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独立後初めての銭湯改装

独立して初めて銭湯の改装の相談があったのは独立して丸2年が経った2011年の秋でした。
奈良市内で営業されている「ほてい湯」さんです。

小春日和のお昼間だったと記憶しています。
滅多に電話の鳴らない事務所の電話が鳴り、電話に出ると「奈良のほてい湯というのですが実は改装を考えていて相談に乗ってほしいのですが」とほてい湯の女将さんからでした。
私自身は失礼ながらほてい湯さんを存じ上げていなかったのでまずは「どんな銭湯だろう」とネットで調べて、早速訪問させていだくことにしました。

近隣に朝日温泉さんがあり、朝日温泉さんに入浴してから伺いました。
ファーストコンタクトの前に必ずする鉄則なのですが
・近隣を歩き回って環境を知る
・近隣店があれば入浴して調査、体感しておく
必ずこの2つをしてから訪問するようにしています。
話題には必ず近隣店のことが上がるのでそれを知っているかどうかで話の拡がりが変わります。

初めてお会いした時には奈良の銭湯事情や今後の不安などまずはほてい湯さんの意向をお伺いし、私なりの銭湯事情を話したりして、入浴もさせていただきました。
そして、後日改めて私なりの提案をさせていただくという流れで進めました。
基本的に進め方は今も変わりません。

今でも記憶しているのが「奈良は大きな高齢者割引があり高齢者依存が高い」「これがもし無くなったら銭湯は死活問題になる」「一般価格で高齢者以外の方を増やさないといけない」ということでした。
本当にまさにその通りです。
後日談にはなりますが実際にこの数年後にこの高齢者割引は無くなり、多くの奈良銭湯が打撃を受けたのでした。

話は戻して、こうして私からの提案をさせていただき、その後はほてい湯さんのご要望とすり合わせしていきながら改装内容や運営の改革を決定していきました。
そして初めて相談いただいてから約9ヶ月後の翌2012年6月に着工に至り、7月14日に晴れてオープンを迎えました。

私にとっては独立後初めての銭湯改装の仕事でした。
それまでサラリーマン時代には数多くの銭湯改装を担当させていただきましたが、やはり独立して小林経営企画事務所として初めての受注はこれまでにない感慨深いものでした。
今でもほてい湯さんの改装初日の集客数は覚えています。
それほど初めの仕事というの忘れられないものです。

ほてい湯さんの改装工事をさせていただいたおかげでその後色んな銭湯さんから改装の依頼をいただけるようになりました。
元々、ほてい湯さんは別の工務店さんで施工された銭湯でしたし、私自身とは直接的、間接的にも接点は全くありませんでした。
そういう中で、きっと不安もありながら電話を掛けていただいたのだと思います。
この一本の電話から始まった小林経営企画事務所の銭湯改装。
本当にこの良縁に感謝し、これからも多くの銭湯改装に繋がっていければと願っています。


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