ブレ続けた20年
開催から丁度ひと月が経ちました。
遅ればせながら改めてご来場くださったお客様、出演者皆さん、関係スタッフの方達、地元、行政の皆様、アルバイト/警備員さんに至るまで。
あの日あの場所に集ってくださった全ての方々にお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
2日それぞれのレポートをゆかりのライター兵庫慎司さんと鈴木淳史くんが今年も寄稿してくれました。
二人の視点からの偽りないテキストは触ってません。
渦中にいる自分もここで気づけたことばかりで感謝してます。
皆さんも是非お読みくださると嬉しいです。
初日レポートにもあるように運営面での不手際は全て自分の不得に寄るところです。
券売した枚数は過去何度か完売した回と同じ設定だったのですが、先見の甘さと幾つかの悪要件が重なり対応が後手にまわってしまった為、一定数のお客様に大変ご迷惑おかけしました。
この場を借りて深くお詫びいたします。
開催する一番大きな目的として
「一人でも多くの方に知らないバンド、ミュージシャン、音楽と出会い好きになって欲しい」
しかし更にその前提としてイベントを企てる身として
「集まってくださった方をがっかりさせないこと」
これがこの世の催し全てに課せられた命題であるとも思います。
今回、一定数の方をそんな悲しい気持ちにさせてしまいとても成功と言えず、二度と同じ過ちを繰り返さぬよう自分に猛省を促しています。
(以降、失礼ながら話し言葉もご容赦ください)
含め終わってから今に至るまで
「何年やってもアカンな、、、」という心境です。
もちろん、各々のライブに関しては観れた限りどれも最高であったと思います。
個人的に「舐められたら負け」と思ってライブやってるバンドに共感を覚え、知らぬ間にそんな気概のバンドをブックし、そんなバンド達が揃いアタマから最後までライブを繰り広げると「とんでもない1日」になっていた気がしました。
そこだけは全くもって毎年変わらず20年できていたのではないかと。
出演者皆さんにひたすら感謝するばかりです。
しかしブッキング以外の部分で
コンセプト、ステージ数・サイズ、レイアウト、料金設定、宣伝、券売 etc
前述した大きな目的はありながら、これという「決まり」を作っておらず、良くも悪くも毎年定まっていないのは「あえて」と「決めれない」の両方。
その「ブレ方」が私的に今年はほんとにダメで、前述した反省すべき失敗に繋がったと感じています。
ここひと月そんな自戒の念を引きずり過ごしていた中、ふと見たクリープハイプFCサイト。各地フェス出演後のトークが公開されていて5月4日のライブ終わり、楽屋での映像も見ることができました。
「いかがでしたか?」(なぜか質問しているのが鈴木淳史)
「正しくブレてると思います」
その言葉に、沸き起こった「安堵」と「やはりダメやった」という相反する気持ちが入り混じりつつも、背筋が伸びる思いがしました。
慰めや同情の言葉を欲しているわけではなかったのに、この言葉に救われてやっと今このテキストを書けています。(いつもバンドに救われてばかり)
ここでテキスト終わることも考えましたが、暗雲立ち込めたままもあまり良くないかと。特に2日目のみ来た方は気分も削がれると思い、許されるなら少し自分の所感も綴らせてもらいます。
初日、「なんでも言うこと聞く」つもりであった四星球 から「最後にローション被って欲しい」との相談を断ってしまったのは申し訳なく感じてます。ボーカル北嶋くんが翌日も来てくれてアタマのスクービーから最後フラカンまで見届けてくれたのはとても嬉しかった。彼らが「面白いだけではない」所以はここにもあると思います。
鈴木くんがレポートで触れてくれてましたが、民生さん、フィッシュマンズらを野外イベントにブックさせて貰い、しかし満足に音が出せなかった悔しさを感じた90年代。
ご縁あり「泉大津フェニックス」という会場を授かり20年やらせて貰えて、
フィッシュマンスは30年前と同じ「LONG SEASON」1曲で挑み
民生さんの「手紙」というとんでもない演奏と音圧が下腹部から入ってくる(筆舌し難いってことです)感覚に
この場所でやってきて叶った、この場所だから手に入った変えられないものがあったと思います。
20年前に出てくれた、サンボ、POLYSICS、スクービー、フラカン、GRAPEVINEらとまた一緒にやることができて幸せでした。
1組ごとのバンド、アーティストと自分達との関係性があるように、リスナー皆さんも一人づつそんな関係があるのだと思います。
自分は「たまたま仕事で」近しく接しているだけで、距離感は違いますが音楽に心動かされる本質的な部分は誰をも変わらない。
参加くださった皆さんにとって、このイベントがバンド、アーティストとイイ関係を築くことに貢献できたなら何よりですし、またそんな機会を設けれるようリスナー・お客さん代表としてやらせて貰えるなら頑張りたいとも思います。
春に移して3回目。ここ数年の経費高騰や、思うところもありこのまま続ける限界も感じました。3年(回)やってアカンかったら考えねば理論。
キリよく20年目で一度リセットして「時期、場所」など再考せねばと思っていたので来年以降は正直白紙になっています。(これはこれでブレブレ)
バンド、ミュージシャンが続いてくれること。
それを一人でも多くの方に伝えること。
初心を忘れず、また企てることができたなら懲りずにお越しくださるとありがたく思います。今度こそ誰もがっかりさせることがないよう。