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源平咲
菅原院天満宮で贅沢な梅の花を見た。一本の木に紅白の梅の花が咲いているのだ。源平咲というらしい。
旅をすると自分が世の中のほとんどのことを知らないという事実がわかって面白い。とにかく知らないことが多いのだ。源平咲もその一つだったし、京都市内に天満宮がいくつもあることも知らなかった。
ともかく、この世に生を受けて、50年になるというのに、知らないことが多すぎる。ときどき名古屋のジュンク堂書店へ行くと、読んだことがない作家の本があまりにもたくさんあることに人生の短さを感じてしまう。一生かかっても、ここに売っている本の全てを読むことは叶わないと思い知るのだ。
本をたくさん読んだところで、人生を謳歌できるわけでもないが、読書は喜びの一つである。テレビで海外ドラマを見るのが楽しみではあるが、本は読みたい。加えてパソコンで何かを書く楽しみもある。猫と戯れるのも楽しみだ。
私が一本の木とすれば、色とりどりの楽しみに彩られた花を咲かせようとしているような気もする。源平咲どころか、戦国時代咲だろうか。もっともあまり身体が丈夫ではないので、室内で楽しむことが多いから、花も小ぶりだろう。
小ぶりで地味だけれど、しっかり根を張って、枯れるまでは咲き続けていこう。それが生きていくということだもの。