公園のおでん屋さん
3時過ぎ、公園におでんの屋台が来ていた。小銭を握りしめた子供たちのおやつタイムが始まる。おじさん、おばさんとの会話を楽しみながら、「もう少し、待っててね、」子供たちは、鍋から湯気が上がるまで、寸暇を惜しむように遊びに公園にもどり、しばらくして、ふたたび、屋台の周りに戻ってくる。「おじさん、大根はやらないの。「大根は、下茹でしておかなければならなくて、手間がかかるから、できないんの。」仕事を終えた銭湯帰りの職人さんたちもおでんをつまみながら、おでん鍋にチロリで燗をつけた日本酒をおでんを肴にして、ちびりちびり、下町の昔の風景。
一本5円はこぶ、串に刺した4つぎりじゃがいも2つ、こんにゃく、4センチ四方ぐらいのたこの頭、ちくわぶ、ちくわ、なると、さつま揚げ、揚げボール2個、はんぺんなど。
10円は、いか巻き、牛蒡巻き、経木を補足割いたものでしばり串に刺した白滝、つみれ、すじ(白身の魚のすり身にサメの軟骨を混ぜた練り物)。20円はゆで卵、たこの足、やがて、しゅうまいまき、ぎょうざまき、(しゅうまい、ぎょうざをすり身で包みあげたもの)も鍋に加わった。
子供は一日に、1、2本おやつにしていた。
夕ご飯のおかずに家の鍋を持っていくと、溢れるぐらいのおでんと、たっぷりのだし汁をいれてくれて、1000円ぐらいの盛り合わせをしてくれる。どれにしようかと考えながら、鍋のあいたところにおでんを選ぶおじさんの姿が楽しそうだった。
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