練馬区 たつの湯
2022.1.8.
今日の一軒目、区内「豊宏湯」から小走り2.4㎞で到着。
雪に注意しながら、そそくさと向かう。
ここは駅からも遠いこともあり、駐車場がとっても広い。
千鳥破風、唐破風のピンクの部分がとてもかわいらしい。明るい時間だと、周りに他に高いものがないので、煙突のすっと伸びた景色が目印になっている。紹介エッセイもご参考まで。
記事によると、災害時にも蓄えた薪でお風呂を提供したい、との思いがあるため、井戸水を薪で沸かしており、お庭も楽しめるのだとか。また、創業は1964(昭和39)年で、外観からは木造宮造りに見えるのだけれど、躯体に鉄骨を採用しているのだそう。生前は立川談志師匠も足繁く通っていたそうで、「銭湯は裏切らない」という言葉も遺っているのだって。
番台のご主人は、男湯サイドに設置されたテレビに顔を向けており、ご主人が決まって番台担当なのかな?例によって回数券でお支払いしつつ、スタンプをいただきつつ、事情聴取。
現在三代目で、初代以前からこのエリアで商売をされているそう。ひいおじいさんのお名前が「龍五郎」さんだそうで、縁起がいいということで当初は「龍の湯」だったそうだが、組合が統合した際、区内にある「辰巳湯」とお客さんが混同しないように、「たつの湯」に屋号を変更したのだそう。姉妹店としては、以前は清瀬にもあったそうだが、すでに廃業。
予想通り、現在はご主人が主に番台、奥様と息子さんが手伝っており、お孫さんもいるので安泰だ。とはいえ、元々は農家で、ご主人は農業は嫌だと宣言しこちらを継いで、現在弟さんが農家をしているとのことで、お子さん、お孫さんには自由に職業選択をしてほしいのだとか。
なお、弟さんが作っている朝収穫したお野菜が女湯サイドに売られている。ちなみにこの日は八つ頭と白菜で、どちらも100円ほど。季節により、トマトや葉物などいろいろ作っているそうなので、再訪してみたい。男湯サイドにはトマトなど採れすぎた時にしか置かれないみたい。
では浴場に行ってみましょう。
中島盛夫氏のペンキ絵は2021年10月末に描かれたそうで、二年半に一度描き直してもらっているそうだ。元々は女湯が赤富士、男湯が富士山だったそうで、現在は紅葉の見頃の華厳滝、男性サイドは赤富士だ。紅葉は「散る」ものなので、ペンキ絵のモチーフとしては珍しいね。
手前にカランが並び、奥は大きな湯船ひとつ。日替わり薬湯のようで、薄い黄色の「発汗湯」だった。ともかく、うんと温まり、逆上せそう。ご主人曰く、湯船の左側が熱めで、右側に移動するに沿ってややぬるめになるのだそう。お湯が釜から移動する際に、2度ほど低下するので、冬は44.3度、夏は42度に初期設定しているそうだ。体感では、42度以上に感じたけれど。
閉店後はお風呂に蓋をし、保温状態のままカラン周りのお掃除を奥様と息子さんがするそう。そして、翌日10時から浴槽の湯を抜き、掃除をするのだとか。夜にお湯を抜いてしまうと、浴槽が冷え切ってお湯の温度が急降下するためなのだそう。「お茶碗にお湯を入れるとか、ご飯の保温みたいですね」というと「そうだねえ、その通り」とのこと。
最初はお話しにくい方かなと思ったけれど、お話し好きの方だった。
「どこから来たの?」と聞かれ「調布です」というと、飴ちゃんとチョコレートをくださった。「雪がまだ残っているから、気をつけて帰ってね。お客さんの数もここは駅から遠いこともあって減っているんだけれど、せっかく来てくれたお客さんも、お風呂の行き帰りで滑って骨折したなんてなると悲しいからね」と吉祥寺行きのバス停の場所も丁寧に教えてくださる。「ここは北向きでしょう、駐車場の雪かきも凍っちゃって苦労したよ」とのこと。
また旬のお野菜を求めて、再訪決定!
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休日 月曜
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