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Netflixで「ONE PIECE」観た

※ネタバレ的なものがあります

大枠の感想は「いい落とし所」「がんばってる」。

もちろん原作者が関わっているからってのもあるし、
映画オリジナルの登場人物なんかが出てくることもなければ
謎エピソードが挟まれることもない。

ストーリーは原作1話〜アーロンパークまでを端折って。
端折り方もうまくて、原作及びアニメちゃんと追ってる勢も納得の展開。
念のため原作片手に追いましたけど特に破綻はなかったです。
押さえるツボはちゃんと押さえてる。

改変点としては、まあこれは仕方ないんだでしょうけどバトルシーンよりも登場人物の心の動き、
麦わらの一味の絆を丁寧に描いている感じ。
もちろん原作屈指の名シーンも。

より「ヒューマンドラマ」な仕上がりになってますかね。

あとはコビーとガープの立ち居振る舞い。
ニュアンスとしては原作のウォーターセブン終わりで語られるコビーの「色々あって」を
ここで説明・補完し(ちゃっ)てる感じ。

そしてガープはより愛が重い。笑
まあこの辺は原作でもあやふやな部分というか(これから明かされるのかもしれないけれど)
そもそも実の息子のドラゴンの教育に失敗してんじゃねえか、とか、
そういう部分はありますけれども。

配役も申し分ないというか、
麦わらの一味はいいですね、全員それっぽい雰囲気が出てて。
さすがにサンジのぐるマユは削って正解だと思いますけど、笑
よくもまあ見つけてきたな、って感じです。
ウソップはちゃんとウソップだし、
ナミは衣装の感じもあるんでしょうけどちゃんと体型含めてナミっぽい。
いい感じの健康的なエロさ。
そして真剣佑のゾロは言わずもがなというか。
こういう時ちゃんと「刀の握り方」を知ってる人だと安心しますね。
申し訳ないですけど素人は見ればわかるので。
その点くいなは…って感じでしたけど。
「殺陣(アクション)経験の有無」ではなく、「日本刀の捌き方」なので、アクションシーンよりも静止画が決まるかどうかですね、刀は。その点真剣佑ゾロは文句のつけようがありませんでした。

話が逸れました。

吹替をアニメの声優陣がちゃんとやってるのもいい。
最初字幕で観てたんですが、吹替に変えました。
違和感あるかと思いましたがそんなことはなく、より原作っぽくなって良きでした。
これは好みの問題かも知れませんが、あくまで切り離して観たい人は字幕、原作との繋がりをちゃんと感じたい人は吹替、ってのがいいんじゃないかと。

こちらが字幕、

こちらが吹替。

どうでしょうか、どちらが好みですかね。

で、ここからは「うーん」だった点をいくつか。
日本を代表する漫画・アニメ作品なのでもうこれはどこをどう切っても粗探しみたいになっちゃうのは仕方ないのかなぁ、なんて思いながら。
自分も原作片手に見てるわけですし。

まず最初に気になったのは魚人。
「小さっ!」って。
公式でルフィの身長は174cm。
対してアーロン一味、
アーロンが263cm、クロオビが252cm、チュウが257cm。
演じてるのは人間ですからね、まあ。
でもどうにかできなかったかなぁ、って思います。
ルフィと並ぶとほぼ同じ目線になっちゃってるので
アーロンの主張する「人間と比較した魚人の優位性」が見えにくいし
何より「恐怖感」が激減してる。
「デカい」ってのは遺伝子的にはどっちかというとプラスのはずですからね。
特殊メイクのおかげか肌感は絶妙にキモく仕上がってるので(ほめてる)
そこは残念でした。
ただ「恐怖」を引くことで魚人全体のキモさは上がってる感じだったので(人間と同じサイズ感になることでカルトっぽさが増している)
それを狙ってやっているなら成功なんでしょうけど。
多分違うんだよなぁ。

次はところどころ感じる「現実世界の多様性への配慮」。
これはもう色んな所で語られてる話題なので問題提起ではなく。
原作者が魚人に代弁させてるんだからそれやりたいならもっとそっちを深堀して語らせればいいじゃん、って思いました。
その辺は大人の事情なのかもしれないですけど、ちょっと雑音。

そして最後。
多分これが核心。

「ルフィが弱そう」。

色んなことが積み重なってルフィが強そうに見えないんですよね。
原作序盤戦のルフィってとにかく強(くてカッコい)いじゃないですか。
首領・クリーク戦あたりが最たるというか。
そこをバッサリ切っちゃってるのも大きな要因だと思うんですけど、
前段で書いたように「登場人物の心の動き」に重きを置いているからか
バトルシーンがおまけというか、暴れん坊将軍や水戸黄門と同じ感じの位置づけというか。
それならそれで無双している描写をきちんとしてくれれば納得ができるんですけど…
あれなんですかね、「ステゴロのタイマン」を描く文化が海外にはないんですかね。そんなことないですよね。

あとこれはやはり尾田栄一郎先生の手腕の賜物、天才たる所以なんでしょうけど、
「ゴムは見た目やっぱり弱そう」なんですよ。
原作は「だからこそ」ルフィの強さが際立つわけですが。
個人的に戦闘シーンはやっぱり静止画(見せゴマ)が決まるかどうかが肝だと思っているので
今回ルフィは「ただ手足が伸びてるだけ」なんですよね。
ゴム以外の部分が完全に素人。棒立ち。
これは個人的には致命傷に近いです。
もうちょい練習できなかったんか…と思いました。
CG処理の都合もあるんですかね、しらんけど。

弱音も多めに吐くし。
「船長としていかにクルーが必要か」という表現としての
「おれはひとりじゃなにもできねぇ!(でもお前に勝てる)」
なのであって、

行き当たりばったりで海に出てきた割にマジで何もできねぇな…
ルイーダの酒場で仲間準備してから来いやぁ…
ってちょっと思ってしまいました、てへぺろ。

のちにジンベエが語りますけど
「自身の強さを自身で信頼(肯定)することによるやみくもな前進(意訳)」
がルフィの最大の強みであって
「最後には必ずルフィが勝つ」と信じられているからこそ許されている欠点でもある。
まあジャンプ主人公に共通しますよね。

それが足りないんだなぁ。みつを。

まあ言い方を変えれば人間らしいですけどね。
前段で書いた「ヒューマンドラマっぽさ」というか。
この辺は賛否分かれるところでしょう。

以上続編の製作も決定したようなので詳細を楽しみに待とうと思います。
え?観ますよ、もちろん。

モクモクとかスナスナとかは表現しやすそうというか、自然系は割とはっきり「強そうに見える」ので楽しみです。

こちらで言及されている超人気者がいよいよ登場するようです。
動物系は不安だ…

兎にも角にも話題作、見て損はないでしょう。
ただどちらかといえば(すべての『実写版』に言えることかもしれませんが)
これをきっかけに原作に入る人向け、でしょうね。

★★★☆☆


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