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医療の値段と保険診療

本日は、「医療費の仕組み」
について記してみます。
一般の方(初心者)向けの内容ですので、
ご了承下さい。
でも、コメディカルの方って、
意外に知らないんですよね。


医療費の中には「保険診療」「自由診療」
があり、両者を混在して診療することは原則
できません。


「保険診療」とは「保険証」を使って診療を
受ける仕組みで、日本国民は全員何かしらの
「医療保険」に入ることが義務付けられてい
ます。(国民皆保険制度といいます)

ここでいう「医療保険」とは、
「社会保険(主に中小企業にお勤めの方が
入る、協会健保の保険)」とか
「健康保険組合(主に大企業にお勤めの方)
や共済組合(公務員)の保険」とか
「国民健康保険(自営やお勤めしていない方
が入る、市町村の保険)」のことで、
生命保険会社が売り出していて任意で入る
「がん保険」や「医療保険(入院したら1日
〇〇円)」とは違いますのでご注意を。


さて、ここからが本題です。
私たちは病気になったり、怪我をしたときに
病院やクリニック(診療所)を受診します。
その時に受付で「保険証」を出します。
これが「保険診療」で、治療にかかった費用
の一部を負担するだけで診療が受けられる
仕組みが「保険診療」です。
例えば、会計時に渡される(診療報酬)明細
書に記載されている点数(1点10円です)
の合計が1,000点の場合、かかった
医療費は10,000円になります。
負担割合が3割(割合は保険の種類や本人か
家族かで異なります)の場合、個人で支払う
のは3,000円で、残りの7,000円は保険者
(健康保険組合や国保)が負担します。



「保険診療」の価格はどこでも同じで、
2年に1回見直されます。
(これを診療報酬改定と呼びます)
つまり、医療の値段は国が決めていて、
保険医療機関(保険診療を行う医療機関で、
ほぼ全てがこれに該当します)は
それに従っている訳です。

これが曲者で、東京の銀座の病院も
僻地の病院も「診療報酬=医療の値段」
は基本的に同じです。

さらに、手術料に関しては、どこで、誰に
受けても全て同じ値段
です。
世界的な権威の名医が手術しても、
少々難ありの先生が手術しても、
その値段は同じです。
しかも成否は問われません!


銀座の高級寿司店と回転寿司店が
同じ値段ってありえませんよね!

でも、医療の世界では
これがまかり通っています!!


なぜ、こんなことを書いたのか、
その理由をお伝えします。


それは、自分たちのいる環境を
知ってもらいたい!
からです。

コメディカルの特性として、自分の関心
領域の事は一生懸命勉強します。
でもそれ以外は無頓着な方が少なくない!
自分たちの領域だけ頑張る!
それでは通用しない時代に
なってしまいました。


乱暴な言い方をすれば、
「価格表」はどこでも同じなんです。
そんな中で、実入りを増やすには、
どうすればいいのか?
地域医療を守り、良質の医療を提供
するには、何が必要か?


拙文が、そんなことを考える
きっかけになれば幸いです。



ちなみに「自由診療」の代表は美容医療です。
だから値段は施設によって異なるのです。
高い値段で、結果が伴わなければ潰れる!
或る意味当たり前の「世界」で戦っている
業種ですね。


台風10号の影響が、いたるところで
出ています。
どちら様も「ご安全に」




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