30時間の勉強でPMPに合格する方法
前書き
2021年11月21日、PMI(Project Management Institute)が実施しているPMP(Project Management Professional)試験に合格しました。
記憶が新しいうちに体験記を残しておこうと思います。
他の方の体験記やYoutubeを見た限り、かなり楽にPMP取得できた方だと思います。
誰かの参考になれば嬉しいです。
PMPの概要などについてはその辺に転がってるので省略します。
大変価値のある資格らしいです。(果たして私の給与への影響はあるのでしょうか…)
資格取得背景
これまでゲーム業界でディレクターやPMとして働いてきたのですが、特にスマートフォンゲームの進化は目覚ましく、7年前は5000万とかで作ってたのが今ではヒットを狙うタイトルなら数十億規模は当たり前。
そんで、ゲーム業界のプロジェクトマネジメントなんてものはまぁ適当なんですよ。
「5000万で作ろうとしてて、ミスったから1億かかっちゃいました」は許容できるとしても「20億で作ろうとしてて、40億になっちゃいました」は大手でも割とキツいんですよね。
ってことで、プロジェクトマネジメントによる損失ってのは日々大きくなってきているわけで、まぁ会社的にもここは良くしていかないとねってことで。
とりあえず社内で知識を浸透させていくための動きをするのにそれっぽいもの持っとこうってのが動機です。
国際資格って、それっぽいから。
受験までの流れ
どうでもいいこと書いちゃったけど、こっから本題。
2021年10月10日 思い立ち
先述の理由で、PMP取らなきゃなーと思う
受験に必要なこととか、色々調べる
2021年10月16日 35時間研修修了
とりあえず受講先は常にセール期間でおなじみのUdemy
2000円の受験資格を満たせるコースにしました(35PDU≠受験資格ではないので注意)
1週間で35時間ってことは、1日7時間?
そんなにやれるわけない;;
あ、でもUdemyは動画なので仕事しながら聴いたりできるのはいいですね。
ここのポイントとしては、Udemyは自己判断で修了判定ができるということ。
金銭面の都合で、英語がわからないのにUdemyの日本語がない講座を選択するしかなかったんですがこの仕様は助かりました。
最初は翻訳しながら小テストなど解いてたんですが、動画でもテストでも全てがスキップできることに気が付いてしまいました…恐ろしい
動画視聴やテスト受けたかどうかは関係なく、最終的には修了証明書を発行できます。
Udemyの仕様としてそういうことが可能 ということだけ、伝えておきたいんだ。
2021年10月17日 PMI登録
ここまでほぼ何もしてないに等しいのだけれど、まだなんとかやる気まんまんだったので、勢いでPMIでアカウント作成。
PMP試験の割引があるから会員にもなりました。
何故か日本支部の会員にもなってしまいました。
ホームページ見ればわかると思うけど、日本支部はほんとになんか、うん、はい。
支部会員になるとツールのテンプレとかもダウンロードできるんですが、すごい昔にリスク登録簿のテンプレートが公開されてるだけで、驚きでしたね。
後から本部にも追加されるかもだけど、PMBOK 第7版の日本語訳のpdfが日本支部では無料ダウンロードできる。
価値はそれくらいかも。
2021年11月28日 試験申し込み①
なんと、受験資格を満たしてから申請まで1ヵ月以上あいている…!
この間何をしてたかというと、何もしてないですね
ただただ仕事に追われてました
なんで急に申し込む気になったかというと、PMBOK 第7版がきたからです。
受験範囲が変わる前にとっときて~!って気持ちでした。(ここまで勉強してないのに何言ってるんだ…?と今はなってます)
とりあえず申し込みしました。
思ってたより簡単でした。(なんかサイトが使いやすくなったらしいネ)
PMの職務経歴はプロジェクト3つ書いて、まったく英語ができないわけなんだけどもGoogle先生に翻訳してもろて、楽ちん、いい時代ですね。
明らかにおかしいところはちょちょいと変える。(その明らかにおかしいところの判別は恐らくできていない)
メールがこなかったんで気付かなかったんですが、一週間後くらいにPMIのマイページみたら、審査通りましたーって書かれてました。
受験申請の有効期限見た限り、各所の情報通り5営業日で通ってたっぽい。
2021年12月3日 勉強開始
こっからようやく勉強開始ですわ、だらだらやってるなあ。
ネットの合格体験記によると、大体150~200時間くらいの勉強時間が一般的だったので70時間くらいあればいけるかな、と考える。
他の検定や資格の時もそうだけど大体1/5~1/2くらいの勉強時間で済むことが多いので。
ってことで毎日2時間勉強して、1月中旬に試験を受けるというイメージをする。
思い立ってからここまでなんでこんなに志の情報が残ってるかというと、LINEで友人にわざわざ報告してるログが残ってるから。友達は大事ですね。
2021年12月3~11日 勉強前半
結果的に、勉強期間は合計で約2週間半になった。
もっとガッツリ追い込む予定だったけど、1週間やったら虎の巻が終わって、もう勉強することないのでは…?となったため。
意外と手続きに時間がかかったので、そのタイムラグでもう少し追加で勉強して合計2週間半といった感じ。
勉強に使った教材と、内容
●PMBOK 第6版
あまりにも長すぎるし、文章は頭に入ってこないので流し読み…
●アジャイル実務ガイド
これは200ページ程度で短かったけど、まぁそんなに驚くことは書いてなさそうだったので流し読み程度
●PMP試験合格 虎の巻
Amazonでのレビューが良くなかったので迷ったけど、正直新試験に対応してるまともなテキスト教材はこれくらいしかない
結果的には普通に良い内容だった
内容はPMBOKよりわかりやすいし、演習問題も役に立った。
アジャイルについては設問が少なかったけど、ないよりはマシ。
これが模擬試験まで含めて1週間で終わってしまい、他に手頃な教材もないし、やることがなくなり、試験に申し込むことにした。
●プチまな
これは後半で紹介
虎の巻の模擬試験は正答率67%だったけど、模擬試験でまた賢くなったわけだし、自分の中では7割くらいの完成度にはなったかな、って感じだった。
4時間の試験ってのは流石にキツくて、時間配分は大丈夫そうだったけど後半集中力がもたないのが課題な感じ。
それも模擬試験でわかったのがよかった。
ここまでで勉強時間は大体18時間ですね。
1日2時間の目標は、サボった日もあったけど模擬試験の日に取り戻した形でした。
2021年12月13~15日 試験申し込み②
そんなこんなでなんかもう勉強が終わった気になり、PMIで受験申し込む用のアイテムを購入した、4万ちょっと?あまりにも高い
いまの練度で試験受けて4万溶かす可能性には震えたけど、過去問とかもないんだし、しょうがない。
調べれば調べるほど「計算問題や暗記問題はまったくといっていいほどない」「PMIイズムによって、どう行動するかって問題だけ」って話が出てくるので、公式やITTOの暗記をする気もなくなってた。
結果的に、やっぱりしなくてよかった。
気を付けて欲しいのが、アイテム購入しても、すぐには試験をスケジュールできないこと。
私の場合は、IDの反映まで時間がかかったので2日あけました。
翌日には反映されてた気がする、バグかと思って焦った。
あと昔の情報だとアイテム購入時に言語選択があるって書いてあったから、それもなくて焦った。
今はピアソンで試験会場と日程を決めるときに言語は選択します。
そして満を持してピアソンで申し込み。
直近で受けれそうだったのが翌週だったので、21日(火) の帝国ホテルタワーの会場を申し込みました。
2021年12月16~20日 勉強後半
ってことで、本番まで勘を鈍らせたくなかったので何やるかなーと検討したところ、合格体験記で「プチまな」ってのをよくみたのでそれをやることにしました。
合格編の問題集申し込んで、確か月額550円だったと思います。
アジャイルの問題もたまにあるし、プロセスは全て網羅されてるので、確かによかった。
よかったけども、欲を言えばもう少しPMP本番みたいな問題にしてほしいかな。
ツールを問う単純な問題は本番ではほとんど出ないので「あ~やっぱり違いすぎる~」って結構試験開始直後は絶望してました。
5日で600問解きました。
大体どれも10問中6~9問の正答率だったので、合格ラインが60%ってのが変わってないなら、もはや落ちることあるか?ってなってました。
時間は大体10時間ちょっとくらい。
なので、勉強時間の合計は前半と合わせて約30時間です。
結構効率よくやれたんじゃないですかね。
試験当日
2021年12月21日、いよいよ本番です!!
9時起床、朝はちょっとだけプチまな解いたけど、本番に集中力とっとこ、と思ってTwitterしてました。
12:30が予約時刻でしたが、30分前には必ず着いててくださいってことだったのでとりあえず1時間前に会場の帝国ホテルタワーには着きました。
心配性なので、空港とかもめちゃくちゃ早めに着いちゃうんですよね。
事前のトイレ
トイレに行きたくなったので、帝国ホテルプラザとかぶらっとしました。
すごい誰もいなかった、高そうな店ばっか並んでて、すごかったなー。
トイレもめちゃくちゃ綺麗でした。
ちなみにプラザでトイレ探さなくても、普通に会場の帝国ホテルタワー18Fでトイレいけました。
他の方の体験記で(違う場所で)エレベーター出たらそのまま会場でトイレに行き損ねたって方がいたので一応別の場所で探しました。
会場入ったらやること
45分前くらいに会場入りしました。
他に女性の方が1名いるだけで、全然空いてた、まぁ平日の昼ですしね。
なんか受付の人なんて言ってるかあんまわかんなくて怖かったなー。
中国系の男の方でした。
①名前を教えてくださいって言われるので言います
②同意書みたいなのを渡されて、読みます
読み終わったら伝えます
③ケータイの電源切ってることを確認され、バッグに入れます
④身分証を出してくださいって言われるので出します
ローマ字表記がないとダメなのかな?って思ったんですが運転免許証のみでいけました
⑤サインします
電子ペンでのサインで、自分が書いた文字はつないであるPCにしかでないやつ、ペンタブみたいな感じ。
iPadにサインするみたいな感覚で書いてたので「どうやったら書けるんですか?」とか聞いて恥ずかしかった
⑥写真を撮られます
座ってとるだけです、30秒くらいで終わります
⑦ロッカーのキーを渡されます
カバンには触れれないので、休憩時に飲み食いしたいものがある場合はわけといて、みたいなことを言われました
⑧ロッカーに荷物入れる
⑨案内されてボディチェック
PCルームの入口でポケットなどのチェックがあります。
全部のポケットを裏返しにするように指示され、見せます。
ジーパンの尻ポケはパンパンって叩くだけでOKでした。
その他ジーパンの足の部分パンパン叩いてって、足首軽くめくります。
パーカーの手首の部分もめくります。
パーカーはフードを被って見せるように指示されます。
結構適当な感じでしたが、それでもセキュリティの厳しさ感じますね!
カンニングでどうこうなるような試験じゃないやろ、って内容ですけどね。
⑩入室
入室の際はA4くらいのプラスチックのボード数枚とペンを渡されます。
よく「消せないホワイトボード」って書かれてるのをネットで見て「なんだそれ?」って思ってたんですけど、初めてみるタイプのものでした。
消せるとは思うんですが、消すアイテムはもらえないんですよね。
まぁ、消したいと思うほど使うことはないと思うので大丈夫です。
私は「試験残り時間何分までにどのくらい解いて、何分見直しする」って試験の流れを試験始まってから書くのに使ったくらいです。
全然マーカーのインクつかなくて腹立たしかった、誰も使わないんでしょうね。
あとは、耳栓とティッシュも必要か確認されます。
どっちも受け取りませんでした。
チュートリアル
最初にチュートリアルがあります。
マウスの使い方から始まり、試験用の機能
・電卓
・メモ
・見直しフラグ
・ラインマーカー
・打ち消し線
についての説明です。
このうち電卓とメモは一度も使いませんでした。
見直しフラグは便利で、つけていると後からフラグつけてる問題だけを見直せます。
迷ったら適当に答えてフラグチェックがいいですね、悩む時間と集中力がもったいないので。
ラインマーカーは集中力が切れてきたときに使いました。
なんか、何回読んでも問題文が頭に入ってこないことありません?
その時に重要なポイントに引く感じで。
打ち消し線はかなり使いましたね。
とりあえずこれはないだろって選択肢を消します。
4択なのに4つとも消しちゃった問題もありました。
試験内容
試験の内容については、機密事項なので細かくは書けないのでポイントと所感を書きます。
①ほとんどの問題が「プロジェクトマネージャーとしてあなたは何をしますか?」
まず、虎の巻やプチまなの問題と全然違います。
内容に応じてツール名を答えるような単純な問題は3問あるかないか、というレベルだったと思います。
しかも、内容に関しても本番のほうがより微妙なラインの内容が多く、わかりづらかったです。
基本的には「行動するより先に確認」「行動の選択の場合はコミュニケーションを優先するもの」って基準で回答しました。
ITTO覚えなくてもこれだけ覚えとけば戦えます。
②問題文は2~4行程度
長くて5行です。
しかも1行は「プロジェクトマネージャーとして~~~」に使ってたりするので、問題文が長すぎて時間がなくなるってことはなかったです。
プチまなの方が問題文長いやつがあったくらいですね。
②2つまでは絞れる
前情報で「2つまでは絞れるんですよね」ってのを結構みてて「そんなことあるかな~?ちゃんと勉強してたら選択肢がそんなに2つ残ることあるかな~?」と思ってたんですが、これはマジでした。
どっちかになることが本当に多くて、私の場合は運もあったなーと思います。
③四択以外の問題は20問程度
まぁ、特に対策するとかは不要で、気にしなくていいレベルですね。
ドラッグ&ドロップとか、特に難しいことはないし、2つとか3つ選ぶのも結局消去法で解き方変わりません。
ドラッグ&ドロップの時は問題表示の際のローディングが少し長いので、あーくるなーって気持ちになります。
ボックス内への記述に関しては1問だけで、AとかBとか書くだけの問題でした。
組み合わせたような問題はあったかな?なかったような気がします。
④翻訳について
翻訳はたしかにわかりにくくなってるんじゃないかってところもいくつかありました。
「英文が読め」ってアドバイスも良く見るんですが、私は英語がわからないので英語のほうの問題見てもまったく意味なかったです。
それでもなんかそれっぽく英文表示は何回かやってました、多分意味なかったです。
合否に影響あるほど翻訳がめちゃくちゃなわけではないです。
⑤ラスト20問が簡単でした
正解してたかはわかんないですけど、これわかんないとやばそ~みたいな、基本的な問題が多かったです。
そういった問題がラストに固まってたのはたまたまかもしれないですが、集中力が切れかけてたので難易度が下がって助かりました。
⑥時間について
ラストが簡単だったこともあり、見直しもした上で25分余してフィニッシュしました。
⑦休憩について
60問ごとにある途中2回の休憩時間はどっちも取りました。
水とチョコを摂取して、トイレに行きました。
チョコレートは「ON」を食べました、サンキュー藤井聡太。
あとは肩回したりとか。
また戻るときにポケットチェックされるんですが、かなり適当で出したポケット戻すのが間に合わないくらいのスピードで終わってすぐ案内されます。
⑧メンタルについて
最初は「ついに始まった~!!!」と思って緊張してましたが、とりあえず試験のタイムスケジュールをメモったり、チュートリアルで紹介された機能を全部試したりしてみて、2分くらい使って落ち着きました。
最初の60問は結構難しくて「あ~~~これもう一回は嫌すぎる~~~」ってお腹痛くなってたんですけど、次の60問やってるときには緊張もとけてプチまな解いてるときの感覚とほとんど一緒だったんで「6割ボーダーの試験で落ちることあんのか?」ってくらいの気持ちでリラックスしてました。
ラスト60問は普通に仕事のこととか考えたりして、集中力は切れてましたね、マーカー機能がありがたかった。
結果発表
全て解き終わると、結果が表示されます。
僕が見てた情報では
アンケート→結果
の順番だったんで、まずアンケートだと思ってたんですが、結果が出て驚きました。
日本語で「合格しました、おめでとうございますー」みたいな文言が出てました。
その後アンケートに答えて試験は終了。
受付で結果のプリントをもらって終わりです!!
ちなみに結果は全部Targetでした、本当に過不足ない勉強でしたね。
後書き
いや~、本当に一発で合格できてよかったです。
大して勉強もしてなかったことと、過去問がある試験でもないのでとりあえず一回受けてみて内容確認しとくか、ってくらいの気持ちだったので落ちてもいいかなと思ってたんですが、受けてる途中はこれもう一回は嫌だって気持ちがめちゃくちゃ高まってました。
試験内容的には、知識を問うというよりも、考え方を問うようなものが多くて、受かる人はあんま勉強しなくても受かるけど、こういうのすごい苦手な人もいるよなーって感じでした。
PMBOK 第7版に試験範囲が変わると嫌だからって理由で急いで受けたってのもあったんですが、多分第7版になっても問題ほとんど変わらないんじゃないかな?ってくらいでした。
今の問題の内容はすでにそっちに近いです。
次は英語の勉強をがんばります!