【新宿さんぽ その5】西新宿は江戸西郷の景勝地
様々な顔を持つ街、新宿。
そんな新宿をすこしゆっくり歩いてみると、ひと昔前の様子を感じることができました。
土木関係のお仕事をしている友人さんに案内してもらいながら、西新宿エリアへやってきました。かつては景勝地と称賛された十二社とはどのような場所だったのでしょう。
新宿中央公園へ。淀橋浄水場を偲ぶ六角堂
西新宿へやってきました。新宿中央公園です。
西新宿と言えば、かつては淀橋浄水場があった場所ということはご存知の方も多いと思います。私も聞いたことがあります。母が若いころに仕事で新宿へ来ることが多かったようで、浄水場の話をしていたのを覚えています。
新宿中央公園の南側へ走る道は水道道路と呼ばれていて、かつては玉川上水から淀橋浄水場へ水路が流れていたのだそうです。そういう道だったのですね。この道はほぼまっすぐ代田橋の方へ伸びています。
新宿中央公園の東側の少し小高くなったところに六角堂があります。
多くの人が訪れる新宿中央公園ですが、この階段を上る人は意外と少ないかもしれませんね。
この六角堂は、淀橋浄水場を見下ろせる場所に建てられています。見学者はここから淀橋浄水場の説明を聞いたり、休憩したりしたそうですよ。
ありし日の淀橋浄水場の写真がありました。右側が新宿駅です。
こんなに大きな施設が新宿にあったのですね。今では想像もつきません。
左下にはガスタンクが写っています。ここはパークタワーが経っている場所です。
六角堂の周辺には、浄水場で使用されていた煉瓦が敷かれています。
こうやって昔の面影を残してくれるのはありがたいですね。テレビ番組のビフォーアフターでもよくあるパターンですが、こういうの、良いですね。古いもの、思い出深いものを大切にする日本の文化、いつまでも続いてほしいです。
この一角はビオトープだそうです。
バッタや蝶、カエルに会えるそうですよ。楽しそうです。
熊野神社に残る江戸西郷の景勝地
新宿中央公園の西側には熊野神社があります。ここでもお参拝。さんぽの際にはお賽銭用に小銭を用意しましょう。あと、御朱印帳なんかもあったらよいかな。
十二社熊野神社は室町時代、中野長者と呼ばれた鈴木九郎が故郷の熊野三山よりう十二所権現をうつし祀ったものといわれているそうです。(熊野神社HPより)
熊野三山は熊野古道として世界遺産にも登録されています。いつか歩いてみたいと思っている道です。熊野本宮大社に那智大社、さらには金剛峯寺や吉野山。ロマンですね。
境内には新宿ミニ博物館がありました。
熊野神社や十二社の様々な歴史を知ることができます。いつもは素通りしてしまいますが、今回の新宿さんぽでは、こういう掲示に目を向けてゆっくりと歩いています。普段通り過ぎるように流れていく景色も一味違った景色になります。
熊野神社の紹介から始まり、十二社の池と滝の紹介。大きな池と滝は今の時代でもインスタ映え間違いなしでしょうね。
さらには文化財の紹介もありました。
狛犬や石碑にも歴史あり。昭和生まれの私にとっては江戸時代と聞くとその歴史の重みを感じますが、はたして令和生まれの人たちはどのくらい前の時代に興味を持つのでしょうね。もしかして昭和だったりして。
熊野神社の東側には、かつては十二社滝があったそうです。今では神社の奥にこのような小さな滝が当時の様子を偲ばせてくれます。西には十二社池もありました。これらは江戸時代に江戸西郷の景勝地とされ、称賛されていたのだそうです。
十二社池(今はなき、、)は、次回の新宿さんぽで歩きます。
この日は本当にお天気に恵まれて、陽射しが優しくて楽しい一日でした。
稲荷神社の狛狐さんもおめかししてらっしゃいますので、写真を一枚撮らせていただきました。
様変わりする新宿の中で
新宿は今では日本でもっとも忙しない街かもしれません。
目まぐるしくかわっていく街の景色は、昔から住んでいる人からすると寂しいものかもしれませんね。便利になることは良いことかもしれませんが、知らないうちに大切なものも失っていくのではないかと少し心配になりました。そんなことを思うのも、自分も年を取ったということですかね。
こうやって今の景色を写真に収めておこうと思いました。
新宿中央公園での最後の一枚はこちら、「写真工業発祥の地」です。
ここにはかつて、六桜社の写真感光材の工場があったのだそうです。六桜社、現在はコニカミノルタに受け継がれています。
次回で最終回。さらにディープな西新宿さんぽへ。
今回で5回目となった新宿さんぽですが、いよいよ次回で最終回です(たぶん)。
次回はさらにディープな西新宿を歩きます。