三霊泉五名泉投票 S5.6.8

あちこちが町をあげての投票合戦になってきた、昭和5年の温泉ランキング。現在は3~4千票の間でトップ争いが繰り広げられていますが、この後どうなるでしょうか。大きく票が動くことが多くなってきたので、さらに目が離せなくなってきました。

どんなルールで行われた投票なのかは、この記事が入っているマガジンの最初の記事をご覧ください。
なお、実際の新聞記事に順位と前日からの動きを加筆して書いています。

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昭和5年6月8日

擡頭してきた 鹿部と洞爺

豊富温泉も必勝を期して 全道的な戦線

本社の三霊泉五名泉投票は今や強風のそれのごとく全道を風靡し日ごとに昇騰されゆく票数に大衆の興味はいやが上にも沸騰しつつあるが七日正午までの成績を見るにカルルス依然第一位を占め子宝昆布は一進一退の接戦ぶり ここに一挙にして二千八百余票を得て第五位に躍進した鹿部温泉、洞爺温泉の力や実に図り難きものがある、なお手塩本線豊富温泉の必勝を期して稚内運輸事務所では館内唯一の霊泉の真価を広く知らしめぜひ最後の栄冠をかち得べく各駅に檄を飛ばして得票集めの活動を開始した なお昆布温泉も小樽市内に戦線を拡張して投票蒐集につとめている

三霊泉五名泉投票

6月7日正午まで到着の分

 1位(→0)  4664 幌別  カルルス温泉
 2位(↑1)  4405 登別  子宝湯
 3位(↓1)  3572 昆布  昆布温泉
 4位(→0)  3080 音更  雨宮温泉
 5位(↑27) 2969 鹿部  鹿部温泉
 6位(↓1)  1764 銭亀沢 根崎温泉
 7位(↑22) 1184 洞爺  洞爺温泉
 8位(↑2)   893 岩内  堀株温泉
 9位(↓2)   859 鴛泊  利尻冷鉱泉
10位(↓2)   732 幾春別 神泉閣
11位(↓2)   551 小樽  山谷温泉
12位(↓1)   505 寿都  湯別温泉
13位(↑8)   486 上富良野吹上温泉
14位(↓2)   441 豊富  豊富温泉
15位(↓1)   440 落部  銀婚湯温泉
16位(↑2)   374 定山渓 定山渓温泉
17位(↓4)   369 大沼  大沼温泉
18位(↓2)   338 上湧別 富美温泉
19位(↑3)   332 倶知安 二世古温泉
20位(↓5)   329 昆布  紅葉谷温泉
21位(↓4)   279 留辺蘂 温根湯温泉
22位(↑4)   249 歌棄  歌棄温泉
23位(↓4)   256 和寒  塩狩温泉
   (↓4)   256 上士幌 糠平温泉
25位(↓2)   220 層雲峡 堀谷温泉
   (↓1)   220 長万部 二股温泉
27位(↓2)   193 富良野 松壽園
28位(↓1)   166 留辺蘂 大江温泉
29位(↓1)   150 定山渓 薄別ラヂウム温泉
30位(→0)   142 蘭越  新見温泉
31位(→0)   130 羅臼  羅臼温泉
32位(↑外)   118 早来  鶴ノ鉱泉
33位(↑外)   116 士別  瀧不動温泉
34位(↑2)    86 弟子屈 川湯温泉
35位(↓2)    85 山越  山越温泉
36位(↓1)    81 瀬戸瀬 瀬戸瀬温泉
37位(↓3)    80 洞爺  床丹温泉

(以下省略)

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見事な組織票の戦いですね。1日前まで106票で32位だった鹿部温泉が5位に、142票で初登場の洞爺温泉が翌日には4桁で7位に。でも他の温泉もきっちり食らいついていて、上位陣の動きは比較的安定しています。

22位の歌棄温泉が23位よりも10票少ないことと、25位が堀谷温泉になっています(塩谷が正しいはず)が、訂正せず新聞記事のまま書きました。

当時の読者も、毎日ランキングを気にして読んでいたんでしょうね。
90年後にも気にして読んでいる人がいるとは、当時の誰も思っていなかったかもしれませんが笑

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温泉なんでも屋さん 髙野 紀康
温泉経営者だった経験を生かし、北海道の温泉をさらに盛り上げる活動をしていきたいと思っています。サポートしていただけたら嬉しいです!