税収弾性値を理解すると、お国のお金が見えてくる!【ニュースに騙されないチカラ】
どうも、大河内薫です。
本日はマレーシアからお届けしております。
マレーシアの日本人学校でお金の授業をする為に来ているのですが、せっかくなのでVoicyパーソナリティでお馴染みの「のもきょう」さんにお声掛けさせて頂いて、Voicy収録をしました。
のもきょうさんのお子さんは、マレーシアで教育を受けているわけですから、お金の教育事情などをしっかり聞いてみみました。
去年もマレーシアでお金の授業をしましたが、日本にある学校とはちょっと違って、授業を受けてくれた生徒からの質問がめちゃくちゃ多いんです。
授業も活気あふれる感じで、いきなりエンジン全開で授業できるんです。
なので僕にとっても、日本人学校でお金の授業をするのはすごく学びになるんですよね。
僕にとっても良い経験になりますので、今後も海外の日本人学校などで、お金の授業をしていきたいと思います。
Voicyリスナーの皆さんの中で、日本人学校で教師をしているとか、知り合いがいると言う方がおられましたら、お金の授業をしに行きますので、お声掛け頂けたら幸いです。
余談が長くなりましたが、本題いきましょう。
■税収弾性値とは
今日のテーマは、ニュースの嘘を見抜く力を養うと言う事で「税収弾性値」についてお話します。
とは言え正直な所、僕自身も「税収弾性値」の過去の背景とか、どの様な過程で決まったのかなどは全く分かりません。
ものすごく頭のいいお偉いさん達が決めている数値なんでしょう。
ただ、これまでの実績や歴史から見ても、大きなブレがない値なので僕も使っている数値です。
ではこの「税収弾性値」はどの様に使うのかと言うと、今年度の税収がどのくらいになるかと言う予想ができる数値です。
名目GDPの成長率にこの弾性値を掛けて、それを前年度の税収実績と掛けると、今年度の税収がこれぐらいになると言う事が分かるんです。
もう少し具体的に説明しますと、令和4年度の税収実績は71兆円でした。
名目GDP成長率は内閣府が発表していて、令和5年度は4.4%程度の成長率を見込んでいます。
そして、税収弾性値は大体1.1%とされています。
これはかなり手堅い数字です。
要するに、税収をかなり少なめに見積もっていると言う事です。
ここ10年ほどの平均値だと、2.7%程度と言われています。
財務省がよく使う、固めの1.1%を使って計算すると、令和5年の税収見積もりは74.5兆円ぐらいになります。
つまりは、去年よりも5兆円ほど税収が増えそうだと言えるわけです。
過去10年間の平均値である2.7%で計算すると約80兆円になります。
■デタラメな予算フレーム
財務省は「予算フレーム」と言う資料を出します。
予算フレームとは、予算の全体像を示す資料の事です。
全体の予算に対して税収がこの程度なので、不足分であるこの額分の国債発行して賄っていきましょうと言う様な、税収の見積もりの様な物です。
で、この予算フレームに記載されている数値がそもそもデタラメなんです。
税収弾性値を使う事でデタラメである事が暴けます。
令和5年度の予算フレームは年度の初めに想定するのですが、その想定した税収は69兆円でした。
年度の初めには何にいくら使うかが決まっている訳なので、想定した69兆円の税収だと足りないと言う事になる訳です。
ここでちょっとおかしいと思ったあなたはマネーリテラシーが高い。
前年度の税収実績は71兆円でした。
成長率が0%だとしても今年度も71兆円なわけです。
税収弾性値を厳しめの1.1%で計算しても、今年度の税収は75兆円程度になると出ているにも係わらず、年度初めの令和5年予算案は税収69兆円でスタートしている訳です。
もっとデタラメなのが補正予算案の数値です。
年度の初めに税収が69兆円と想定しましたが、年度の半ば頃にどれくらい上振れするかを改めて算出し、その上振れた額を使って補正予算を組み、取り組みたい事を実行して行くと言う流れな訳です。
足りなければ国債をさらに発行して借金をするわけです。
では、その税収の上振れ額をどのくらい見込んでいるかと言うと、1710億円と言ってるんです。
繰り返しになりますが、前年度の税収実績が71兆円でした。
税収弾性値1.1%で、GDPの名目成長率を内閣府が発表している4.4%で計算すると、令和5年度の税収は75兆円程度になる訳です。
年度の初めには税収69兆円と想定していますが、実際には税収の上振れ額は5~6兆円程度あると言う事になるわけです。
と言う事は、今回の補正予算の予算フレームには税収は5~6兆円程度上振れる(=余る)と言う所からスタートするはずなんですが、なぜか上振れ額は1,710億円と言う事になっているんです。
で、どうなるかと言うと、1,710億円しか余らないので予算が足りない。
だから不足分の国債を発行しますと言う予算フレームになっている訳です。
■答え合わせは2024年7月
実行したい政策を行う為に、合わせて10兆円ほどの補正予算案が出ています。
1,710億円しか上振れ額が無いので、足りない分は国債を発行する事になります。
なので皆さん覚えておきましょう。
これは補正予算案なので予測でしかないです。
この答え合わせは2024年7月です。
2024年7月に、税収の上振れ額がx兆円だったので、国債は発行する必要なかったねと言う事になると思います。
■声を上げるのは誰か?
こうなった時に「あの時の資料がおかしいだろう!」と誰が言えるのか。
残念ながら、その時にはみんな覚えてないから誰も言えないんです。
ここが闇深いなと思うんです。
これだけデタラメな悪質な資料を世に出して、補正予算案の政策を実行する為に税収が足りないので、国債を発行して借金をする必要があるとマスコミを使って情報を流しまくっているにも関わらず、2024年7月になった時に、予算フレームが間違えてました。
こんなに国債を発行しなくてよかったです。
なんて言葉は誰からも出てこないわけです。
つまり、(税収が無い)からこんなにも国債を発行しなければならない。
だから増税しなくてはいけないんですと言う事を言いたいが為の資料なんです。
これはやっぱりおかしいですよね。
増税をする為にとにかく動くのが財務省なので、これはやっぱり止めないといけない。
この様な知識を持っていないと対抗する事ができないので、政治家の皆さんにはしっかりと「おかしいじゃないですか!」と国会で言ってもらわないといけないわけです。
今回の補正予算案の為の臨時国会で、ズバズバと指摘した人っていなかった訳です。
ここの問題点だけを集中的に指摘させて頂きますと言う人が現れると面白い展開になると思うんですけどね。
■知識を付けないと戦えない
当然、知識がないと何も始まらないですよね。
知識があるからお金に向き合える訳です。
そしてマネーリテラシーを上げる事でお金に強くなっていく訳です。
お金の知識と言うのは、ニュースを読み解く力にもなるし、政治家の皆さんが国会で戦う力にもなる訳です。
僕はそのように思うので、お金の知識をあらゆる局面で武器となるような形で伝えていきたいと思うんです。
初歩的な事もあれば、難易度高めな内容もあるかも知れませんが、どのレベル感でもそれぞれの立場の方の武器になるような情報を発信していきたいと思っています。
そう言う事もあって、Voicyのチャンネル名を「大河内薫"お金の学び"」に変えました。
このお金を学ぶと言うのは、学んで、お金に強くなって、お金の不安を払拭しましょうと言う意味もありますが、今日のテーマの様にお金を学んで、「それは違うでしょ!」とズバッと一刀両断できる様になる為にも、お金の知識をつけていって欲しいと思います。
ひょっとしたら、政治家の方が僕のチャンネルを聞いてくれているかもしれませんので、届いたらいいなと言う思いも込めて本日はお話をさせて頂きました。
本日も張り切っていきましょう。
それでは、素敵な1日を。
最後まで読んでくれたあなたに、幸あれ✨じゃあね!
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