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つい集めたくなる「えぞみくじ」②

北海道内8社の神社で手に入るおみくじ、えぞみくじ。
1つ前の記事で、えぞみくじの概要と3種類のおみくじを紹介しました。

続きのこの記事では残りの5つについて書きたいと思います。

湯倉神社・イカすおみくじ(函館市)

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オンシーズンには参拝者が多い湯倉神社は、湯の川温泉ゆかりの神社です。病弱だった松前藩の9代目TAKAHIRO(こう書くとなんとなく現代っぽい)が幼少の頃、母親の夢のお告げによりここで湯治。全快したお礼に薬師堂を再建、鰐口を寄付したと伝えられています。
薬師堂があったとされる場所には湯川温泉発祥の地という石碑が建っていますが、そこは誰も見ないんですよね…泣

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道南出身で子供の頃から漁火を見て過ごし、ご近所さんは皆漁師で、シーズン中には飽きるほど水揚げされたばかりのイカを食べてきた私。なぜ函館だけがイカを売りにしているのかずっと疑問でしたが(大人になってどうでもよくなった)それはさておき。函館といえばイカです。

「イカすおみくじ」は北前船の形をしたケースに…あれっ?種類が多い。
これまでと違うパターンで、イカすおみくじは白と金の2種類、そして全く前情報がなかった鯛のおみくじ「一年安鯛」が金と赤の2種類ありました。それを付属の釣竿で釣り上げます。
これは何を引くか悩んじゃいますね。突然「あなたのおみくじはこの白いイカですか、それとも金のイカですか」って神様に問われた感じです。

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悩んだ結果、白いイカすおみくじと金の一年安鯛にしました。
選ばなかった方は次回に持ち越しです。
イカすおみくじはちょうど目の後ろ側、ゲソの部分におみくじが刺さっています。一年安鯛は尾の部分に。鯛は本州の神社でも扱っているようですが、入っているのはえぞみくじでした。

北門神社・いカニもいいみくじ(稚内市)

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函館のすぐ後に向かったのは稚内。まさに道内大移動です。
こうなると温泉巡りもどこへやら…それでもえぞみくじだけのために稚内まで行くのもアレなので、違うコレクションも兼ねての複合でいろいろと行くべき理由を作るわけですが…笑

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こちらのおみくじは発泡スチロールの箱に入れられていますが…カニってまさにこういう箱で送られてきます。妙なリアリティーを感じました。

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丸い目が可愛いカニです。おみくじは右のハサミの中に自然な形で。
それにしても大吉がなかなか出ない、私のえぞみくじ…他の人に大吉が当たっているならそれでいいか。

金刀比羅神社・福ざんまい(根室市)

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函館・稚内ときて、次は根室市です。道内の市町村の中でも、札幌からの距離が最も遠い方に入ります。札幌〜羅臼間がざっくり片道400キロですが、根室はそれ以上。さすがにここは途中で温泉宿に泊まり、湯めぐりしながら1泊で行きましたが…実は根室市には温泉がないので、2日目の行程はえぞみくじ&ひたすら札幌へ向かうだけの1日になってしまいました。

最後に根室市に行ったのは25年前。しかも夜に到着して市内観光もほとんどしていなかったので街並みの記憶はほとんど残っていませんでしたが、根室市のカントリーサインが見え、そこからおぼろげに覚えている景色が目の前に広がり始めると、非常に感慨深いものが。高まりました。

ハセガワストアの姉妹コンビニチェーンであるタイエー、後から町おこしの一環として無理やり理由付けされたのとは違う真のB級グルメ・エスカロップ…北海道ローカル好きな私としては、最低でもこの2つは合わせて行きたかったんですが、それも叶ってテンションはさらに上がります。

毎週欠かさず見ているテレビ番組「ブギウギ専務」の「ブギウギ奥の細道」。北海道内を歩いて横断したその企画で、根室市で感動的なゴールをした様子もまだ記憶に新しい時期でしたが、その一行がゴールを迎える直前に立ち寄ったのがこの金刀比羅神社です。到着した時は嬉しかったなぁ。

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こちらのおみくじは「福ざんまい」ですが、そっと「サンマ」とルビがふられています。読みは「ふくさんまい」? とにかくサンマの形をした張り子なのですが、この発泡スチロール!サンマの季節になるとまさにこの状態で氷水に入ったサンマがスーパーに並びます。青いLEDが氷の雰囲気。
それを備え付けの釣竿で釣り上げます。

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福ざんまいは8種類あるえぞみくじの中で唯一、「おみくじは添えるだけ」の桜木花道状態で入っています。サンマの細い魚体には入れられないので仕方ないのですが、おかげで最もコンパクトです。

錦山天満宮・幸路みくじ(江別市)

残り2社は札幌周辺です。
江別市の住宅街の中に佇む錦山天満宮。そこだけ静かな空間でした。
ここも他の参拝者の方がおられたので社殿の写真はありません。
ちょうど赤ちゃんを連れたご家族が記念写真を撮りに来ていましたが…三脚を立てるも赤ちゃんが全く泣き止まず、数十分シャッターが切れない、微笑ましい光景が展開されていました。
住宅地の中にあるため、お散歩がてら来ている方もちらほら。

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江別といえば煉瓦ということで、こちらの「サイロみくじ」は煉瓦造りのサイロの形をしています。その引き方は…出ましたラジコン!
クレーン車のラジコンを操作し、煉瓦を模した箱の中で引っかけて上げます。難易度を下げるため、釣りタイプより大きめの輪がついています。
操作方法も書かれていて、やってみると実に楽しい!
(横にクレーンを使わない方用の箱も用意されているのでご安心を)

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おみくじはサイロの底を貫通する形で刺さっています。ワイルド。
おみくじを見る前に、クレーン車でうまく引き上げられた事に満足でした。

住吉神社・日進月歩(小樽市)

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小樽市の住吉神社は昨年末に加わったばかりの最も新しいえぞみくじです。
今年の1月に小樽市内で素敵なランチと温泉のセットを楽しんだ後、こちらに立ち寄りました。

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名前は「日進月歩」ですが、「にしん」とルビがあるので「にしんげっぽ」でしょうか。日本海側の街にはニシン漁で賑わった時代がありますが、最近になって再び群来が見られるようになってきました。
実はこの日ランチを楽しんだのも元鰊御殿。そういう意味でもタイムリー。

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にしんの魚体は帯廣神社の鮭みくじと同じくらいの大きさで、こちらもお腹に刺さるように2つ折りのおみくじが入っています。鮭と比べるとヒレの形が違っていて、オリジナルな事が分かります。

つい集めちゃってください!

長くなりましたが、現在手に入れられる北海道のご当地おみくじ「えぞみくじ」を8種類紹介させていただきました。
まだ道外の方にお薦めできる状況ではありませんが、心配なく観光で北海道に来られるようになったら、是非旅の楽しみの1つに加えて頂きたいです。
移動距離が長すぎるゆえに道民でも行きにくい場所がありますが、北海道を支えるのはまずは道民ですので、こういうのをきっかけに今まで以上にあちこち足を伸ばしてもらえたら嬉しいです。

そして、せっかく道南・道北・道東の端まで行くのであれば、「おみくじを手に入れたら次」ではもったいない。その地域ならではのものを見つけて、しっかり楽しんじゃいましょう!

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温泉なんでも屋さん 髙野 紀康
温泉経営者だった経験を生かし、北海道の温泉をさらに盛り上げる活動をしていきたいと思っています。サポートしていただけたら嬉しいです!