Netflixで「マイケル・ジョーダン: ラストダンス」観た
「What time is it?」
「Game Time!」
エピソード10でバラク・オバマ元アメリカ合衆国大統領が言っていたけど、
「スポーツをカルチャーにした」
地球最大の功労者。
彼のおかげで
スニーカーは(広義のバスケットボールシューズは)ファッションアイテム、コレクターズアイテムになり、
NIKEは世界一のスポーツメーカーになり、
バスケットボールの世界において「アフリカン・アメリカン」はリスペクトの対象になった。
世界中のスポーツ選手が彼にあやかって背番号「23」をつけたがり、
Air Jordanは未だに作られ続けている。
バスケットボールをまったく知らない人でも、彼の名前は知っている。
よしんば「マイケル・ジョーダン」を知らない人がいたとしても、「エア・ジョーダン」は知っている。
自分は世代的に、「2度のスリー・ピート」をリアルタイムで知っている。
おそらく彼がスタートであるだろう、空前のスニーカー・ブームを完全にど真ん中で通ってきた(『エア・マックス狩り』なんてのが昔あってだな)。
バスケットボールを競技としてプレーしたことはない(学校の体育と休み時間くらいだ)けど、バッシュは履いた。
神様も人間だったんだ。
父親の死を前に悲嘆に暮れ、ギャンブルに現を抜かす。
ライバルの安い挑発に乗り、チームメイトをこき下ろす。
深夜にピザを食い、試合直後にビールを飲む。
気難しいが寂しがり屋で、高慢だが誠実だ。
すべては勝利のために。
彼はずっと「バスケの神様、マイケル・”エア”・ジョーダン」という偶像と戦い続けてきたんだろう。
よくぞここまでのドキュメンタリーを作り上げたな、と思う。
世界中のスポーツ・ファンに観てほしい。
残念ながら、ほかのスポーツ界には未だここまでの選手は出てきていない。
完全に主観で語ると、かろうじてメッシが近い存在かな、と思う。
マイケル・ジョーダン=バスケットボール
であるのと同様に、
リオネル・メッシ=フットボール
であるからだ。
ただ、「近い」という表現は「イコール」ということではない。
メッシはフットボールそのものだが、
ジョーダンは彼自身が「バスケットボールカルチャー」だからだ。
Air Jordanはこれからも世界中でヘッズたちに愛され、何度も復刻されるだろうが、
メッシが引退したあと、果たしてメッシモデルのサッカーシューズは作られるのだろうか。
つまりはそういうことだ。
これはゴルフでも、野球でも、アメリカンフットボールでも、卓球でもバドミントンでも地球上のありとあらゆるスポーツでも同様だ。
たった一人で「バスケットボール」という「アメリカの」スポーツを、「カルチャー」にしてしまった男。
やはり、「神様」という呼称が彼にはふさわしい。
なんつって、まあモロに影響を受けているわけなんですけれども。
世代ですから。
バスケットをやってたわけじゃないですけど、やっぱりね、憧れましたよ。
でも当時(今もか)ひねくれてたんで、ジョーダンよりも
マジック・ジョンソン
ラリー・バード
ジョン・ストックトン
アンソニー・”ペニー”・ハーダウェイ
シャキール・”シャック”・オニール
なんかが好きでした。
ブルズでも
トニー・クーコッチとかデニス・ロッドマンが好きでした。
だから、エア・ジョーダンは敢えて履かずに
コンバースのウエポン(マジックのレイカーズカラーとバードの黒)
とかを履いてみたり、
ブルズのジャージじゃなくてオーランド・マジックのジャージとかボストン・セルティックスのジャージのほうがカッコいいって主張してました。
大学を出てスニーカーショップで働いてたときも、同じジョーダンを履くにしても
「ジョーダンが結局バスケでは一度も履かなかったⅨ」
とか
「ヒールの背番号が9のバルセロナオリンピックカラーのⅦ(復刻版)」
とかを履いてました。
なんだったんでしょうね、あのへんな意地というか。
今改めてこうやってドキュメンタリーを観て、感想は上に「ある・である」調で書いた部分のとおりなんですけど、あの10年ぐらいのシカゴ・ブルズって凄かったですね。
なんというか色々。
今なんかロッドマンとか即クビだろうな…
コンプライアンス違反にもほどがある。
プレーオフの最中に練習サボってハルク・ホーガンとタッグ組んでプロレス出るって。
もしかしたらマイケル本人も「賭けゴルフ疑惑」の時点で引退かもしれませんよね(そういえばどっかの国の検事長が『賭けマージャン疑惑』で辞任したっけな)。
まあそんなことはさておき。
「人間」マイケル・ジョーダン、
「エア・ジョーダンシリーズの歴史」、
そして「あの時、シカゴ・ブルズに何が起きていたのか」
をすべて網羅した珠玉のドキュメンタリーだと思います。
すべてのスポーツ・ファンに観てほしい。
★★★★★
※影響を受けすぎて、「1998年のプレーオフ・ファイナルの最終第6戦で履いた」「エア・ジョーダン14」を思わず買ってしまいました。
敢えてブルズカラーじゃないところが気に入っています(人間そう簡単には変われないもんだぜ)。