き返そうとした。
 途端に彼女はわたしを振り返り駆け戻って来た。そして、満面の笑みでわたしに抱きついて言った。
 「ありがとう!」

※ (スーパーバイザー(指導者)のコメント)

 「せっかく、ええケース報告やなぁと感心してたのに、最後があかんやないか!
こいつめ、『恋愛逆転移』なんぞしくさって。お仕置きじゃっ!」
 ハリセンで私を張り飛ばす (^^;

※ ケースの発表者とスーパーバイザーには教材にすることの了解をもらっています

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