江東区 猿江 亀の湯
2021.3.31.
さて、こちらも都営新宿線「住吉」駅から歩ける銭湯。
ビル型銭湯で、外の看板などは若い方が経営しているようにも見える。
WEB1010の記事によると、2019年3月17日にリニューアルオープンし、浴室を全面改装し大きな湯船になったのだそう。
期待をしながら入ってみると、下足箱はなんだか番号が不規則なので気を付けて!
番台の女将さんに、例によって回数券でお支払いしつつ、スタンプをいただき、事情聴取。
こちらは初代の石川県ご出身の店主から数えて、三代目。二代目のお父さんから引き継いだのが女将さんだ。姉妹店としては、大宮、羽生(いずれも埼玉県)にもあったが廃業し、現存するのは、二代目の妹さんの息子さんが新宿区「大星湯」を継いでおり、女将さんのいとこのお店なのだとか。そちらの話で盛り上がった。なんてったって、サウナヌシの「カサイさん」がいらっしゃるお店だもの。「そちら、とってもいい常連さんがいらっしゃるお店なんです」と、なぜか何者でもない私が熱烈にアピールしておいた。
さて、記事および事情聴取によると、創業85年だそうで、1936年に区内扇橋で「東扇湯」を賃貸で経営したことからはじまり、1944年に戦争が激しくなり一旦廃業し、疎開先の埼玉県北埼玉郡羽生町で「ドラッグ湯」を経営、その後の「羽生浴場」となったのだそう。ちなみにそちらも現在は廃業している。
同じく1944年、こちらの「亀の湯」所有者が亡くなったことをきっかけに、初代が経営を再開したものの、翌年3月10日の東京大空襲により焼失し、かの「羽生浴場」を手伝いながら、再建を目指したのだとか。
戦後、1949年9月に「亀の湯」は再建を果たし、使用人も男女5人と大勢いたそうで、繁盛店だったことが偲ばれる。以降は、この業界ならではであるが、家庭風呂の普及により反比例的に利用者は激減し、使用人も雇える余裕がなくなったのだろう、1965年ごろからは家族経営になったのだそう。そして1980年に、現在のビル型銭湯に、2019年3月にはタイルと水道管の老朽化のため浴室内をリニューアルと常に前進。
女将さんは、大学卒業後にご結婚し、16年前にお母さんが亡くなったことで、お父さんを心配し、銭湯にかかわり始めたのだとか。番台は女将さんが、そして浴槽のお掃除は次男さんと一緒にしているのだそう。
ふと脱衣所を見ると、女湯にはメイククレンジング、化粧水、コットン、綿棒、無料のドライヤーが合ったり、ツイートをリツイートするとコーラをプレゼント、など、正面の看板のアイディアも次男さんのご意見なのかもしれないね。
「あと20年頑張って、その後は次男に受け継いでほしい」のだそうで、ジーンとしてしまった。
さて、入浴しましょうか。
L字の大きな湯船が一つ、その上には秋の山並みと湖畔のタイル絵だ。お湯は日替わりのようで、今日はじっこう湯。うっすらとした香りが楽しめるお湯だった。バイブラ湯だったり、優しめのジェットバスだったり、お話を聞いた後、ゆったりと温まることができた。
ふと外に出ると、ベンチも。ここで涼むのもよさそうだね。
ここはなにしろ、女将さんに会いに行きたくなるお店。またお話を聞きに行ってみたい。
東京スカイツリーも近いね!
お遍路番号 江東 5
住所 〒135-0003
江東区猿江1−18−9
電話番号 03-3631-5449
ホームページ
アクセス 都営新宿線「住吉」駅 徒歩5分
休日 土曜
営業時間 15:30−24:00