【レポート】小池都政の負の遺産:明治神宮外苑、豊洲市場、晴海フラッグ、都庁プロジェクションマッピング
昨日8日、私が所属して活動している墨田民青の企画で「緑のたぬきの闇暴く都政ツアー」が開催、小池都政で特に大いに問題になっている神宮外苑などの場所をめぐりました。それぞれ伺ったお話と併せて感想をレポートとして記します。都民の皆さんは、ぜひこれも判断基準の一つとして、誰が真に都民のくらしを考えてくれるのか、判断していただきたいです。
1.神宮外苑:環境と文化の破壊
国民の憩いの場所として整備された明治神宮外苑。全国からの国民有志の献金、献木、奉仕によって支えられてきました。都会の中に広がる銀杏並木の美しさ、その中で神宮球場やラグビー場で試合の応援に行った方も多いかと思います。そこが、今や大規模な再開発がされようとしています。
本来、風致地区として再開発ができないよう規制がかけられていましたが、三井不動産による大規模な野球場を併設したホテルや超高層ビルを建てようとしています。
案内してくださった日本共産党東京都議 原田あきら都議によると、木は葉から天然ミストの効果があり、特に夏は気温を下げて快適に過ごせ、急激な気温の上昇を防ぐということです。昨日は28度のカンカン照りで本当に暑かった。この前の銀杏並木が、60mのホテル棟建設のために伐採されてしまうとすると、夏は憩いの場とも言えない「アスファルト地獄」となります。
都は、1000本近く伐採するかわりに移植すると言っていますが、樹齢100年以上の木の根っこを切れるわけがない。小池都知事は現場を見ろ!
環境だけでなく、小池都政が進めようとしている神宮外苑再開発は、資本主義の行き過ぎ、文化の破壊をもたらします。
絵画館前の軟式野球場、パッと見ただけでは分かりませんが、原田都議によると6面あり硬軟両方の野球の試合が同時にできる、かなり稀有な環境となっています。見たら、晴れた空の中のびのびと複数の野球チームが試合をしていました。これが、再開発されると両端のスペースがテニス場とテニスクラブにされ、そのために両端の樹木200本以上が伐採されてしまいます。
おそらく、両施設は民間が経営してお金を払わないと利用できないでしょう。当初の国民にとっての公共の癒しの場が吹き飛んでしまいます。お金を出したい人、出せない人しか楽しめない空間は文化的とはいえない。文化も破壊します。
そして隣は東京2020五輪が行われた国立競技場。ここに木が「移植」されてますがへなへな、細いのでとてもじゃないが憩いで休める場所ではありません。夏は地獄です。
そして下には、申し訳程度に送水スプリンクラーがあり、植樹されてますが
コンクリートの屋根に押し込められている状態に。今はまだいいですが、のちに成長した場合はお互いの木を邪魔しあうことになり、ゆくゆくは伐採するしかないと思います。伐採⇔植樹の無限スパイラルで、介在する企業に都民の税金がチューチュー吸い込まれるわけです。どこまであくどいんだ。
交差点を渡ると、かつての都立明治公園。「外苑ハウス」だった建物が高層マンション化し、言われなければマンションの付属の公園としか見えません。そこでは野外で子どもたち集めてイベントやってましたが日陰はゼロ。そして周りは商業施設。都知事、都職員幹部、ディベロッパー事業者の人たち、「公園」という意味、辞書で引いてください。
これだけ木を切っておいて、小池百合子は緑をアイテムカラーにするのと、Xのアカウント名に「eco」つけるのやめろ。
2.豊洲市場:死亡事故多発と土壌汚染、近隣施設のチープさ
さて、次は豊洲市場へ向かいました。今までの都政で散々、関係者からの築地からの移転反対が唱えられましたが、2018年10月に強行に豊洲への移転を決定。日頃、市場関係者ではないと見れないところを、東京中央市場労働組合の中澤誠さんにご案内いただきました。(中は写真撮影不可のためテキストのみでお送りします)
まず、圧倒的な立地の悪さです。今まで市場があった築地は、銀座など一流料亭、レストランに近く仕入れがしやすかった。ただ、橋を渡らなければならず、買い出しの頻度が圧倒的に減ってしまった、とのこと。そして、買い出し人のみならず、全体的に駐車場が足らず、従業員の成り手も減っている状態です。その流通の悪さで、目に見えて築地の時よりも全体の取扱数量が減っています。私たちの食を支える台所の役割を果たしきれなくなっています。
そして、驚いたのは死亡事故の多発です。市場内での、エレベーターの開閉が上下式のため、市場内で乗るターレを運転しながらで気づけず、首が挟まれてしまったことや、地盤沈下による段差でターレごとつんのめったりと、移転してから事故が頻発しています。しかし、小池都知事は事故の真相を明らかにせず、むしろ死者数を隠蔽しているありさまです。
3つ目には、土壌汚染の問題です。大阪のメタンガスバボンでおなじみ、夢洲と同様、埋立地には土壌汚染物質があるのが問題です。当初、東京都はベンゼン、シアン化合物の汚染が高いけど一部のエリア、という説明をしていましたが専門家の調査をした結果、一部どころかほぼ全域に複数の汚染物質が広がっていることがわかったとのことです。口に入る食べ物が取引される場所で汚染物質がある、という実態は命の危険にかかわります。
最後に、中澤さんは「何よりも問題なのは、民主的な方法で豊洲移転が決められなかったこと」と話していました。小池都政だけでなく、その前の青島都政からたびたび移転の話が持ち上がり、そのたびに関係者や組合によるアンケートを実施し、高くて9割近く反対多数の声を上げていたが無視され、一部の関係者は職を追われるか異動させられました。まさに自分への異論は「排除します」という希望の党騒動さながらではないでしょうか。
ご案内いただいたあと、近くの商業施設の「千客万来」へ立ち寄りました。市場だけではさみしいからと、客寄せのために建てた施設だが、なんせ造りが悪すぎる。通路が狭く、土日は人でごった返し楽しもうという気が起きない。休憩スペースも少なく、テイクアウトの店舗が多くて何が何でも回転率を高くさせ、人を休ませないせせこましい昨今のどこもかしこも金太郎なショッピングモールの作りでした。
お昼を食べた築地の趣ある場外に比べ、なんと貧相なのかとがっかりしました。文化を知らないディベロッパーたちに東京が浸食されていることを改めて実感しました。
3.晴海フラッグ:3割以上が住民票無しの投資目的
原田都議のツイートで知りましたが、「晴海フラッグ」という、東京2020での選手村だった施設を分譲マンション用で転用しているマンション群が、なんと三割以上が住民票無しで居住実態が確認できないということがわかりました。明らかな、法人による投資・投機目的です。
私は株取引やってないのでわかりませんが、不動産などの株の売買は個人の自由です。しかし、あまりにもこれは行き過ぎています。今、ほとんどの都民が家賃を払えない、あるいは払っても生活がかつかつ。都営住宅の新設も小池都政の中で一棟もされていません。
この記事のように、終の棲家にしようと何回も抽選に応募したのに落とされたご夫婦がいる一方で、こんなおもちゃのように人が住むスペースの売買が許されるわけはありません。
元々は都有地で、ほいほいと売買ができず、規定が設けられているのに小池都知事は大企業に対し規制緩和しました。
4.都庁プロジェクションマッピング:これで48億かけたのマジで?ショボすぎだろ。
最後は、毎日夜7時半~複数回、都庁に現れるプロジェクションマッピング。48億もかけたからさぞ素晴らしいものなんだろうと足を運んだら衝撃的なショボさ。作ったのは電通だが、エンタメ理解してないのバレバレ。彼らの脳みそからねじりだしたであろう「ザ・ジャパニーズ」と思しき芸者や武士の姿。そして変な動きをする意味不明なアニメーション。日本のアニメ文化のリスペクトのつもりで作ったんだろうが、宮崎駿師匠に弟子入りをした方がいい。(先方は断るだろうが)
50人ほど、広場にプロジェクションマッピングを観に集まっていましたがこの中で都民はどのくらいか疑問です。毎週土曜、都庁の下でNPO法人による生活困窮者への炊き出し支援が行われていますが、光を当てるところ、お金を割くところが間違っています。こんな光寄せ集めたやつ、都民は望んでいないのに勝手にやるな!
5.これから都知事選闘うにあたり
5月27日、参議院議員蓮舫さんが出馬表明をしました。小池都知事は表明するのかしないのかはっきりしないまま、自民党が支援を表明する状態です。いかに、この8年間何もやってこなかったか、それに都民の憤りが高まっているかに他なりません。
よくこういう投稿をすると、「政治は怖いから話するな」と言われますが、スーパーの野菜が高くて買えない、一人暮らししたくても家賃が高くてできないと思ったことはあると思います。それは決して、あなたがダメだからとか、こんな仕事選んだからだめなんだとか、そんなわけはありません。たいていの問題は、あなただけでなく誰かも困ってたら、構造全体に問題があるのです。物価の高騰に対して賃金が相応に上がらない、一人でも十分に暮らしていける家賃が設定されていないのは都政の怠慢でしかありません。それを突き付け、自分勝手に暴利を貪る政治家は追放し、真に都民の暮らしを手厚く、どんな生き方でも幸せになれる東京にするリーダーを、私たちの手で実現させるしかありません。
そのためには、SNSで街宣の配信を見たり応援コメント・ポストをする、現地に行って街宣を聴く、ビラ配りなどのボランティアをするなど、できる範囲で応援を広げるのが一番です。相手は裏金と特定団体を回ってせこせこと票を集めるなら、私たちは草の根で、できることをできるところからやっていくしかないのです。日頃、周りには言ってるし実感しているのですが「馬鹿とアホに権力を持たせてはいけない」のです。小池百合子みたいな欲望まみれの自分勝手なトンチキは表舞台に出てきてはいけないのです。すみっこで生きてろ、という話です。某アニメの台詞ではありませんが、「諦めたら試合終了」です。自民党の脱税が大問題になっている今、今こそ政治を私たちの手に取り戻す絶好の機会です。ぜひ、一緒にがんばりましょう!