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下町の商店主

コーヒー豆の店が近所にあった。ケースにはコロンビア、ブラジル、エチオピア、ブルーマウンテンひととおりそろっている端にはソフトブレンドが置いてある。たいていソフト200gをたのむのであるが、たまにブルーマウンテンなどたのむと「いやぁ、やっぱり、うちはソフトが一番のおすすめだよ」といわれて、ソフトになってしまう。深川八幡まつりの時期になると半纏を着て、気もそぞろ
「商売なんてやってらんねぇーよ」注文も聞かずにソフト200gを出す。

東銀座にナイルというインドカレーの名店がある。

二代めの店主は銀座泰明小学校卒で立ち居振る舞いは日本人そのものである。店に入るとメニューをわたしてくれるが、「ムルギランチがおすすめだよ。」と言って「は、ムルギね食後には紅茶だよ。インドではみんなそうだよ健康にいいからね。あと、ラッシもからだにいいよ」もうきめられている。確かにムルギランチは鳥のももがとろけるほどにこまれていて、スパイスの加減が絶妙である。いまは3代めにひきつがれているようだ。



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