杉並区 天狗湯
2020.12.19.
今日はランニングなし。朝ランニングは気持ちいいのだが、遅く起きてしまうと、いろいろ予定が狂うなあ。
朝ごはんの後に家人と新宿に行き、伊勢丹やアクタスをパトロールして、新大久保でホットックなどおやつをぱくり。夕飯まで、一旦の別行動を挟むことになり、そそくさと西荻窪に向かう。
駅から商店街やらカフェやらをてくてく、途中で和菓子屋さんで大福を買いつつ、かわいい外観を見つけつつ。
10分弱で到着。
フロントで例によって回数券でお支払いし、スタンプをいただく。よく見ると、フロント脇には本や名入りタオル、グッズなどが並んでいる。とても工夫している銭湯なのだなと思いながら、女将さんに姉妹店について聞くと「この後息子が来るから、聞いてみて」とのこと。「三代目が店潰す、なんていうけど、どうかしらねえ」とお母さん。あ、はい。承知しました!私は何もいってないよ。まずはお風呂に入らせていただきます。
脱衣所は、結構広々。真ん中の畳敷きのベンチで休憩している方も多い。きっと感染症拡大前までは、常連さんたちみんな、お風呂上がりにゆったりおしゃべりしていたんだろうなあ。
浴場は、結構な賑わいで、手前にカラン、右手に三口の立ちシャワー、奥には左からぬるめのミルク風呂、やや熱めのバイブラとジェットバス二席、森林浴風のやや熱めのお湯、そして水風呂。おそらく水風呂は改装後に増築したと思われる。なぜなら、通用口が半分見えるのだ。今はどうやって通っているのだろう。水風呂の手前には石が敷かれていて、足裏マッサージもできそう。私は歩いても全く痛くなかったので、身体は問題ないのかも。いや、そんなことはないか…。壁面は、両側はモザイクタイルで熱帯魚が、そして正面は額に入った丸山清人さんの富士山のペンキ絵だ。額に入っているのは珍しい。そして、絵の下には現役の広告枠が並んでいる。近くの飲食店や名刺制作など、ちゃんと現役で機能している広告が並んでいるのは初めて見たので、ちょっと嬉しい。
ミルク風呂は「東京銭湯」の記事によると、小杉湯のスタイルを取り入れたのだそう。小杉湯よりはやや薄めだけれど、肌に優しいお湯でぬるめなのでいつまでも入っていられそう。また、どの湯船にもいえるのだけれど、段差があるところに注意書きがあったり、底にお尻を預けても肩までの高さなので、長湯を楽しんでいるお客さんが多いようだ。森林浴は、ミストこそ出ていないものの、温室のようで普段は扉が閉められて、サウナのように使われていたのではないかな。ちなみに今日は感染症対策、ということで扉は開放されていた。そして、端っこの水風呂。手前と奥とに腰掛けがあるので、ゆっくり肩まで浸かったり、脚だけを入れたり、他の湯船と行ったり来たり、温冷交互浴が捗る。
お風呂を上がり、さっと着込んでフロントに向かおうとすると、ムム!只事ではなさそうな貼り紙を発見。嘘だと思ったら、自分の目で確かめて欲しいのだけれど、これは女湯のみに貼られているそう。要約すると、「マイルールによる他のお客さんへの注意や指摘、威嚇などする人は、出禁にする」というもの。これは、聞き捨て、というか、読み捨てならないよね?
というわけで、受付を交代されたばかりの三代目の店主を事情聴取。こちらは、新潟出身のおじいさん、おばあさんが戦前に上京後、現在の品川区、当時の荏原区で銭湯に勤めて、のちにこちらにあった銭湯を買い取り、経営スタートをなさったそう。開業は昭和29(1954)で、昭和44(1969)年の建て替え時に屋号が「天狗湯」になった。
さて、本題に。
「清々しい貼り紙ですね!」というと、「前に、初めてのお客さんが来た時に、常連のババアに意地悪されて、泣いて帰っちゃったことがあって」なのだとか。「結構強い口調だったので、ハッキリしていていいなと思いました」と伝えると、「はじめはもう少し遠回しにだったんだけど、伝わらなくてね」と。そうなんだよね、伝えたい人には、伝わらないのよね。「もう、ほんとそんな客迷惑でしかないよ。来んなよ、って俺ならいっちゃうんだけど」と。私自身の経験、ここの近くの「秀の湯」での水掛けられて掛け返した件を話すと、「あそこも、クセが強いババア多そうだよね」だって!
お遍路をしていると、思うこと。たくさん回ってはいるけれど、ほとんどのお風呂屋さんに訪れるのは一度きりだ。その点、マナーが良かろうと悪かろうと、毎日通って、しっかり貢献しているのは、彼女たち。「だから、なかなか注意もできないし。もう行かない、と決めるのは簡単なんですけど、お風呂はいいのにもったいないなって」と葛藤を伝える。
「今度、あの貼り紙、友だちにも見せたいので、撮りに開店時にお邪魔します!」とお伝えすると、「ぜひまた!あ、煩いババアたちいるけどね。あ、お姉さんは強いから大丈夫か」とのこと。よし、強い友だち連れてまた来よう。
今日のお土産は、大福とAmy's Bake Shopのパウンドケーキとタオルとメモ帳。
来週からは、手ぬぐいも並び始めるのだそうで、強めの常連さんたちと遭遇するのも、新しいお土産も、これまた楽しみ!