【Day37:高校生との関わり】
地域おこし協力隊として、地元の福岡県八女郡広川町にUターン。
2022年1月より、学習教室「irodori Study Lab」を運営している井上涼です。
irodori Study Labでは、ICTを活用し、一人ひとりの興味関心に合わせた探究学習、そして、英語学習を通して「想定外の未来をつくる」ことをコンセプトに活動しています。
地域おこし協力隊1年目にある高校の探求学習に約4ヶ月間伴走させていただいた時のこと。
周辺4地域の自治体が抱えている課題を高校生の視点から解決するための案を考えることが目的でした。
広川町からは、若い世代の客足が伸び悩んでいるカフェに対して、若者にもっと来てもらうためのアイデア募集を提案しました。そもそも、ろくに地域に足を運ばず、机上の空論だけで解決策なんか出るわけがないしそんなもので終わらそうとする時点でイラついたので、僕の方から実際に商品まで作って販売するイベントやろうよ!と言ったところ、全員一致で乗ってくれました。
進学校なので、テストは全員本気。しかも、関わった時期は文化発表会もあったり部活動も公式戦があったりと行事が重なる中、高校生たちは大忙し。
高校生たちは最後の最後まで本当に頑張ってくれて結果的には当日の販売会でも商品は予定より早く完売。文化発表会でどこのアイデアが一番良かったのか審査されるのだけれども、その中でも学年1位の結果を取りました。
裏では、大人の都合で生徒の機会を奪う管理職たち。めんどくさいこと、新しいことはやらない前例主義の人たち。いろんな姿を見て本当に今でも思い出すだけでムカつくくらい色々ありました。
その中でも僕が一番悔しかったのは、生徒たちの声をちゃんと聞いてあげられなかったこと。授業以外でのコミュニケーションは制限され、時間的制約もある中、僕から伝えられたのは業務的なことだけでした。
もっともっとみんなの声を聞きたかったと今でも思います。
みんなは今はもう大学生になったり社会人になったりしている。
元気にしてるかな。
前置きはこのくらいにして、この経験から、高校生の心の声を聞ける場所、なんかしたいを形にするための居場所を、今月から毎週水曜日の夜にirodori Study Labで開放します。
広川町には高校がありません。
広川町に住む中学生にとって高校へ進学することは「これまでの仲間たちとばらばらになる」ことを意味します。
高校生になると、ほとんどの中学生は隣町の八女市、筑後市、久留米市の高校へ進学します。
高校になると、これまで仲の良かった友達とは疎遠になることが多いです。
それでも、
「この町に関わり続けたい」
「今までの友達とゆるくても繋がれる場所が欲しい」
参加条件は、
・「なにかしたい」という気持ちがあること
これだけです。
大人が高校生に
「こうなってほしい」
「町のためにこんなことをやってほしい」
を押し付けるつもりも全くありませんし、僕から何かを強制することもありません。
irodori Study Labの事業としてやりますが、この活動では月謝も何もいただきません。
週に一度、まずは高校生が学校帰りにふらっと遊びにくる。
新しい友達を連れてきたり、テスト前の勉強をしたり、ただひたすらお話ししたり、何をしてもいい時間にします。
ただ、「なにかしたい」という気持ちだけは持ってきて欲しいと思っています。
その「何か」はなんでもいいです。
そこにいる仲間に話してみる。ただ自分でひたすら悶々と考えてみる。
自分の関わり方で関わってほしい。
大人たちはサポートが必要な時だけ、サポートします。
じゃあなんでわざわざ僕がこれを始めるのか?
「自分と向き合う時間をつくり、社会とつながっていることを感じてほしい」からです。
高校から大学、社会人と、今の日本では、自分とじっくり向き合い、将来について考える時間がかなり少ないと思うのです。
就活の時だけ、受験期間のたった数ヶ月間で「お前は何をしたくて何ができるのか?」と問われても芯から思っていることは出てこないですよね。たった数ヶ月間で今後のながーい人生について決断してしまうのはおかしいよ。