言わなかったけど、わたしそこまで酷いかんじですかふみさん
ひ「ふみさん」
ふみ「なんだ」
ひ「わたしはどんなふうにして、あと10日で28万円稼ぐんですか?」
ふみ「うん。それはひとまず置いといて」
ふみ「あと10日ってのは何月何日なんだよ」
ひ「えっと、さっきもお伝えしましたけど」
ひ「期限は2022年9月15日です」
ふみ「うん。そんで今日は何日?」
ひ「2022年9月3日です」
ひ「えっ、ふみさんって日にちわからないんですか?カレンダー読めないとか??」
ふみ「おれが読めないのはおまえの行動原理だっつーの」
ふみ「なんだ、10日と少しあるんだな」
(ふみ、ホッとする)※ホッとする基準がおかしくなっています
ふみ「………」
ふみ「まあ、やっと仕事ができるってわけだ」
ふみ「よし」
ふみ「なんでこういう状況になったのか、続きを書け」
ひ「あの…、もしかしてふみさんの仕事ってわたしに"書け"っていうことだけなんじゃ…」
(ふみ、ギロリ、めぢからビーム)
ふみ「い・い・か・ら・書・け」
ひ (ちょうビビる)
ひ「はい!書きます」(すなお)
ふみ「よし。GO」
◇
ある日突然、わたし・しげむらひこのは約10日後の2022年9月15日までに28万円を稼ぐことになった。
その火蓋が切って落とされたのは、ほんの数日前の9月1日のこと。
前回の続きになるが、わたしは呼びかけに応じて集まってくれた家族(父・母・弟)に話を切り出した。
ちなみに、状況はこんなかんじ。
①ここ2ヶ月の間で急速に足腰が弱ったわたしの父は、家の中でも歩行補助器なしでは移動が難しい。
また、排尿コントロールがほとんど利かなくなり、そのために使う用具がこの短い期間で2回変わった。
新たに「自己導尿(排尿の度におちんちんの先に管を入れて、溜まったおしっこが出るのを誘導すること)」での排尿に切り替わって今日で4日め。
②排尿に加えて排便でもうまくいかないことがあり、これまでの頑張りと疲労も重なって、父はかなり参っているように見える。
③トイレットの清掃とシーツや衣類洗濯の回数が増えて、あちこちが以前より小綺麗な雰囲気ではあるけれど、その維持がそろそろほころびてきた。
③介護福祉サービスの方々や各医師とのやりとりはあるが、生活における細々とした改良と家事は現在父と二人暮らしのわたし一人にすべてかかっていて、わたしもかなり心身共にくたくたのへろへろ。
元々だったけど、ほとんどあたま回っていない状態。
→そんな中、父とわたしは『別宅で暮らす母に助けを求めて協力してもらおう』という点で意見が一致した。
◇
ひこの(以下「ひ」)「うあー、ふみさん…」
ふみ「どうした」
ひ「書いててしんどいです。胸のあたりがつかえてきました」
ふみ「うん。正直読んでても楽しくねえな、この文章は」
ふみ「またしても笑い転げポイントゼロだ」
ひ「………。この状況を上質の文章エンターテイメントにする技量がいまのわたしには無いようです」
ふみ「まあ、ただの状況説明の箇条書きになってるもんな」
ひ「ああー…、(もうやだなあ)」
ふみ「へたくそついでに、おまえのことも簡潔に書いとけよ」
ふみ「背景を説明しとかないと、どんな舞台でどんな劇が繰り広げられてんのかわかんねえじゃん」
ひ「!?」
ひ「げき!!?え…、これって劇なんですか?ふみさん」
ふみ「え、そうだろ」
ふみ「だっていまおまえ、めっちゃ楽しそうじゃん」
ひ「……!?」
ふみ「"めっちゃ悲劇のヒロイン設定コレキタ!!!"ってうはうは♪してんじゃん」
ひ「え、わたしはくたくたのへろへろで」
ふみ「それがおまえの舌舐めずりするくらいだいだいだいだい大好物☆のじぶん設定なんだろ?」
ひ「そうか。現実とは本人の望みが既にすべて叶っている世界なんだって…、まさみちさんが言ってたやつだ」
ふみ「そう。だから」
ふみ「おれはこの好んでめそめそじめじめうだうだぱくぱくし続けてきたドM変態中年女に、どういうわけだかあと10日で28万円稼がせるはめになったってわけだ」
ひ「あと10日ちょいですふみさん!!」
ふみ「おれの評に微塵も異論無しかよ(笑)」
ふみ「まずはおまえのことを書け」
ふみ「おまえは何者だ?」
ふみ「しげむらひこのは毎日何して生活してきた人間なんだ?」
ひ「え……」
ひ「えっと、それは」
ふみ「うん」
ひ「わたしは…」
〈つ・づ・く☆〉