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セミナー企画とファシリテーションのコツ9:「会場づくりのコツ」

こんにちは。大木浩士と申します。
これまで1000回以上、セミナーやトークイベントなどを企画し、開催してきました。(具体例はこちら
この記事は、それらを自ら企画し開催してみたい。そう思われる方に向け、私が培ってきたセミナー企画のノウハウをお伝えする内容の第9回目になります。
※前回(第8回)の記事はこちらから。

今回のテーマは、「会場づくりのコツ」になります。

リアル型 セミナーで行う会場づくり。
・参加者席は椅子だけにするのか、それとも机も置くようにするのか。
・机や椅子はどのように配置するのか。
・講師席はどこがよいのか。
・セミナーの最中に、机と椅子のレイアウト変更を行うのか、それとも固定のままか。
・投影する画像は、スクリーンに映すのか、それともテレビモニターを使うのか、などなど。
実は考えて決めることが、いろいろあります。

はじめて使う会場で、私がどのようなことを行っているのか。
注意すべきポイントはどこなのか。
順を追って解説をしていきたいと思います。

■事前に確認しておく情報

会場のつくり方を考える前に、いくつか確認しておきたい情報があります。
まずはそこから触れていきたいと思います。

◎参加者の大まかな人数(想定している人数)
◎パワーポイントなどでつくった資料を投影するか否か
◎紙に書くなどの個人ワークを行うか否か
◎グループでの話し合いなどを行うか否か

自ら講師をつとめる場合には、これらを自分で決めることができます。
一方、ゲスト講師を招く場合には、これらを講師に事前確認しておく必要があります。

■下見をする

会場のレイアウトを考えようと思う時、私はできるだけ現場に赴き、下見をするようにしています。
そしてその場で、手書きの大まかな レイアウトメモを作るようにしています。
下の写真が、そのレイアウトメモの実物です。

手書きのレイアウトメモ

この場合の想定参加者は20名。
パワポ資料をテレビモニターに投影し、個人作業やグループワークを行うことを想定しています。

下見の時に、以下の情報は必ず確認するようにしています。その理由とともにチェックポイントを書き出してみます。
◎部屋の大きさに対する机の大きさの関係性。
⇒机をいくつまで会場内に無理なく入れることができるのかを確認します。
⇒グループワークを行う際は、机をアイランド型にした時を想定します。
◎出入口となる場所。
⇒講師席は、できるだけ出入口から遠い場所に設けるようにしています。
◎コンセントの場所。
⇒想定した講師席の近くにコンセントがあるかどうかを確認します。
⇒もしない場合、長い延長コードや養生のための配慮が必要になります。
◎テレビモニターの有無と大きさ。
⇒パワポ資料を投影する際、テレビモニターを使うか、スクリーン投影にするかを判断します。
⇒テレビモニターがあったとしても、小型の場合はスクリーン投影を選択する場合があります。

現場で作成した手紙のメモは、できるだけ下の図のように、パワーポイントなどを使い図面化するよう心がけています。

パワーポイントで作成したレイアウト図

このようなものを作成しておくと、当日にレイアウト変更で慌てることがなくなります。
またどなたかに会場づくりをお願いする際の指示書としても使えます。

下見の際は、念のため写真も撮っておかれるとよいでしょう。
会場の雰囲気、机や椅子の色や形などを本番直前に確認することができ、当日のイメージが持ちやすくなるからです。

■図面や写真からレイアウトを検討する

会場が遠距離にあり、事前に下見ができない場合も多くあります。
そのような時は、図面を手に入れるか、写真をどなたかに送っていただくようお願いをしています。

下の図は会場図面のサンプルです。
施設管理者にお願いをし、メールで送っていただいたものです。

会場図面

この図面を参考にしながら、下の図のようなレイアウト図をつくるわけです。
図面があると、部屋と机の大きさのバランスを正しく確認できるので、比較的楽に図面をつくることができます。

図面を参考に作成したレイアウト図

■アイランド型の机を配置するコツ

グループワークを行う場合、作業がしやすくなるように、机をアイランド型にすることが多くなります。
横長の机を組み合わせて4人が座れる島をつくります。

この時注意したいのは、アイランドの向きです。
下の図のように、私は必ず、前方にあるテレビモニター(スクリーン)を向くようにアイランドの角度を調整しています。

テーブルの角度に配慮したレイアウト

こうすることですべての参加者が、首の向きを少し変えるだけで、投影した資料を見ることができます。
一方、下の図のように机を配置するとどうでしょう。

テーブルの向きに配慮していないレイアウト

赤色の席に座った方は、投影資料を見ようと思う時、どうしても振り返らないといけなくなる。
これが参加者にとってはストレスになるのです。
実際、このようなレイアウトで開催したセミナーのアンケートでは、「机や椅子の向きがよくなかった。いちいち振り返らないといけないので、面倒だった」のと感想をいただいたことがあります。

また、アイランドとアイランドの間隔を少し広めに配置しておくことも、できるだけ配慮するようにしています。
接近していると、グループワークで行う話し合いの際に、隣のグループの声が気になってしまうことがある。
そのことに注意を払っているわけです。

■椅子だけの参加者席

会場づくりの際、椅子だけで参加者席をつくることも、もちろんあります。
机がない方が、多くの参加者が着席できます。
その際、私が必ず意識することがあります。
それは「動線の確保」と「椅子の間隔」です。
動線とは通り道のことです。下の図のように、参加者が移動する際の「通路」をつくるようにしているのです。

動線に配慮した椅子の配置

これを行わないと、どうしても着席に時間がかかってしまう。
着席や席の移動がストレスになってしまう。これを避けたいのです。

会場の大きさと参加者の数のバランスにもよりますが、私は椅子の間隔を気持ち広めに確保するよう心がけています。
あまりに近いと、どうしても隣の人が気になってしまう。
そのストレスが、講師として話をしていて、伝わることがあるのです。

■途中で行うレイアウト変更

セミナーの途中でレイアウト変更することも、時々行います。
下の写真のように、椅子の向きだけで小グループをつくるやり方。
最初は椅子だけのスクール形式にしておいて、途中から机を入れてグループをつくるやり方など。
レイアウトが変化すると、場の雰囲気も変わり、演出的に効果的なことがあります。

レイアウトを途中で変更して進める場づくり

以上、今回は会場づくりに焦点を当て、私なりのコツや留意点をお伝えしました。

セミナー企画のコツ。
次回のテーマは「準備する備品について」です。
ご興味ございましたら、ぜひご覧ください。

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