建設業向けサービス助太刀での3年分、重要だったと思うことを3つだけ共有する
こんにちは、建設業向けのマッチングサービス「助太刀」でマーケティングを担当している藤田です。このnoteは「モバイルアプリマーケティング Advent Calendar 2020」の22日目の投稿です。
企画から運営まで、稲田さん素敵な機会を作って頂きありがとうございます。そして参加されているみなさんのとても参考になる記事をありがとうございます。私も参考にさせていただきながらnoteを書いています。
自己紹介
まず私の自己紹介と助太刀について事業紹介させてください。弊社は建設業で働く方々向けにマッチングサービスを中心に、工事代金のファクタリング、工具レンタル・修理などを提供しています。
私は、主に請負マッチング領域の個人事業主向けアプリとSaaS型の法人向けのマーケティングを中心に担当しています。建設業のバーティカル領域のマーケティングどんなことしているかについては、先日伊藤さんとMobileUpdateに参加させて頂いたので聞いてみていただけると嬉しいです。
どんな内容
「建設業向けサービス助太刀での3年分、重要だったと思うことを3つだけ共有する」について書いています。一丁前に何をいう、という部分もありますが、優しく見守っていただけると幸いです。
私は、助太刀にジョインしてまもなく3年が経過しようとしています。現在も我々は成長過程の途中にありますが、建設業で働く方々の事業成長に少しづつ貢献できていると感じています。私もここに至るまでに多くのことを先駆者から学び今にいると強く思うので、モバイルマーケティングの発展を考えた時に、再現性のあることを還元していきたいという思いからです。内容のクオリティはどうあれ、面白いと思ってもらえれば嬉しいとおともに、これからマーケティングに関わる新しいチャレンジの後押しになれば幸いです。
提供価値を高めるプロダクトUX
まず仰々しい見出しをつけていますが、プロダクトを磨くことと、それをどう進めるかという部分のお話です。弊社は2019年にGoodPatch(訂正:Goodpatch)さんにご一緒していただき助太刀のフルリニューアルをしました。
プロダクト自体がとても素晴らしいものになったのはもちろんですが、私はそのプロダクトになるまでのプロセスが我々に変革を進めていただいたと感じます。このプロジェクトを通じて得た経験は、自社にも輸入されリリースにまでのステップとして雛形になっています。
❶ プロジェクトのゴール設定
❷ 課題マップの作成
❸ ユーザーインタビュー
❹ ペルソナ/カスタマージャーニー作成
❺アイディエーション
❻プロトタイピング
❼ユーザーテスト/ブラッシュアップ
❽開発
全体像の進め方は、同じくGoodPatch(訂正:Goodpatch)さんの記事が近いと思いますので、ぜひ見てみてください。
「こんなの当たり前だろ!」と思われるかもしれませんが、私はできていませんでしたし、1回はやったけどそれっきり、知ってはいてもどこかやりきれていないってこと、実はあるのではないでしょうか。いざやってみると難しいのです。当時私はユーザーインタビューをするためにアポイントをとるためにユーザーさんに電話し、日程調整し、どう聞く、何から話す、どう検証するの一連の繰り返しついていくことで、ようやく身体に馴染んできたように感じます。
特にこの一連のプロセスでいいなと思うところは、プロジェクトメンバーでこのプロセスを通じて、相互に理解し、方向性を揃え、優先順位が明確になることだと思います。そのプロセス自体がチームの一体感にとても重要なプロセスだと思うようになりました。
課題の洗い出しができたあとはインタビューについてです。インタビューも以下のものがとても参考になります。(引き続きGoodPatch(訂正:Goodpatch)さんのコンテンツありがとうございます)
私はここまで厳密にフォーマットを用意しているわけではなりませんが、かならずプロジェクトとして❶プロジェクトのゴールと❷ 課題マップの中から課題の有無・大きさを判断できる質問を箇条書きで用意する必要があります。仮説として課題感が大きいだろうと思っていたものが、課題としては存在していなかったということも多々ありますが、質問として網羅していることが大事です。
現場で意識をしていることは、アイスブレイクとして必ず今のお仕事の内容をたくさん聞くようにしています。我々もそうですが日常のほとんどを時間を仕事につかっているので話しやすいですし、私も単純な興味として質問をしていくことができるからです。お互いに初めて会うというのは緊張します。お互いにノッてきたというという状態に早く到達するために、自分の言葉で話しやすいなと感じます。そして基本的には対面でインタビューをするようにしています。もともとGoodPatch(訂正:Goodpatch)さんがそのようにしていたからという前提でありますが、どういった方なのか対面だと多くの気づきを得られるからです。
当日は会話をしながら質問をしていくため、完全なスクリプトを一文一句確認することは難しく、質問表として用意するドキュメントはなるべく単的なものがいいと思います。敬語まできちっとしたスクリプトを用意する必要もありません、その場で話す時に変換しましょう。
そして最後に、感謝を忘れない。お互いに対面で知っているという強さと安心感がその後も大きな助けになります。いつも助けられています。
まとめ
・プロジェクトのゴールを明確にする
・課題マップをプロジェクトメンバーで洗い出す
・質問項目は文章ではなく、単的な質問に箇条書きに
・ほしいものを聞くのではなく課題の有無と代替手段を確認する
・バックボーンから教えてもらい質問の幅を広げる
・後から振り返りができるように音源と写真を撮らせてもらう
・その後の感謝とお礼を忘れない
機能よりも価値を伝える
もともと弊社のサービスは、助太刀プロという有償機能としてのサブスクリプションプランからリリースし、昨年、法人向けプランにサービスをリリースしTHE MODEL を模範としてセールスプロセスを構築しています。リリース時は、当初提供する価値自体は人手不足の解消やマッチングというものはプラン関係なく本質的には同じもののため、機能的なメリットの訴求が多くなっていたように思います。
これがまさに!って画像が見つからなかったのですが「検索項目が18項目に増える!」「現場の掲載数が増える!」「スカウトメッセージが〜」といったポイントを主に押していました。それも特徴の一つとしてあるのも事実なんですが、実際ご契約いただいた利用者は、機能的な違いは認知をしておらず、加えてご契約に至るにあたりもっとも重要なポイントではないことがわかりました。まさに昨年のSaaSビジネスアドベントカレンダーで坂本さんが書かれていた内容だと思いました。
彼らにとっては、Smartly.ioが「自分たちにとって」どんな良い変化をもたらしてくれるのか、にしか興味がないんですよね。当然。
そして「Smartly.ioがもたらしてくれる良い変化」は、いくら機能を並べ立てても伝わらない場合がほとんど。どの機能を使って、どんな課題を解決すれば (高いゴールに到達するためのギャップをどうやって埋めれば) どんな輝かしい未来が待っているのか、をイメージしてもらわないといけないのです。
もともとサービス機能を中心に説明していたサイトですが、最近では、機能的ものの主張を一歩下げて「出会える」「会話できる」「管理できる」といった得られる体験・価値を前に出すようになりました。プロモーションも同様に、得られる価値・事業成長に関するメッセージが中心になってきています。
しかし、ご契約いただいてからも機能としての理解は不要なんだっけ?というとそうではなく、成果を享受してもらうためには必要な機能な場合もあります。まさに岩田さんがおっしゃっているカスタマーサクセスやプロダクトのオンボーディングプロセスを通じて、顧客体験サイクルを回すということが重要なんだと思うようになりました。
ここからは、その流れで顧客体験サイクルについて弊社の取り組みについてお話したいと思います。
顧客体験サイクルを磨く
モバイルアプリアドベントでも岩田さんやがnoteにしていただいていますが、弊社もこれを意識しながらプロダクトアップデートを進めてきました。
助太刀は、助太刀のコア体験である「見つける」「会話する」「受取る/支払う」が主な提供機能です。
実際にマッチングにおける体験サイクルを回すにあたり、以下のように設定しています。※受注者を例にした体験サイクルです。
こちらの設定に到るまで、「マッチングサイクルはこれが理想という仮説」と「数値における最初のキーアクション」を特定する必要があります。助太刀の場合は、まず「プロフィールを充実させる」というアクションが体験サイクルに入るためには必要だということが分かり、アプリ登録からプロフィール充実までのオンボーディング改善を長らく取り組んできました。これは終わりがなく、いまもずっとつづけていることです。
特に今回のアプリマーケティングアドベントカレンダーのnoteで岩田さんが書かれている内容でとても共感するところはこちらです。
つまり価値を感じるまでの時間Time To Vale(TTV)を短くする事に等しいのです。
我々のサービスは「プロフィールを充実させる」を充実させることで、仮に今すぐ利用する必要がなかったとしても、プロフィールが充実していることで、多くのメッセージを受け取るきっかけになります。助太刀を利用すればマッチングできるという期待が得られます。そのため、リテンションに寄与するマジックナンバーとなりうるアクションが上記のサイクルがすべて該当していたとしても、「プロフィールを充実させる」というアクションを最初にとってもらうためのコミュニケーションを優先しています。
まとめ
・機能より価値を伝える
・とはいえ機能は成果を出すために活用が必要、サポートする
・顧客体験サイクルを定義し摩擦を減らす
・続ける
最後に
モバイルアプリのマーケティング情報はまだまだ国内では少なく、各事業者が手探りながら毎日ユーザーと向き合ってアプリを改善していますという前置きですが、これまでのnoteも踏まえてとても多くの先駆者の方々によって有用なコンテンツ化された記事があるなと思いました。
稲田さんが書かれているアプリ外体験の話や伊藤さんのプロフェッショナルサービスのnoteもそうですが、モバイルアプリとその外も含めた体験設計をセットになりつつあり、デバイスや手法は変わりつつ本質的なアプローチは同じで同時並行で開催されているアドベントカレンダーもとても親和性のあるお話が多いなと感じます。
「アプリでできることはここまで」と定義すること自体も実はもっと先までコミットしてく必要があるのかもと思うようになりました。我々もまだまだ先があるなと思うととても楽しみです。
アドベントカレンダーも終盤になりますが、2020年最後までよろしくお願いします!
最後に宣伝
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