桜咲いた咲いた、ステテコシャンシャン
満開だった桜が、そよ風でひらひらと舞うように散り始めた。潔く散るというところに魅力を感じる人も多いようだが、私にはハラハラ散るというところが好ましい。あんなに咲き誇っていた花びらが、かすかなひと風で一枚一枚枝から別れ、くるくると回りながら落ちる様は、小さな蝶がダンスをしているようだ。
南の海では、台風1号が発生したという。春の嵐が来ると、白い衣を一気に脱ぎ捨て、やがて淡いグリーンの若葉がまた私たちの心を癒してくれるだろう。
なぜ桜が日本人にかくも愛されたかは、日本風土に溶け込み、日本人の人生観とマッチしているからだといわれている。もののあはれとか、はかなさとか、潔さ・・・等々。しかし、奈良時代の万葉集の頃は、花と言えば梅を指していたようだ。桜が花の代表になったのは、平安時代の古今和歌集からとの事。
昔・・・と言ってもわが青春の頃だけど、大学入試合否の連絡は、「サクラサク」「サクラチル」の電報だった。主に早稲田で使われたようだ。その頃はカラオケなどなく、下宿屋の狭い部屋で輪になって歌ったのは寮歌や応援歌、そのなかになぜかこんな歌を歌った記憶がある。
「春が来たかよ、街にも山にもサ~
桜咲いた咲いた、ステテコ・シャンシャン
どんぶりばちゃ浮いた浮いた、ステテコ・シャンシャン」
桜とステテコとどんぶり鉢には深遠な関係がある、ということがわかる。
鳥肌が立つような古い昔の話だ。