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若宮様の1泊2日のグランピングー2022年春日若宮おん祭り

一昨年のニコニコ生放送で初めて「春日若宮おん祭り」というお祭りがあることを知り、東大寺の良弁忌と併せて行く機会を伺っていた。足掛け三日間に渡るお祭りはいわば「若宮様(子どもの神様)の1泊2日の美味しい食べ物と素晴らしい芸能付きの豪華グランピング」ともいえよう。若宮様、というのはご出現が約1000年前という、他の神様が祀られたのがはるか昔に比べて比較的若い、というところから来ている。

毎年12/17深夜から1日、シンデレラのように次の日の午前零時まで様々な芸能や供物の奉納がなされる。備忘録的に私が観覧できたところを綴っていきたい。

12/15
〇御湯立て神事
神事を受け継いだ巫女によって行われ、ふぁさー、とお湯を「さよーさ、さよーさ」と言いながら立てていく。
神事中、巫女が腰に巻いている縄は安産に効くといわれるとか。

〇大宿所祭
中でごちそうの奉納や玉串の奉納、巫女による舞が奉納され、脇には当日、参列する人達の衣装がずらり、携わる人の多さを実感した。
メインの17日は雨予報だったため、雨避け祈願の笹に短冊が飾られていた。

豪華な若宮様へのごちそう(御饌)
秘伝の神事を受け継いだ巫女による御湯立て(みゆたて)神事
さよーさ、さよーさ、と言いながら左右にお湯を振る

おん祭り斎行の成功を祈願するもので、場所が餅飯殿商店街の中にあるため、クリスマスソング流れながらの賑やかさとのコントラストが面白かった。

12/16
〇宵祭(16時〜17時)
若宮様本殿にて、舞の奉納、があったのだが人混みで見れず…(辛うじて終わったあとの一行に立ち会えた)

12/17
〇遷幸の儀(午前零時)
お通りになる松明以外はあかりは一切NGの中、神職による「ヲヲヲヲ」という低く唸る声と共に若宮様の神輿が御旅所前(おん祭り用に特別に設えられた御殿)に向かって進む。じっと暗闇の中、行列を見守る。

若宮様が1日お楽しみになる御旅所(おたびしょ)

〇暁祭(午前1時〜)
御旅所に若宮様が無事お移りになったあと、早速お供えの奉納(我々には早すぎる朝ごはん)と、巫女たちによる舞、だだいこの演奏と併せて2時頃まで行われた。だいたい泊まりがけの旅行はテンション上がって夜更かししがちだが、若宮様は健康第一らしく、再び祭礼が始まる9時頃までお休みになる。

〇御旅所祭(13時〜21時半頃)
通常は、通りを練り歩くお渡式があるのだが雨天のため縮小、メインの御旅所祭が1時間半早まって開催された。
ちなみに、下記リンクにも書いたが、17日と18日限定で、春日大社参道沿いの荷茶屋でのっぺ汁がいただける。野外の観覧の前にぜひ。温かいお出汁が染みる。

のっぺ汁(右)と山芋ベースの万葉粥(左)

https://mstdn.jp/@AshitaMurata/109534303687971152

〇御旅所祭(13時〜21時半)
例年は13時から御旅所にいらっしゃる若宮様にお参りという形で、目抜き通りを練り歩くお渡式があるのだが雨天のため縮小、メインの御旅所祭は1時間半ほど繰り上がって開催された。私は予め、御旅所前の野外の桟敷席を購入していたが雨天はやはり辛かった。
やはり、雨足が強くなったため、途中ホテルに避難して配信で視聴した。一部だが以下写真となる。

日使(ひのつかい、関西の財界人のお偉いさん)による祝詞奏上、左に様子を見守る宮司
流鏑馬の稚児たちによる舞の奉納、可愛いらしい
巫女たちによる舞
東大寺、興福寺の僧侶も若宮様に拝礼

〇還幸の儀(22時〜)
始まりも早かったのでお帰りも早くなる。友人達とやり取りしていて1時間早まるのではと予想。配信見ていたら雨が止んだとコメントが流れてきたので、慌ててご飯を食べ終わり準備へ。夜8時半、ほぼ終盤には雨が止んでいた。
そして最後の演目が終わるやいなや、お迎えの輿が運び込まれた。雨が上がったばかりとはいえ、人も集まり始めていたので還幸の儀を見届けるべく、一足先に桟敷席を去った。

若宮様がお帰りになる輿の準備がされていた

遷幸の儀と同じく、松明の明かりときらびやかな音楽に合わせて若宮様がお戻りになるのを暗闇の中で見守る。
行きと違うのは、保存会や関係者の最後尾を付いて本殿参拝ができること。さながら初詣みたいな気持ちだ。
改めて、おん祭りを現地で観覧できたことに感謝の気持ちを込めて参拝。本殿の前には、数ヶ月前に放送された若宮本殿お遷しの様子をテレビで見た時に知った、瑠璃灯篭がともされていて本物みれた!とテンション爆上がり。まるで子どもの若宮様が満足気に微笑んでおられるように見えた。

みんな、ありがとー!たくさんのひとにみてもらえてたのしかった!て思っていただけてるといいな

〇番外編
今回、一緒に見に行った人から知ったのだが、9日〜16日まで若宮本殿先参りというものがあり、9時半〜毎日先着40名に授与される、おん祭りに奉仕する大和士たちが精進潔斎する時に食する「意傅坊」(いでんぼう)というものがいただけるという。
春日大社一の鳥居前の料亭の菊水楼さんが140年振りに復活させたものだとか。
元々はおん祭りに奉仕する大和士(やまとざむらい)が精進潔斎中に食するものだがシメ昆布があるので程よいしょっぱさがお酒に合う!(そこか)

飲める方はぜひお酒とともに

奈良好きな津々浦々の人達と知り合うことができ、一緒に観覧できたことをありがたく思うとともに、能や伝統芸能のルーツが詰まってる春日若宮おん祭り、機会があればぜひ現地で見て欲しい。

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