見出し画像

杉並区 湯の楽代田橋

2022.6.18.

土曜日の今日は、朝ランから。
家人は先に外出して、午後に待ち合わせをしているのでのんびりランニング。

自宅から千歳烏山まで走り、JAマインズショップでお野菜を買って汗だくで帰宅。シャワーを浴びて、コーヒーを飲んで・・ってのんびりしている暇はないのだけれど、さあ、出かけますか。

画像1

家人とは竹橋駅で待ち合わせして、美術館デート。
家人に「きみ、ぜったい好きだよ、行こう」といわれなかったら、まったく気づいていなかった展示、「ゲルハルト・リヒター展」に。

画像3

美術展に行くと、基本的には全体を観て回って、それから気に入った作品を再度観て・・という流れにしたいのだけれど、この展示はかなり混み合っていたので、順路に沿って観て回る。

リヒターについて少々解説を。
1932年にドレスデンで生まれたリヒター。「資本主義リアリズム」運動を展開するなど、現代で最も重要な画家となっている。
この作品、入ってすぐに出逢ったのだけれど、家人も私もとても気に入った作品。「アブストラクト・ペインティング」シリーズの一点。

画像4

グレー一色の作品も。これも、欲しいなあ。

画像5

ペインティングと陶芸でいうと、平面と立体ということであまり関連しないように思うかもしれないけれど、デザインなどはとても参考になったので、次に作る作品のイメージもしながら鑑賞してみる。

画像6

絵の具を載せてこそぎ取る作風で、これなんかは陶芸でも応用できる。

画像7

アウシュビッツのお部屋では、4点の巨大な抽象画《ビルケナウ》(2014年)が天井近くまでの高さに揃って並ぶ。その正面には同サイズの複製写真と鏡の作品(グレイの鏡)があり、照明がやや暗いこともあり、夜見るとまた印象の違いそうな作品だった。
リヒター自身、このテーマ、ホロコーストへの取り組みは、1960年代以降何度か試みたそうだったけれど、適切な表現方法を見つけられていなかったようで、断念を繰り返していたそう。2014年にこの作品が完成し、自身の半生を懸けた芸術的課題から「自分が自由になった」と感じたのだそうだ。これは達成点でもあり、転換点にもなった作品とのこと。

画像8

こちらは「カラー・チャート」シリーズ。
先ほどのお部屋の隣で、だいぶ雰囲気が変わり、色彩の印象がそのものとして伝わってくる。背景などを考えずに、という色がぶつかってくる印象だ。

画像9

リヒターが語るグレーの印象は「なんの感情も、連想も生み出さない」「「無」を明示するに最適」な色なのだそう。
連想は、確かに、と頷けるのだけれど、感情は含まれているような気がするなあ。

画像10

もう少し近づいてみると、感情というのが正しいのだろうか、思うところはある。

画像11

表面に凹凸のあるグレーも。

画像12

アート作品を購入するようになってから、ただ正面から鑑賞する、という見方以外に、どんな作品が欲しいか、という観点も鑑賞スタイルに加わった。
この下のグレーの作品は、本当に欲しいなあと感じたもの。
ま、天井が低い我が家を突き抜けてしまうけれどもね・・。

画像13

このつるっとした正方形の作品もすてき。

画像14

そして「アブストラクト・ペインティング」シリーズの大群。

画像15

家人と、手のひらサイズだけをもらえるとしたら、どこを選ぶ?というふざけたおしゃべりをしながら鑑賞。私は、ここ!

画像16

そして「フォト・ペインティング」シリーズ。
この下の臙脂の色、とてもすてきだったなあ。

画像17

これは展覧会のポスターにもなっている作品。
今回の全作品を通してリヒターらしいかといわれれば、ハテナだけれど、やっぱり目を引くよねえ。

画像18

そしてこれ!
「グレイペインティング」の一点だけれど、ボケているのではなく、不思議な作品。

画像19

刷毛で輪郭をボカしているのですね。「フォト・ペインティング」の手法にも通じる作品。

画像20

そして「アブストラクト・ペインティング」が続き、別シリーズに向かいます。この作品、とっても好きだった。

画像21

最新作の「ドローイング」シリーズ。
墨っぽい、これも陶芸に応用したくなる技法。

画像22

ちょうど去年のいまぐらいの作品もあって、60年ほど前の作品群を観た後に、不思議な感覚。

画像23

そして「オイル・オン・フォト」。
なにが隠されているのか、なにを見せられているのか、考えながら色彩を楽しむ。

画像29

写真だけ、ペイントだけ、それぞれが作品ではあるけれど、組み合わされた時の妙というのか、とっても刺激をもらえる。

画像24

特にこの下の作品は、私も家人も好きだったもの。

画像30

そしてマーブルの技術で作っているのかな、これも陶芸に応用してみたい。

画像25

マーブルって、水彩でむかーしやった記憶もあるけれど、どんな風に出現するか全く読めないんだよね。

画像26

だからこそ、一期一会でおもしろいんだよね。

画像27

特に黄緑、陶芸の作品でもあまり使わない色味だけれど、どうやって色を出すか。これが課題。

画像28

縦と横、流れを感じる色味。

画像42

なんとなく無花果を連想させる作品。

画像43

そして常設展へ。
常設展って、結構侮れない。特にここ、国立美術館の常設なんていったら、重要文化財レベルのものがゴロゴロしているんだから、見ないと損なのだ。損というのも変な話だけれど・・。
作品は撮り忘れたけれど、高村光太郎「道程」の詩。授業で習ったなあ、懐かしい。

画像31

こんな不思議な作品も。

画像32

横から目が合ってしまう。不思議。

画像33

そしてオレンジの美しい作品。
これも陶芸に使ってみたい色味。

画像34

作品の架け替えも季節によって頻繁に変わるので、その時期の花々が作品で鑑賞できるのも楽しい。

画像35

工芸品も見ごたえがあるんだよねえ。
今年は藝大の漆の講座も出られたらいいなあ。

画像36

常設にも一点、リヒターの作品が並ぶ。

画像37

これも「アブストラクト・ペインティング」。

画像38

赤の掠れた具合が本当に好き。

画像39

そして、勝手にファンを名乗っている津上みゆきさんの作品が、こんな一流美術館で鑑賞できる日が来るなんて、感激!こちらの記事にも。

画像40

今回のリヒター展、訪問前は入館料もたじろぐほどでやや躊躇していたけれど、三食抜いてでも行かないと後悔する作品群だった。
13時に入って16時に出たらかなりの行列だったので、朝イチがオススメです!

画像41

3時間も館内をぶらぶらして、インプットしたものはとっても多かった。よって、すっかり疲れてしまった。
となると、お風呂だよねえ。ということで、夕飯の買い出しをして、家人と別れ、塩サウナを目指し今週もこちらに。

画像45

今日も露天&ドライサウナの側ではなく、薬湯&塩サウナの側。
今日の塩サウナは、先客お一人、その後もお二人ほど。先客はバイクで堀之内の方からいらしているそうで、杉並の銭湯についても情報交換。私自身、区内の出身で小学校、中学校の話もしつつ、「でも年代違うから、ねえ?」とけん制を受けるものの、確かに年代はかなり違いそうだけれど、なかなかそうともいえないよねえ。
塩をぬりぬり、気持ちのいいお風呂でした。

画像46

お風呂上りにはキリンレモン。
うんま!

画像47

そして夕ご飯はお刺身勢ぞろい。
甘えびが美味しかったなあ。

画像48

焼枝豆も、朝ランで購入したばかりで、美味しい。

画像50

今日もいいお湯、美味しいごはん、インプットたっぷりの一日でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?