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米澤穂信その6~「米澤穂信と古典部」
ネタバレしてますよ~
今回は「米澤穂信と古典部」というファンブック?についてです。存在はうっすら気づいていたのですが、まあ、この本まで買うこともないだろうと思って買わずにいたものです。以下、Amazonにあった紹介文
『氷菓』以来、米澤穂信と一五年間ともに歩み、進化を続けている〈古典部〉シリーズについて「広く深く」網羅した必読の一冊。
それなのに、なぜ購入したかというと、Amazonレビューでおやじねこさんという方が「千反田えるの人格造形がおおよそ明らかになります。」って書いてるんですよ。
どういうことかと言うと、「あなたの本棚見せてください!」という企画があって、古典部部員四人の本棚の一部(30冊)を紹介しているんですけど、その中の千反田えるの30冊について「千反田えるの本棚は納得と潜在的な不安を感じるラインナップ」とレビューで語っているんです
これはえるたそ研究家(嘘です)としては読まねば!と思って買いました
が、しかし、「潜在的な不安」をどこでどう読みとればいいのかわからない。せいぜい「自由からの逃走」(フロム)くらい?
でも、これほーたろーの本棚にもあったけど……
単に課題図書だったりしないのかな?
残りも、半分くらい、私の知らない内容のわからない本ばかりなのでそこから「潜在的な不安」を読みとるのかな~?
ということで、私にはよくわかりませんでした(笑)
で、四人の本棚ですが、私が違和感を覚えたのは、ラノベが一冊もないんですよ。このくらいの高校生が読む本と言えば、ラノベが真っ先に思い浮かぶのですが……
そういえば、彼らって何年生まれなんだろう?と気になって調べたところ、ほーたろーは2000年に高校入学しているらしいので、1984年生まれということになるんでしょうかね。ということは、昭和生まれじゃないですか!
だったら、そこまでラノベが流行ってなかった年代でしょうか、「銀英伝」とか「十二国記」とか誰でも読みそうなものを紹介してもあまり意味がないですしね
ただ、摩耶花の本棚はすべて漫画なんですけど、彼女は私より年上なのか?と思うほど、実に古い漫画ばっかりなんですよ。
ここで「花より男子」とか「NANA」とか挙げられても困惑しそうですが、せめて年齢的に「BASARA」は欲しかったかなと。いかにも摩耶花が好きそうですし(笑)
「ワン・ゼロ」(佐藤史生)があって、ちょっと嬉しくなったのですが、摩耶花は佐藤史生だったら「夢みる惑星」のほうが好きなんじゃないかなーとか、「天人唐草」(山岸凉子)も摩耶花の好みとはちょっと思えないなーとか、(つか、米澤氏の趣味なんでしょうか?)
で、なんと、ここにも「地球(テラ)へ…」(竹宮惠子)が挙げられてました。「わたしたちの伝説の一冊」(「いまさら翼と言われても」収録)でも「地球(テラ)へ…」が出て来たし、私が知る限り、これで三か所ですよ。
やっぱり作者の趣味としか思えないんですけど……
まだ全部読んだわけじゃないんですけど、書下ろし短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」がけっこう個人的に衝撃だったので、この記事を書くことにしました。
この中の「猿蟹合戦を読んで」という、ほーたろーが中三の時に書いた読書感想文、これって、米澤氏の「反論」ですよね?(何に対してとは言いませんが)
「たぶんだけど、芥川の猿蟹合戦は、蟹と臼たちはお互いに仲間だったことを自白したとは書かれていないんでしょ。でも、蟹が死刑になって臼たちが無期懲役なら、書かれていなくても、自白か証言があって、共犯関係は立証されたんだと考えられる。もちろん立証されたと書いた方が親切かもしれないけど、迷宮のお手洗いと一緒で、全部書くのがお話をよくするとは限らない。特に、お話の目的がほかにあるときにはね」
摩耶花の弁ですが、私も完全同意です(笑)
「でも、折木先輩が……H・Oさんがどういうつもりだったのかわかんないと、揚げ足取りだったかどうかは確定できないんですよね。それって曖昧じゃないですか」
里志が肩をすくめる。
「曖昧だね。まあ、仕方がないよ。人の気持ちが百パーセントわかることなんてないのに、文章は百パーセントわかるなんてことがあるもんか」
私見を言わせてもらえば、私はアレは百パーセント揚げ足取りではなかったと思ってます。だって恥ずかしすぎる……
そういうことで、何のことかわからない方にはごめんなさい
私もnoteを書いてなかったら気づかなかったと思います