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【NFT】国内暗号資産取引所にて施行される「トラベルルール」について(追記あり)

はじめましてのヒトは、はじめまして。
いつもの皆様、こんにちわ。
大葉さんです。

前回の記事

国内暗号資産取引所にアカウントをお持ちの皆様、3月後半に「トラベルルール導入に伴う対応についてのお知らせ」みたいなメールが届いたと思います。これは「2023年5−6月に施行される法律に準じた対応のお知らせ」なのですが、これが施行される経緯についてまとめているサイトがあまり見つかりませんでしたので、(NFTアートとは直接的には関係がないのですが)まとめようかなと思いました。

最初に釘刺しとかなきゃなって思うのですが、トラベルルールは「金融庁が推奨する制度」なので、日本国内で取引所を利用する場合は必須です。
「トラベルルールを実装しない取引所」もありますが、それは基本的に「日本国外に国籍を持つ方々向け」
です。利用する場合はそれなりのリスクがある点をご理解ください。

なぜこの記事を書いたのか

トラベルルールの概要を簡単にわかりやすく伝えるためです。法律に関する内容なので、最新の情報は1次ソースを確認する必要があります。なので、それらのサイトへのリンクも紹介いたします。

■トラベルルールの概要

簡単にまとめると「暗号資産取引所からの送受信記録を(ブロックチェーン以外の場所に)明確に記録することで、資金がグレーな組織に送信されることを防ぎ、個人資産を保護するための仕組み(※日本国内のみ)」です。

誤解を招くことを承知で、さらに短くまとめるなら「怪しいアドレスをブラックリストとして、日本国内の暗号資産取引所の間で共有する仕組み」です。

分かりやすいなと思った国内取引所のヘルプページを紹介させて頂きます。

■なぜトラベルルールが出来たの?

利用者保護の為です。

もし詐欺が発生した場合は、特定アドレス宛に複数の送金が確認されるはずです(例:スパムメールでばら撒かれたBTC/ETHアドレス)トラベルルールは、このような典型的な詐欺アドレスへの送金をストップします。

銀行の振り込み確認や、クレジットカードの決済確認みたいなものですね。

■誰が起案したの?誰が承認したの?

元は、一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)によって起案された自主規制です。

そして、金融庁によって、本自主規制を推し進めるように要請を受けました。

要請から2年経ち、2023年5−6月頃に施行される「犯罪による収益の移転防止に関する法律、政令、施行規則、及び事務ガイドライン等(以下、法律等)の改正内容」に本内容が含まれることが、ほぼ確定となりました。

つまり、今まで自主規制だったものが法律等に組み込まれるということです。約2年間あった、お試し期間は終了です。今後は対応していない暗号資産取引所は、限りなく黒になります(詳細は改正内容次第なので、1次ソースをご確認ください)

分かりやすいなと思った国内取引所のヘルプページを紹介させて頂きます。

■ブロックチェーンを見れば取引履歴は全部わかるので、必要ないのでは?

ブロックチェーンを追跡して分かるのは「どのアドレスからどのアドレスに、いつ、いくら送られたか」という情報のみです。

そのアドレスの保有者が誰なのか?については保証しません。

トラベルルールは、そのアドレスの保有者を特定し、グレーな組織かどうかを判断します。もし詐欺の可能性が高ければ、送金依頼をキャンセルすることもあり得ます。

■クリプトの精神と矛盾してない?

矛盾しているかもですね。でも、これ「日本では法律化」します。2年間のお試し期間中に様々な議論と要望は出されており、合意済みの内容です。

クリプトの精神は世界的なものだと思うので、どうしても回避したければ海外に移住すれば良いと思います、煽りではないです。実際、Astar Network(ASTR)のファウンダーである渡辺創太さんは、これらの問題を回避するために海外で起業しています。

日本に住む限り、トラベルルールは回避できないです。

■トラベルルールで提出が必要となる情報

2023年4月現在では、以下の項目が入力必須となっています。

送金先の種別(個人・法人)
送金先が取引所か否か
送金先氏名
送金先の住所
送金先の国
送金目的

加えて、送信元(つまり、自分自身の)氏名、住所、国の情報は、自動的に取引所に記録されます。

■ちょっと個人情報に踏み込みすぎでは?

暗号資産が一般層に普及するためには必要な措置です。

今回の規制は、株に例えると市場区分(プライム市場・スタンダード市場・グロース市場)の上場条件格付け、FXに例えると倍率制限のようなものです。

本来は制限する必要は無いのだけれども、ユーザー保護のために敢えて設けたハードルです。

逆にいうと、暗号資産も、ようやく株やFXと同じ土壌で検討できるほど一般化が進み、法整備が可能になったということです。両手をあげて喜びましょう、喜べ!

■メタマスク等の個人ウォレット宛の送金が規制される事はあるの?

個人利用のための送金については特に関与しないと思われます。

https://support.bitbank.cc/hc/ja/articles/4820198042393-%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%94%E8%B3%AA%E5%95%8F

ただ、送信先の個人ウォレットで大きな資金を動かしている場合は、税務署的な調査が入るかもです。

とはいえ、みなさん、確定申告しているはずなので、問題ないですよね!

■(追記)トラベルルールを運用する2大勢力

トラベルルールを実現するにあたって、世界的に2つの大きなグループが出来上がりました。

(1)アメリカのcoinbase社が主体となって結成された「TRUST」

https://www.coinbase.com/ja/travelrule

(2)台湾CoolBitX社が主体となって結成された「SYGNA」


トラベルルール導入に伴い、暗号資産取引所は上記のアライアンスのどちらかに所属する必要があります。また【重要】異なるアライアンスに所属する暗号資産取引所同士の送受信は禁止されます。

2023年5月時点の具体例をあげますと、【TRUST】CoinCheck/bitFlyer【SYGNA】その他の国内暗号資産取引所、となっている為、CoinCheck/bitFlyerと、その他の国内暗号資産取引所への送受信は受理できなくなっています。

今後、暗号資産を購入する際は、利用する取引所がどちらのグループに所属しているのか、しっかりと調べましょう。あ、どちらにも所属していない取引所は詐欺ですよ。そこのところ、お忘れなく!!


本日はここまでです。
ではでわではでわ!


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