紫陽花の咲く頃
梅雨には紫陽花が良く似合う。濃い緑の葉先から、銀色の水玉が今にもこぼれそう。
権現堂の土手には、紫陽花が咲いていた。
空色のもの、藍より青い青色、ピンクにむらさき、真っ白の花もある。
「七変化」とも言われている紫陽花だが、色は土壌の酸性度(ph)によって決まるという。
酸性の土地には青色、中性・アルカリ性の土壌なら薄紅色やピンクになる。
この色の変化の為か、花ことばのひとつに「移り気」なんて呼ばれているようだが、家族の結びつきのように見えるので、「一家団欒」「仲良し」とも言われている。
むかし、シーボルトが日本原産のガクアジサイを、欧州に紹介したそうな。
欧州で品種改良され、日本に逆輸入されたのが、よく見られるまあるい形の紫陽花だそうだ。
坂村真民の詩にこんなのがある。
「あじさいの花」
まるくまるく
形のよいものに
なろうとする
やさしい心の
あじさいの花
きのうよりも
きょうと
新しい色に
なろうとする
雨の日の
あじさいの花
梅雨の季節、雨の中、心が沈んでいる時、紫陽花の澄んだ色に出会うと勇気が湧いてくる。
この年寄りも、もう少し生きてみようか・・・。