見出し画像

きび団子屋さん

小学生の頃、公園に自転車でリアカーを引いて、きび団子を売りに来ていたおじさんがいた。団子を売りながら、気さくに子供達との会話を楽しみ。子供達も、いつ来るのかと待ち遠しかった.

きび団子は5本ぐらいで、20円だったと思う。おじさんはこの値段では、当時の小学生には毎日、買うことができないかもしれないので、5円の新商品を出した。蜜パンといい、食パンを三角形に切って、黒蜜をたっぷりかけ、その上にキナコ をまぶして串を刺したものである。考えた通り、小学生に評判でよく売れた。

やたい2

大学生になったある日、新聞で、都内最後のきびだんご売り、交通事故でなくなる。との記事を読んだ。自動車との接触事故で、道路に、きび団子が散乱していたという。いたたまれなく悲しかった。 


#エッセー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?